転職回数が多い場合の職務要約の書き方。職務経歴書で懸念を払拭するコツ

転職回数が多い場合の職務要約の重要性

転職回数が多い場合、職務経歴書の作成において、特に「職務要約」の書き方は重要性を増します。職務要約は、採用担当者が応募書類の中で最初に目を通す、いわば「つかみ」の部分です。ここで、転職回数の多さに対する採用担当者の懸念を払拭し、自身の強みやキャリアの一貫性を簡潔に伝えることが、書類選考を通過するために不可欠となります。

採用担当者が抱く懸念とは

採用担当者が職歴の多さから懸念する点は、主に「定着性（すぐに辞めてしまうのではないか）」や「キャリアの一貫性（場当たり的に仕事を選んでいないか）」、「専門性が身についていないのではないか」といった点です。職務要約は、これらの懸念に対し、続く詳細な職務経歴を読んでもらう前に、ポジティブな第一印象を与える役割を持ちます。

職務要約で「一貫性」を示す方法

転職回数が多くても、これまでのキャリアに一貫した「軸」がある場合は、それを職務要約で明確に打ち出します。例えば、「一貫して〇〇業界での営業職として、新規開拓に従事してきました」「〇〇の専門スキル（例。Webデザイン）を軸に、複数の環境で経験を積んできました」といった形で、経験の共通点を強調します。

職務要約で「専門性」をアピールする方法

時系列ではなく、職務内容やスキル（職能）を軸にまとめる「キャリア式」の職務経歴書とも関連しますが、職務要約の段階で自身の専門性をアピールするのも有効です。どのような企業に所属したかよりも、どのような職務分野（例。プロジェクト管理、顧客サポート）で、どのような経験を積んできたかを簡潔にまとめ、即戦力となることを示します。

職務要約で「適応力」や「経験の幅」を伝える

もし職種や業界に一貫性が見出しにくい場合でも、転職回数の多さを「多様な環境への適応能力」や「幅広い業務知識」といった強みとして表現する工夫も考えられます。ただし、この場合も、それが応募先企業でどのように活かせるのか、という視点と結びつける必要があります。

職務要約の適切な長さと具体性

職務要約は、長くとも3行から5行程度で簡潔にまとめることが原則です。転職回数が多い場合、全ての経歴を網羅しようとすると冗長になり、かえって強みがぼやけてしまいます。応募先企業の求人内容に合わせ、最もアピールしたい強みや一貫性に絞り込み、具体的に記述する必要があります。

職務要約はキャリアの「ガイドライン」

転職回数が多い方にとって、職務要約は、これまでのキャリアの単なる要約ではありません。採用担当者に、これから続く詳細な職務経歴を「どのような視点で読んでほしいか」を示すための「ガイドライン」の役割を持ちます。ここでキャリアの軸を明確に示すことで、職歴の多さをポジティブに解釈してもらうきっかけを作ります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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