職務経歴書の書き方・薬剤師向けテンプレート(雛形)の活用法
薬剤師の転職活動において、職務経歴書はご自身の専門知識と実務能力を、応募先企業に伝えるための非常に重要な書類であります。薬剤師の業務は、勤務する業態(調剤薬局、病院、ドラッグストアなど)によって大きく異なるため、ご自身の経験をいかに分かりやすく整理して提示するかが問われます。その際、「テンプレート(雛形)」を活用することは、効率的な書類作成の助けとなります。
薬剤師の職務経歴書とテンプレート
テンプレート(雛形)とは、職務経歴書を作成する上での「型」や「見本」のことであります。あらかじめ記載すべき項目やレイアウトが整えられているため、ご自身は内容の充実に集中できるという利点があります。薬剤師の職務経歴書では、このテンプレートを活用しつつ、ご自身の専門性が的確に伝わるよう情報を整理する必要があります。
薬剤師向けテンプレートの基本的な構成
一般的な職務経歴書のテンプレートには、「職務要約」や「職務経歴詳細」「活かせる経験・スキル」「自己PR」といった項目が設定されています。薬剤師の場合、これらの項目、特に「職務経歴詳細」において、ご自身の専門性を具体的に示す必要あります。
職務経歴詳細で専門性を示す
職務経歴書の中心となるのが、職務経歴詳細の欄であります。テンプレートのこの部分には、勤務先の基本的な情報(在籍期間、企業名)に加え、薬剤師としての経験の背景が分かる情報を補足します。例えば、調剤薬局であれば「〇〇科クリニック門前」「地域密着型」、病院であれば「急性期病院(〇〇床)」といった業態や規模を明記します。
具体的な担当業務の記述
採用担当者が最も知りたいのは、ご自身がどのような業務を遂行できるかという点であります。テンプレートの業務内容欄には、ご自身の経験を具体的に記述します。「調剤業務(処方箋枚数:一日平均〇〇枚)」「処方箋監査、疑義照会」「服薬指導、患者様対応」「薬歴管理(電子・紙)」「医薬品の在庫管理・発注業務」など、担当した業務を詳細に書き出します。
在宅医療や管理業務の経験
もし、在宅医療(居宅療養管理指導)に関わった経験や、管理薬剤師としてのスタッフ管理・店舗運営の経験があれば、それらもテンプレートの該当箇所に明記します。これらはご自身のスキルをアピールする上で、非常に重要な情報となります。
スキルや資格の記載欄
テンプレートには、多くの場合「活かせる経験・スキル」や「資格」の欄が設けられています。薬剤師免許は当然として、使用経験のある「レセコン」や「電子薬歴」の具体的なシステム名(メーカー名など)、あるいは「研修認定薬剤師」や「専門薬剤師」といった保有資格を記載します。
無料テンプレート(雛形)の入手と形式
これらのテンプレートは、転職情報サイトなどで無料でダウンロードできることが多くあります。ご自身のパソコンで編集しやすいWord(ワード)形式が一般的です。形式としては、ご自身の職歴を「新しい順」に記載する「逆編年体形式」のテンプレートが、中途採用では最も推奨されています。
テンプレート活用時の最も重要な注意点
ただし、テンプレートはあくまで書類作成を補助する「器」であります。採用担当者が評価するのは、整ったレイアウトそのものではなく、そこに具体的に書かれたご自身の経験と専門性、そして仕事への取り組み方であります。テンプレートの例文をそのまま使うのではなく、ご自身のキャリアを丁寧に棚卸しし、ご自身の言葉で具体的に記述する作業が不可欠であります。
専門性が伝わる書類作成を
適切なテンプレートを選び、ご自身の薬剤師としての価値が採用担当者に正確に伝わるよう、内容の充実に時間をかけること。それが、書類選考を通過し、転職成功へ至る鍵となります。





