クリニックの書類選考にかかる期間の目安と連絡が来ない場合の対処法

クリニックや診療所へ応募書類を送付した後、結果の連絡がいつ来るのか分からず不安な時間を過ごしている方は少なくありません。一般企業や総合病院とは異なり、個人経営や小規模運営が多いクリニックでは、選考プロセスや期間に独自の傾向が見られます。早い場合は即日連絡が来ることもあれば、想定以上に時間がかかることもあります。ここではクリニックの書類選考にかかる平均的な期間の目安や、連絡が遅れるクリニックならではの事情、そして連絡が来ない場合の適切な問い合わせ方法について詳しく解説します。

クリニックの書類選考期間は1週間程度が一般的な目安です

クリニックにおける書類選考期間は、応募からおおむね1週間程度を目安に考えておくのが一般的です。採用担当者や事務長がいる医療法人のクリニックであれば、比較的スムーズに選考が進み、3日から5日程度で連絡が来ることもあります。一方で院長一人が全ての決裁権を持っている個人クリニックの場合は、診療業務の合間を縫って書類を確認するため、1週間から10日近くかかることも珍しくありません。

また応募したタイミングによっても期間は変動します。木曜日や土曜日などの休診日前日に書類が届いた場合や、連休を挟む場合は、確認作業が翌診療日以降になるため、その分だけ連絡が遅くなります。まずは1週間程度を標準的な待機期間として捉え、焦らずに待つ姿勢が大切です。

結果連絡が遅くなってしまうクリニック特有の事情

目安となる1週間を過ぎても連絡が来ない場合、不採用になったのではないかと心配になりますが、クリニック特有の事情により物理的に連絡が遅れている可能性も十分に考えられます。最も大きな理由は、採用決定権を持つ院長の多忙さです。院長は診療、検査、経営業務、スタッフ管理などを一人でこなしていることが多く、患者数が多い時期やインフルエンザワクチンの接種時期などの繁忙期には、採用業務が後回しにされがちです。

また、事務スタッフが少人数で運営されている場合、電話対応や受付業務に追われて、応募者への連絡業務まで手が回っていないケースもあります。さらに、院長が学会出席や休暇で不在にしている場合も、決裁が下りずに選考がストップしてしまいます。このように、連絡が遅い背景には「じっくり選考している」というよりも「忙しくて見れていない」という現場のリアルな事情があることを理解しておく必要があります。

連絡が来ない場合に不採用と判断する期間の基準

連絡が遅いからといって必ずしも不採用とは限りませんが、ある程度の期間が経過しても音沙汰がない場合は、見切りをつける判断も必要になります。一つの基準となるのは、応募から2週間です。求人票などに「合格者のみに連絡」といった記載がない場合で、かつ2週間以上経過しても連絡がないときは、残念ながらご縁がなかった可能性が高いといえます。

また、クリニックによっては不採用通知（お祈りメールや郵送）を送る手間を省き、合格者のみに電話連絡をするというスタイルをとっているところもあります。もし面接に進んでほしい人材であれば、他院に取られないように早めにコンタクトを取るのが一般的ですので、あまりにも長期間連絡がない場合は、気持ちを切り替えて他の求人を探し始めるのが賢明です。

状況を確認するために問い合わせをする際のマナーと時間帯

応募から1週間から10日以上経過しても連絡がなく、どうしても結果を確認したい場合は、電話で問い合わせを行っても失礼にはあたりません。ただしクリニックへの電話連絡は、かける「時間帯」に最大の配慮が必要です。午前中の診療開始直後や、患者様で混み合う時間帯、夕方の忙しい時間帯に電話をかけることは避けるべきです。業務の妨げとなり、マイナスの印象を与えてしまうリスクがあります。

問い合わせに適しているのは、午前の診療が終わる直前や、午後の診療が始まる前の比較的落ち着いている時間帯、あるいは昼休みの時間帯（電話がつながる場合）です。電話ではまず名乗り、「〇月〇日に応募書類をお送りいたしました〇〇と申します。選考状況について確認させていただきたくお電話いたしました」と丁寧に伝えます。「結果はまだですか」と急かすのではなく、「お忙しいところ恐縮ですが」と相手の状況を気遣う言葉を添えることが、好印象を保つためのポイントです。

結果待ちの時間を有効に使い次のチャンスに備える

書類選考の結果を待っている間は、ただ連絡を待つだけでなく、次のステップに向けた準備を進めることが重要です。もし書類選考を通過していた場合、次は面接が控えています。クリニックの面接では、スキルだけでなく「院長やスタッフと円滑にコミュニケーションが取れるか」「クリニックの雰囲気に合うか」といった人物面が重視されます。

待機期間中にクリニックのホームページを隅々まで確認し、診療方針や院長挨拶を読み込んでおくことで、面接での志望動機や逆質問の質を高めることができます。また、並行して他のクリニックの情報収集を行うなど、リスクヘッジをしておくことも精神的な余裕につながります。クリニックの選考はタイミングや相性の要素も強いため、一喜一憂せずに前向きに活動を続ける姿勢が、良い職場との出会いを引き寄せます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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