「財務」の経験を職務経歴書でどうアピールする?|職種別の書き方と実例を紹介
財務業務の経験は、職務経歴書で大きな強みになる
企業の経営基盤を支える「財務」は、組織の成長と安定に欠かせない重要な役割です。財務の仕事は単に数字を管理するだけでなく、経営戦略や資金調達に直結する専門性の高い職種といえます。そのため、財務部門での経験は、職務経歴書でしっかりとアピールすべきポイントです。
✅ 「経理との違いがうまく伝えられない」
✅ 「財務でどんなスキルを書けばいいのかわからない」
✅ 「財務分析や資金管理の実績をどう表現すればいい?」
この記事では、財務経験者が職務経歴書で実力を伝えるための書き方や構成、アピールにつながる実例を詳しく解説します。
財務職の職務経歴書で評価されるポイントとは?
採用担当者が財務経験者の職務経歴書でチェックする主なポイントは以下の通りです。
評価される項目 | 内容 |
---|---|
資金繰りの実務経験 | 入出金管理、資金調達の可否、キャッシュフロー管理など |
経営数値の分析力 | 月次・四半期・年次決算の財務分析や予実管理 |
銀行折衝経験 | 金融機関との融資交渉、契約対応、資金調達手段の実行 |
予算編成スキル | 予算作成の主担当、各部門との調整、計画立案経験など |
使用ツール・システム | Excel、会計ソフト(弥生、勘定奉行)、ERP(SAP等)などの実務使用経験 |
財務と経理の違いを明確にすることが大切
職務経歴書では「財務」と「経理」を混同せず、それぞれの役割を区別して記載することが重要です。
項目 | 財務 | 経理 |
---|---|---|
主な業務 | 資金計画、資金調達、財務分析、金融機関対応 | 仕訳、伝票処理、決算対応、税務申告 |
目的 | 経営戦略に基づく資金の最適配分 | 正確な会計記録と法的対応 |
あなたが財務として「資金繰り」「金融機関との交渉」「予算策定」などに関わっていたことを、具体的に書くことで差別化できます。
財務職の職務経歴書 記載例(実務経験3年以上)
■ ABCホールディングス株式会社(2019年4月 ~ 現在)
【所属部署】財務部(正社員)
【役職】財務担当(チームリーダー)
【業務内容】
- 年間売上80億円規模の資金繰り表の作成・管理(月次/週次)
- 金融機関5行との折衝による運転資金の借入および借換対応
- 取引銀行の与信管理および融資条件交渉(返済計画立案含む)
- 月次・年次のキャッシュフロー計算書の作成および資金調達計画の策定
- 子会社2社の財務データ取りまとめ、連結予算作成サポート
- 会計ソフト「勘定奉行」、Excel関数、Power BIによる予実分析
【実績・成果】
- 融資条件の見直しにより、年間利息支出を120万円削減
- 各部門との連携強化により、年度予算作成を従来より1週間短縮
- キャッシュフロー改善施策により月末残高を前年比25%改善
職務要約の書き方(例)
財務部門にて5年以上にわたり、資金繰り管理、金融機関対応、財務分析、予算編成に携わってまいりました。グループ会社を含む財務統括にも関与し、資金調達の円滑化やキャッシュフロー改善に寄与した実績があります。今後も経営戦略に資する財務部門の一員として、数字に基づいた提案と実行力を強みに貢献してまいります。
スキル・資格欄の記載例
- 日商簿記2級(2020年取得)
- 財務諸表読解(実務経験5年)
- Excel(IF、VLOOKUP、ピボットテーブル)
- 会計ソフト:勘定奉行、SAP ERP導入プロジェクト経験あり
- 英語:TOEIC 750点(英文財務資料の読解対応)
財務職の自己PR例文
財務としての一番の強みは、「数字を見る力」と「調整力」です。金融機関との交渉を通じて、より有利な資金調達条件を引き出すとともに、社内各部門との調整により、全社予算の精度向上と資金計画の最適化に貢献してまいりました。現場と経営をつなぐ財務パーソンとして、御社でも安定した資金管理と経営支援を両立していきたいと考えております。
財務職の職務経歴書で差がつく3つのコツ
✅ 1. 数字と成果をセットで記載する
「何をやったか」+「どう改善・貢献したか(数値)」のセットが説得力を生みます。
✅ 2. 経営に近い視点を盛り込む
財務=経営と直結するポジション。単なる処理業務ではなく、「意思決定をサポートしていた」など、戦略的関与を伝えると◎。
✅ 3. システム・ツールの使用経験は具体的に
会計ソフト、ERP、BIツールなどの操作経験は実務力を示す要素です。プロジェクト導入や改善提案の経験も評価されます。
まとめ|財務職の職務経歴書は「戦略+実務力+成果」で勝負!
✅ 財務職は企業にとって戦略的に重要なポジション。実務経験は強力なアピールポイントになる
✅ 資金繰り・予算編成・財務分析・銀行対応などの業務を、具体的かつ数字で示す
✅ 使用ツールや得意分野、改善実績も明記して“即戦力”をアピール
✅ 自己PRでは「経営に貢献できる財務人材」であることを強調しよう
財務経験は、どの業界でも求められる“普遍的なスキル”です。あなたの職務経歴書に、的確な言葉と成果を添えて、企業の未来を支える存在としての魅力を存分に伝えましょう。