転職時の職務経歴書。休職期間の記載方法と注意点
転職活動と休職期間の悩み
転職活動において職務経歴書を作成する際、過去に休職した期間がある場合、その事実をどのように記載すべきか悩む方は少なくありません。病気、怪我、あるいはメンタルヘルスの不調、家族の介護や育児など、休職の理由は様々です。採用担当者が休職の事実を知った場合、「健康状態は問題ないか」「再発のリスクはないか」「安定して長期的に勤務してもらえるか」といった懸念を抱く可能性があるため、その伝え方には配慮が求められます。
職務経歴書に休職期間は書くべきか
休職期間も自身のキャリアの一部であるため、原則として、その事実に触れずに隠すことは推奨されません。特に、休職期間が長期にわたる場合や、休職したまま退職に至った場合は、職歴上のブランク(空白期間)として扱われるため、その理由を説明する必要があります。一方で、短期間(例えば1ヶ月程度)の休職で、すでに復職して問題なく勤務している実績がある場合は、必ずしも詳細に記載しなくても良いケースもあります。
休職期間の具体的な記載方法
職務経歴書に休職期間を記載する場合、在籍した企業の職歴欄の中に、事実を簡潔に記述するのが一般的です。例えば、「〇年〇月~〇年〇月 〇〇(理由)のため休職」といった形です。そして、もし復職している場合は、「〇年〇月 復職し、通常業務に従事」と補足することで、その後の業務遂行に問題がなかったことを示せます。
休職理由(病気・療養など)の伝え方
病気や怪我、メンタルヘルスの不調などが理由で休職した場合、採用担当者が最も知りたいのは「過去の事実」よりも「現在の健康状態」と「業務への支障の有無」です。したがって、職務経歴書に記載する休職理由は、「病気療養のため」「怪我療養のため」といった簡潔な表現で十分であり、具体的な病名まで詳細に記載する必要はありません。
重要なのは、現在は完治(あるいは寛解)しており、業務遂行に全く支障がないことを明確に伝えることです。面接で質問された際にも、医師から就業可能の判断が出ていることを、自信を持って説明できるように準備しておきます。
育児休業や介護休業の場合
育児休業(育休)や家族の介護休業(介休)といった理由での休職は、社会的に広く認知されており、それ自体がネガティブな評価につながることは稀です。これらも事実として、「〇年〇月~〇年〇月 育児休業のため休職」「〇年〇月 復職」と簡潔に記載します。介護が理由であった場合は、現在は介護の状況が落ち着いており、業務に集中できる環境が整っている旨を補足すると、採用担当者の安心材料となります。
休職の事実を記載しない(隠す)リスク
意図的に休職の事実を隠して職務経歴書を作成した場合、いくつかのリスクが伴います。例えば、入社手続きの際に提出する社会保険の加入履歴や源泉徴収票などから、給与が支払われていない期間(休職期間)の存在が発覚する可能性があります。こうした事実の不記載や虚偽の記載は「経歴詐称」とみなされ、採用担当者との信頼関係を著しく損なうことになります。最悪の場合、内定取り消しや、入社後であっても懲戒解雇の理由となる可能性もゼロではありません。
自己PR欄などでのポジティブな補足
職務経歴欄に休職の事実を記載した上で、自己PR欄や本人希望欄などで、現在の健康状態が良好であること、勤務に全く支障がないことを改めて強調するのも有効な方法です。また、休職という経験を通じて、健康管理の重要性を再認識したことや、復帰後の業務に対する意欲がより高まったことなど、前向きな姿勢を伝えることも、懸念を払拭する一助となります。





