SE(システムエンジニア)の経験を最大限に活かす職務経歴書の書き方と実践例
IT業界で転職を考えるSE(システムエンジニア)にとって、「職務経歴書」はこれまでの経験やスキル、プロジェクト実績をアピールする重要な書類です。履歴書が基本情報を伝えるものであるのに対し、職務経歴書は**“何ができるか”を具体的に示す技術者としての名刺**ともいえます。
この記事では、SEの職種に特化した職務経歴書の書き方、アピールすべきポイント、そして実際に使える例文を詳しく解説します。
なぜSEの職務経歴書が重要なのか?
システムエンジニアの業務は、要件定義から設計、開発、テスト、運用保守に至るまで多岐にわたります。そのため、企業側は職務経歴書を通じて、応募者がどの工程をどの程度のスキルで担当できるのか、どんな技術スタックを使ってきたのかを知りたいと考えています。
また、プロジェクトの規模やチーム内でのポジション、成果物、課題解決能力なども評価の対象となります。つまり、単なる経歴の羅列ではなく、実績を具体的に示す内容が求められるのです。
SEが職務経歴書に記載すべき主な内容
職務経歴書を構成する際、以下の項目を意識して整理することで、読み手に伝わりやすい内容になります。
1. 職務要約
SEとしての経験年数、得意領域(業務系/Web系/インフラ系など)、主な開発環境やスキルを簡潔にまとめます。
2. プロジェクト経歴(時系列)
- プロジェクト名
- 期間
- 担当フェーズ(要件定義/基本設計/詳細設計/開発/テスト/運用など)
- 使用技術(言語、OS、DB、フレームワークなど)
- チーム規模/自身の役割
- 実績や成果、工夫した点
3. 保有スキル・資格
言語、フレームワーク、クラウド、開発環境などを体系的に整理します。
4. 自己PR
技術的な強みだけでなく、コミュニケーション能力、課題解決力、マネジメント力などのヒューマンスキルも記載すると効果的です。
【例文】職務経歴書(SE・Webアプリ開発経験者)
氏名:田中 一郎
生年月日:1990年5月15日
メール:tanaka@example.com
職務要約
Web系システム開発を中心に、SEとして7年の経験を持つ。要件定義~設計・開発・テスト・運用まで一貫して担当し、PHP、JavaScript、Laravel、MySQLなどを用いた業務アプリケーション開発が得意。チームリーダーとしてのマネジメント経験もあり、仕様調整や顧客折衝にも対応可能。
職務経歴
株式会社○○ソリューション(2016年4月~2023年3月)
事業内容:Webシステム開発、受託開発、SES
【プロジェクト①】業務支援Webシステム開発(2021年5月~2023年3月)
- 担当工程: 要件定義、基本設計、詳細設計、開発、テスト、運用保守
- 開発環境: PHP(Laravel)、JavaScript(Vue.js)、MySQL、AWS、Git
- チーム規模: 5名(PM、SE2名、PG2名)
- 内容・実績:
- 既存Excel業務をWeb化するプロジェクトにて、顧客ヒアリングを通じて要件定義を主導
- コードレビュー体制の強化を提案し、バグ件数を30%削減
- UI/UX改善により、画面遷移数を20%削減し、操作性を向上
【プロジェクト②】ECサイト管理システムのリプレイス(2019年1月~2021年4月)
- 担当工程: 詳細設計、開発、単体テスト、リリース対応
- 使用技術: CakePHP、JavaScript(jQuery)、PostgreSQL
- 内容・実績:
- 新商品の登録・在庫管理機能の開発を担当
- バッチ処理のリファクタリングにより処理時間を40%短縮
保有スキル
言語/フレームワーク
- PHP(Laravel/CakePHP)/JavaScript(Vue.js、jQuery)/HTML5/CSS3
DB・ミドルウェア
- MySQL/PostgreSQL/Redis/Apache/Nginx
クラウド/開発環境
- AWS(EC2、RDS、S3、Lambda)/Git/Docker/Linux(CentOS、Ubuntu)
資格
- 基本情報技術者試験(2017年)
- AWS認定クラウドプラクティショナー(2022年)
自己PR
SEとして常に「課題解決志向」を持ってプロジェクトに取り組んできました。特に顧客の業務課題をヒアリングから把握し、最適なシステム提案を行う点には自信があります。また、後輩エンジニアの指導やチームの品質管理にも積極的に関わり、組織全体の技術力向上にも貢献してきました。今後は上流工程とマネジメントのスキルをさらに磨き、プロジェクト全体を支えるエンジニアを目指します。
まとめ
システムエンジニアの職務経歴書では、単なるスキルやプロジェクト名の羅列ではなく、**「どのような役割で、どのような課題に取り組み、どのような成果を出したか」**を明確にすることが非常に重要です。
また、使用技術やツールを具体的に記載することで、即戦力としての技術力を採用担当者に伝えることができます。あなたのSEとしての経験を、職務経歴書を通じて最大限にアピールしましょう。