職務経歴書は全部書かない方がいい?|必要な職歴だけを厳選する戦略的な書き方
「職務経歴書、全部書かないのはアリ?」と悩む方へ
転職活動をしていると、多くの人が「職務経歴書は全部書かないといけないの?」という疑問を抱きます。
✅ 転職回数が多くて全部書くと長すぎる…
✅ 短期で辞めた仕事はマイナス評価されそう
✅ 異業種・異職種の経歴は、書いても意味がないのでは?
✅ 書類通過率を上げるには、むしろ全部書かない方がいい?
このような疑問に対し、結論から言うと――
職務経歴書は「全部書かない」という選択も有効です。
すべての職歴を詳細に書く必要はなく、応募先企業にとって「価値がある情報だけを届ける」ことが、職務経歴書を効果的に仕上げるポイントになります。
この記事では、「全部書かない」職務経歴書の考え方、判断基準、書き方の工夫と注意点をわかりやすく解説します。
なぜ職務経歴書は「全部書かない」のが許されるのか?
✅ 理由1:職務経歴書は“情報の選別”が前提
履歴書は略歴をすべて書くのが基本ですが、職務経歴書はあくまで「自分の強みや経験を相手に伝えるためのアピール資料」です。
よって、採用に直接関係のない職歴まですべて書く必要はありません。
✅ 理由2:読みやすさとインパクトを重視するため
職歴が多い人が全部書いてしまうと、職務経歴書が3~4ページにもなり、読む側にとっては負担になります。
「採用担当者に読まれる書類」を意識すれば、情報は厳選すべきです。
「全部書かない」でいい職歴の判断基準
職歴のタイプ | 書かなくてもOK? | 理由 |
---|---|---|
業務内容が応募職種と無関係 | ✅ | 応募先にとって不要な情報 |
数週間〜3か月以内の短期職歴 | ✅ | 在籍期間が短く実績が少ないため |
単発アルバイト・副業 | ✅ | 転職活動に直接関係しない場合 |
ブランク補填のためだけの派遣勤務 | △ | 空白を埋めたいなら簡潔に記載 |
「全部書かない」職務経歴書の書き方と工夫
✅ 1. 主要な職歴のみを選び、詳細に記載
応募先にとって関係が深い職歴に絞り、その業務内容や成果を具体的に書きましょう。
例:
■ 株式会社コアシステム(2019年4月~2023年8月)
【職種】社内SE
【業務内容】
・社内インフラの整備、ヘルプデスク対応
・基幹システムの選定と導入支援
【実績】
・老朽化したネットワーク設備を刷新し、通信障害を年間80%削減
✅ 2. 関連性の低い職歴は省略、または簡略記載
すべて書かなくてもよい場合でも、空白期間とのバランスを取るため、形式的に簡潔に記載するのも一つの方法です。
例:
■ その他職歴(簡略)
2015年4月〜2016年2月 物流倉庫でのピッキング業務(アルバイト)
※職務経歴に直接関係がないため詳細割愛
✅ 3. 空白期間が生じる場合は「補足説明」で対応
すべての職歴を書かないことで空白期間ができる場合は、備考欄や職務要約の中で自然に説明すると印象が良くなります。
例:
2016年〜2017年の間は短期就業・資格取得の準備を並行して行っていたため、職務経歴には反映しておりません。
「全部書かない」で職務経歴書を作る際の注意点
⚠ 嘘や隠ぺいと取られないようにする
書かない自由はあっても、意図的に職歴を“隠す”ような印象を与えると信頼を損ないます。
採用担当者から質問された際にきちんと説明できるよう準備しておきましょう。
⚠ 転職回数とのバランスを考える
職歴を省きすぎると、「この人、実際はいくつの会社を経験してきたんだろう?」という不信感を持たれる可能性があります。
職務要約で「通算○社で経験」などと補足してもよいでしょう。
「全部書かない」からこそ、自己PRと職務要約が重要
情報を削ってスリムにする分、職務要約や自己PR欄で「全体像」と「強み」をしっかり伝えることが大切です。
▶ 職務要約の例
IT業界での経験は通算8年。社内SE、インフラ整備、業務効率化のプロジェクト推進などを通じ、ユーザー視点に立った課題解決力を培ってきました。職歴のうち、特にシステム刷新や新規導入に関わった実績を中心に記載しております。
まとめ|職務経歴書は「全部書かない」ことで伝わることがある
✅ 職務経歴書は全部書く必要はなく、応募職種に関連する職歴に絞ってOK
✅ 短期・関係のない職歴は、省略または簡略化して記載
✅ 情報を絞った分、主要な職歴は具体的かつ丁寧に
✅ 空白期間が気になる場合は、補足や備考でフォロー
✅ 職歴の全体像や意図を職務要約でしっかり伝えると信頼感がアップ
「全部書かない」という選択は、情報を削ることではなく、自分の価値を“選んで伝える”こと。
職務経歴書は履歴の羅列ではなく、「あなたを採用すべき理由」を提示するための資料です。
伝えるべきところに力を注いで、効果的な職務経歴書を目指しましょう。