履歴書の「山折り・谷折り」。正しい三つ折りの折り方とマナー
転職活動において、履歴書や職務経歴書といった応募書類は、あなたの第一印象を決める重要なものです。
しかし、応募書類を封筒に入れる際、「どうやって折るのが正しいのか?」「山折り・谷折りの順番は?」と、その「折り方」で悩む方は少なくありません。
「折り方」一つにも、採用担当者への「配慮」が表れます。ここでは、履歴書の正しい折り方(山折り・谷折り)と、転職活動における基本のマナーについて詳しく解説します。
1. 【大前提】転職(中途採用)の履歴書は「折らない」のがマナー
まず、最も重要な大前提からお伝えします。
転職活動(中途採用)において、応募書類(履歴書・職務経歴書)は、「折らない」のが絶対の基本マナーです。
その理由は、以下の通りです。
- A4サイズが標準だから現代の転職活動では、履歴書も職務経歴書も、ビジネス文書の標準である「A4サイズ」で作成するのが一般的です。
- 採用担当者への配慮A4の書類を折らずに提出することで、採用担当者は「管理しやすい(ファイリングしやすい)」「読みやすい(折り目がない)」「コピーやスキャンがしやすい」というメリットがあります。
- 雑な印象を与えない折り目がくっきりついた履歴書は、読みにくく、見た目も美しくありません。「相手への配慮が足りない」と、マイナスの印象を与えかねません。
転職(中途採用)での正しい提出方法
A4サイズで作成した履歴書・職務経歴書は、折らずに「無色透明のクリアファイル」に入れ、それをさらに**「角形A4号」または「角形2号」の封筒(色は白が推奨)**に入れて提出します。
2. 「山折り・谷折り(三つ折り)」が必要になるケース
では、なぜ「山折り・谷折り(三つ折り)」の疑問が出るのでしょうか。
それは、主に「アルバイト・パート応募」の際や、「市販のB5サイズの履歴書」を使う場合に限定されます。
市販の履歴書セットには、B5サイズの履歴書と、「長形3号(ちょうがたさんごう)」という細長い封筒がセットになっていることがあります。この封筒に入れるためには、どうしても履歴書を「三つ折り」にする必要があるのです。
3. 【図解】正しい「三つ折り」の折り方(山折り・谷折りの順番)
もし、やむを得ない事情で履歴書を三つ折りにする場合、採用担当者への配慮が伝わる「正しい折り方」があります。これは「手紙折り(外三つ折り)」と呼ばれる方法です。
ポイント:採用担当者が封筒から取り出し、開いたときに、一番最初にあなたの「顔写真と氏名」が目に入るように折ります。
準備するもの
- 履歴書(顔写真が貼付され、記入済みのもの)
- (推奨)A4やB5の、何も書いていない紙(折り目の練習用)
正しい折り方(山折り・谷折りの手順)
まず、履歴書を、ご自身の**顔写真が印刷(貼付)されている側を「上」**にして、机に置きます。
【手順1】下側を「谷折り」する
履歴書の下側(本人希望欄などがある方)を持ち、全体の三分の一のところまで、上に向かって折ります。これが**「谷折り」**です。
(※この時、顔写真のある部分に折り目がつかないよう、位置を正確に調整します)
【手順2】上側を「山折り」する
次に、履歴書の上側(顔写真がある方)を持ち、今折った部分の上にかぶせるように、下に向かって折ります。これが**「山折り」**です。
これで、「Z」の形を逆にしたような折り方(外三つ折り)が完成します。
この状態で封筒に入れれば、採用担当者が開いたとき、最初にあなたの顔写真と氏名が目に入ります。
4. 履歴書の「折り方」NG例
NG例1:四つ折り(よつおり)
履歴書を「十字」に折る(半分に折り、さらに半分に折る)方法です。これは、折り目が多すぎて非常に読みにくく、ビジネスマナーとして完全にNGです。
NG例2:顔写真に折り目がかかる
三つ折りにする際、折り目が顔写真のちょうど真ん中を通ってしまうのは、印象が良くありません。受け取った側も気持ちの良いものではありません。
NG例3:内三つ折り(履歴書を内側に折り込む)
顔写真が内側に隠れるように折る方法(内三つ折り)もありますが、採用担当者が開く手間を考えると、上記で紹介した「外三つ折り(手紙折り)」の方が親切とされています。
5. 結論。転職活動では「折らない」努力を
「山折り・谷折り」のテクニックを覚えることも大切ですが、それはあくまでアルバイト応募や、やむを得ない場合の次善の策です。
中途採用(転職)においては、「折らない」で提出するのが、最も評価されるマナーです。
採用担当者への「配慮」を示すためにも、応募書類は「A4サイズ」で作成(または印刷)し、「クリアファイル」と「角形2号(または角形A4号)の封筒」を準備することを、強く推奨します。





