職務経歴書の自己PR。適切な文字数と効果的なまとめ方

転職における自己PRの役割と文字数の関係

職務経歴書における自己PRは、応募者の強みや入社意欲を伝える重要な項目です。職務経歴欄が過去の実績や業務内容という「事実」を示すのに対し、自己PRは「自身が入社後にどう貢献できるか」を、自身の言葉でアピールする場となります。採用担当者は多忙な中で多くの応募書類に目を通します。そのため、この自己PRが適切な「文字数」や分量で、簡潔にまとめられているかは、読みやすさと内容の伝達効率に直結します。

職務経歴書の自己PR。目安となる文字数はどのくらいか

自己PRの適切な文字数について、厳密な決まりはありません。しかし、転職活動の場では、一般的に200文字から400文字程度が目安とされることが多いです。これは、PC（パソコン）で作成した場合、A4用紙の4分の1程度のスペース、行数にしておおよそ5行から10行程度に相当します。この分量であれば、採用担当者が短時間で内容を把握しやすく、かつ応募者の熱意や強みを伝えるのに十分な情報量を盛り込めると考えられています。

文字数が多すぎる（長すぎる）場合の懸念点

自己PRの文字数が多すぎる、例えばA4用紙の半分以上を占めるような分量になると、いくつかの懸念が生じます。最も大きな問題は、採用担当者に「読むのが大変だ」と感じさせてしまうことです。結果として最後まで読んでもらえない、あるいは要点がぼやけてしまい、最も伝えたい強みが印象に残らない可能性があります。また、情報を簡潔にまとめる能力（要約力）が低いと評価されることもあり得ます。

文字数が少なすぎる（短すぎる）場合の懸念点

逆に、自己PRの文字数が極端に少ない、例えば1行や2行程度で終わっている場合も、マイナスの印象を与えかねません。与えられたアピールの機会を十分に活用していないと見なされ、「入社意欲が低いのではないか」「アピールできる強みがないのではないか」といった疑念を抱かせる可能性があります。適切な分量を割くことは、その企業への関心の高さを示すことにもつながります。

適切な文字数にまとめるための構成のコツ

目安となる文字数の中で、内容の濃い自己PRを作成するには、構成が重要です。まず結論として「私の強みは〇〇です」と端的に提示します。次に、その強みを裏付ける具体的なエピソード（職務経歴での実績や工夫）を簡潔に述べます。最後に、その強みを活かして、応募先企業でどのように貢献できるのかを具体的に示して締めくくります。この順序で組み立てることで、要点が明確になり、文字数を調整しやすくなります。

文字数よりも「伝わること」が最優先

これまで文字数の目安について述べてきましたが、最も重要なのは、文字数という数値に縛られすぎないことです。大切なのは、自身の強みと入社後の貢献意欲が、採用担当者に明確に「伝わる」ことです。目安の文字数を多少超えても、内容が具体的で説得力があるならば問題ありません。逆に、文字数を守るために内容を削りすぎて強みが伝わらなければ本末転倒です。読みやすさを意識しつつ、自身の魅力が最大限に伝わる内容を目指すことが肝心です。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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