英検の履歴書への正しい書き方と転職で評価される級の基準
転職活動において英語力は強力な武器になりますが、その証明として広く知られているのが英検(実用英語技能検定)です。履歴書の資格欄に英検を記載する際、英検と略していいのか、何級から書けば評価されるのかと迷う方は少なくありません。書き方ひとつでビジネスマナーの有無を判断されることもありますし、戦略的に記載することでアピール力を高めることも可能です。ここでは履歴書における英検の正しい書き方や正式名称、そして中途採用で評価される級の目安について詳しく解説します。
英検は正式名称の実用英語技能検定と記載するのが鉄則です
履歴書の免許・資格欄に記入する際、最も重要なルールは正式名称で記載することです。英検という呼び方はあくまで略称であり、履歴書のような公的な書類にそのまま書くことは不適切とされます。正しい名称は実用英語技能検定です。記入する際は、令和〇年〇月 実用英語技能検定 2級 合格といったように記載します。
また、検定試験の場合は取得ではなく合格と書くのが一般的です。運転免許などの免許類は取得と書きますが、英検や簿記などの検定試験は合格と使い分けることで、言葉の定義を正しく理解しているという印象を採用担当者に与えることができます。些細な違いに思えるかもしれませんが、こうした細部へのこだわりが書類全体の信頼性を高めます。
何級から履歴書に書くべきかの判断基準
転職活動において英検を記載する場合、何級から書くべきかという判断は非常に重要です。持っている資格をすべて書けば良いというわけではなく、応募する職種や自身の年齢に見合ったレベルでなければ、かえってマイナスの印象を与えてしまうリスクもあります。
一般的な中途採用の目安は2級以上からです
中途採用の市場において、一般的に履歴書への記載が推奨されるのは2級以上です。英検2級は高校卒業程度の英語力とされており、社会人として最低限の基礎英語力があることの証明になります。特に英語を日常的に使用しない職種や、一般的な事務職、営業職などであれば、2級を持っていれば英語への抵抗がない人材として好意的に受け止められます。逆に3級(中学卒業程度)などは、社会人が記載するにはレベルが不十分とみなされることが多く、あえて書かない方が無難なケースが大半です。
英語力を重視する求人では準1級以上が求められます
外資系企業や貿易事務、海外営業など、業務で日常的に英語を使用する求人の場合、2級ではアピール不足となることがあります。即戦力として英語力を評価してもらいたいのであれば、準1級以上(大学中級程度)を持っていることが望ましいです。準1級以上であれば、実際に使える英語力を持っているという強力なアピール材料になります。またTOEICのスコアを持っている場合は、英検と併記することで、読む・聞く・書く・話すという4技能の総合力をバランスよく伝えることができます。
英語を使わない職種や未経験の場合は準2級も検討します
基本は2級以上ですが、例外もあります。例えば高卒での就職や、英語とは全く無縁の現場職、あるいは未経験からのポテンシャル採用を目指す場合などでは、準2級であっても記載することでプラスになることがあります。これは英語力そのものというよりも、目標に向かって学習し資格を取得したという努力のプロセスや、基礎学力の証明として評価されるためです。応募先の求人レベルに合わせて、記載するかどうかを柔軟に判断してください。
取得年月は合格証書の日付を確認します
資格欄に記載する年月は、試験を受けた日ではなく、合格証書(または合格証明書)に記載されている発行日や合格日を記入します。記憶だけで書いてしまうと、履歴書全体の年表と矛盾が生じたり、事実と異なると判断されたりする恐れがあります。必ず手元の証書を確認し、正確な年月を記入してください。
また履歴書全体で年号の表記を統一することも忘れてはいけません。学歴や職歴を西暦で書いているなら資格欄も西暦で、和暦(令和、平成など)で書いているなら和暦で統一します。この統一感がないと、書類作成能力が低いとみなされてしまう可能性があります。
資格欄だけでなく実務能力としてアピールするテクニック
英検の資格を持っていることは素晴らしいですが、転職活動においては資格そのものよりも、その能力をどう仕事に活かせるかが重視されます。単に資格欄に書いて終わりにするのではなく、職務経歴書や自己PR欄を活用して、実務能力として補足説明を加えることが効果的です。
取得が古くても英語を使用していた経験があれば書きます
英検を取得したのが学生時代で、取得から時間が経っている場合でも、前職で英語を使っていた経験があれば自信を持って記載してください。資格取得年月が古くても、実務で英語のメール対応をしていた、海外の文献を読んでいたといった具体的なエピソードを職務経歴書に添えることで、現在の英語力が錆びついていないことを証明できます。資格はあくまで基礎があることの証明とし、メインは実務経験でアピールするという構成にすると説得力が増します。
上位級を目指して勉強中であることもアピールになります
もし現在は2級しか持っていないけれど、準1級の取得を目指して勉強中であるという場合は、その事実を記載するのも有効な戦略です。資格欄の2級合格の下に、現在、実用英語技能検定 準1級取得に向けて学習中と書き添えます。これにより、現状に満足せずスキルアップしようとする向上心や、英語学習への意欲が高いことを採用担当者に伝えることができます。特に実務経験が不足している場合、この学習意欲のアピールはポテンシャル評価につながります。
正確な記載で英語力を正当に評価してもらいましょう
英検は日本国内において非常に知名度が高く、信頼性のある資格です。だからこそ、略称を使わずに実用英語技能検定と正しく書き、取得年月や級数を正確に伝えることが、社会人としてのマナーを示し、評価を高める第一歩となります。自分の持っている英語力が応募先企業でどのように貢献できるのかを考え、資格欄と職務経歴書を連動させてアピールすることで、書類選考の通過率を確実に高めてください。





