履歴書の「退社」と「退職」。どっちを使う? 職歴欄の正しい書き方
「退社」と「退職」の言葉の意味の違い
履歴書の職歴欄を作成する際、会社を辞めたことを示すのに「退社」と「退職」のどちらの言葉を使うべきか、悩む方は少なくありません。
この二つの言葉には、厳密には異なる意味があります。
「退社」は、文字通り「会社を去る」という意味です。これには、「会社員としての籍を抜ける(辞める)」という意味のほかに、「その日の業務を終えて会社(オフィス)から退出する」(例:「本日は17時に退社しました」)という意味も含まれます。
一方で、「退職」は「職を退く」という意味です。これは、雇用契約を終了し、その職務や地位から完全に離れることを指し、「その日の業務を終える」といった意味は含みません。
履歴書の職歴欄では「どっち」を使うべきか
結論から言いますと、履歴書の職歴欄においては、「退社」と「退職」のどちらを使用しても、それ自体が間違いとして扱われることはありません。
採用担当者は、職歴欄という文脈の中で、応募者が「会社を辞めた」ことを理解します。「退社」と記載されていても、「その日の業務を終えた」という意味で受け取る人はまずいないため、どちらの言葉を使っても意図は正確に伝わります。
最も一般的な書き方「一身上の都合により退社」
履歴書の書き方として、最も一般的で広く使われている定型句(じょうとうく)は、「一身上の都合により退社」という表現です。
転職や結婚、家事都合など、ご自身の意思や事情で会社を辞めた「自己都合」の場合は、この書き方をしておけば間違いありません。
(記載例)
〇〇年〇月 株式会社〇〇 入社
〇〇年〇月 一身上の都合により退社
「退職」が使われる主なケース
「退社」が広く使われる一方で、「退職」という言葉も特定の場面でよく使われます。
例えば、会社の倒産や業績不振による解雇(リストラ)など、「会社都合」によって職を離れた場合は、「会社都合により退職」と記載することが一般的です。
また、会社が定めた年齢に達して辞める場合は、「定年退職」と記載します。
このように、「退職」という言葉は、特定の理由と結びついて使われることも多いです。
表記よりも大切な「理由」の明記
「退社」と「退職」のどちらの言葉を選ぶかよりも、採用担当者が確認したいのは、その会社を辞めた「理由」が客観的にどうであったか、という点です。
大切なのは、それが「一身上の都合(自己都合)」なのか、「会社都合」なのか、あるいは「契約期間満了」なのかを、定められたルールに従って明確に記載することです。「会社都合により退社」あるいは「一身上の都合により退職」と記載しても、意味は通じます。
どちらの言葉を使っても選考に影響はありませんが、最も一般的な「一身上の都合により退社」という表現を覚えておくと、迷うことが少なくなるでしょう。





