総務職の経験を最大限に活かす職務経歴書の書き方とアピール方法
企業を円滑に運営していくうえで欠かせない「総務」の仕事は、社内のあらゆる業務を支える“縁の下の力持ち”として、非常に重要な役割を担っています。採用担当者に総務職としての実力や貢献度を伝えるには、実績やスキルを明確に整理し、職務経歴書に的確に落とし込むことが不可欠です。
この記事では、総務職の転職活動において強みを伝えるための職務経歴書の書き方や、アピールすべきポイント、実際に活用できる記載例を詳しく紹介します。
なぜ総務の職務経歴書が重要なのか?
総務職は「何でも屋」と表現されることもあるように、業務範囲が広く、仕事内容が見えにくいという特徴があります。だからこそ、職務経歴書では「どのような業務を、どこまで、どんな成果を出して行っていたのか」を具体的に示すことが重要です。
明確に整理された職務経歴書は、読み手に**「業務の幅広さ・正確さ・対応力」**を効果的に伝える手段となり、採用担当者に強い印象を与えることができます。
職務経歴書において総務職がアピールすべき主な業務領域
職務経歴書を作成する際は、以下のような業務を具体的に整理し、箇条書きや見出しを活用して分かりやすくまとめましょう。
総務職の主な担当業務例
- 社内文書の作成・管理(契約書・稟議書など)
- 備品・設備管理、オフィス環境整備
- 株主総会・取締役会運営
- 会社行事・社内イベントの企画・実施
- 防災・安全衛生管理
- 福利厚生の制度運用、社会保険手続き(人事と連携)
- 外部業者との折衝、契約更新業務
- 経費精算・伝票処理などの庶務業務
また、近年はDX推進(業務効率化ツールの導入など)やコンプライアンス対応、情報セキュリティ管理など、より専門性が求められる場面も増えており、それらの経験があれば強みとして積極的に記載しましょう。
職務経歴書の書き方のポイント(総務職向け)
1. 担当業務を具体的かつ体系的に記載する
職務経歴書では、「総務全般を担当」などの抽象的な表現ではなく、業務の範囲・内容・頻度・成果をできるだけ具体的に記載しましょう。
2. 実績や改善事例は数値で示す
「業務フロー見直しで申請処理を30%短縮」「年間行事を効率化しコスト10万円削減」など、改善成果や工夫した点を数字とともに示すと説得力が高まります。
3. 応募先の業界や職種に合わせて情報を取捨選択
すべての業務を網羅するのではなく、応募先のニーズに合わせて強調すべき経験を選び、重点的に記載します。
【例文】総務職の職務経歴書(抜粋)
氏名:高橋 優子
生年月日:1990年9月20日
メールアドレス:y.takahashi@example.com
職務要約
総務職として7年間、ベンチャー企業および中堅企業にて幅広い社内サポート業務を担当。文書管理、備品発注、社内制度運用から株主総会の運営補助まで幅広く対応。業務フローの見直しによる生産性向上やコスト削減実績あり。コミュニケーション力とマルチタスク対応力を活かし、各部門との連携も得意とする。
職務経歴
株式会社○○システムズ(2017年4月~2023年3月)
業種:ITサービス/従業員数:150名
職種:総務担当
【担当業務】
- 社内規程・文書管理、契約書レビュー補助(弁護士連携あり)
- 備品・機器の購入管理(コストを年間20万円削減)
- 勤怠データの集計・給与連携(勤怠システム:ジョブカン)
- 社内行事(社員旅行・表彰式)の企画・運営
- 新入社員受け入れ準備・オリエンテーション実施
- 総務関連マニュアルを整備し、属人化解消に貢献
- 株主総会・取締役会資料の作成補助、会場設営対応
保有スキル・資格
- 日商簿記3級
- ビジネス実務法務検定2級(2021年取得)
- Word・Excel・PowerPoint(業務マニュアル、報告資料作成レベル)
- Google Workspace、Zoom、Slack使用経験あり
自己PR
社内全体の業務を円滑に回すため、状況把握と先回りした対応を常に意識してきました。社内の困りごとに対して柔軟に対応することで信頼関係を築き、業務の標準化や見える化にも取り組んできました。縁の下から支えることにやりがいを感じており、今後も総務として組織を下支えする役割を果たしていきたいと考えています。
まとめ
総務職の経験は、一見目立ちにくいように思われがちですが、実は企業活動を支える実務能力・調整力・課題解決力が詰まった非常に価値の高い経験です。
職務経歴書では、「何をやってきたか」だけでなく「どう工夫し、どんな成果につながったか」を丁寧に伝えることで、あなたの貢献度をより具体的にアピールできます。幅広い経験を活かし、自信を持って次のステップに進みましょう。