職務経歴書の書き方・薬剤師の専門性を伝える方法
薬剤師の転職活動において、職務経歴書はご自身の専門知識と実務能力を採用担当者に伝えるための、非常に重要な書類であります。薬剤師の業務は、勤務する業態(調剤薬局、病院、ドラッグストア、企業など)によって大きく異なります。そのため、ご自身がどのような環境で、どのような役割を果たしてきたのかを、具体的かつ明確に示すことが求められます。
勤務先の業態と規模の明記
まず、ご自身がどのような職場で経験を積んできたのかを正確に記載する必要あります。例えば、調剤薬局であれば「〇〇科クリニック門前薬局」「地域密着型薬局」、病院であれば「急性期総合病院(〇〇床)」「療養型病院」、あるいはドラッグストア(OTC・調剤併設)など、勤務先の「業態」を明記します。併せて、「一日平均処方箋枚数」や「薬剤師〇名体制」といった規模感を補足することで、ご自身の経験の背景が伝わりやすくなります。
調剤業務の具体的な記述
ご自身が担当してきた調剤業務の範囲と深さを示します。単に「調剤業務」と記載するだけでなく、「〇〇科、△△科の処方箋応需(一日平均〇〇枚)」「処方箋監査、疑義照会(月平均〇〇件)」「散剤・水剤・軟膏の計量混合」「一包化調剤」など、具体的な業務内容を詳細に記述します。
服薬指導と患者様対応
薬剤師の重要な役割である、患者様とのコミュニケーション能力を示します。「窓口での服薬指導(新患・既往歴のヒアリング、薬剤情報提供)」「お薬手帳の確認・管理」「患者様からの電話相談対応」「服薬コンプライアンス向上のための取り組み」など、どのような点に配慮して患者様と接してきたのかを具体的にします。
薬歴管理(電子薬歴・紙)
調剤録・薬歴の管理は、薬剤師の必須業務であります。使用していた薬歴管理システムの種類(電子薬歴、紙薬歴)と、具体的なシステム名(メーカー名など)を明記することが有効あります。SOAP形式など、どのような形式で薬歴を記載し、患者様の状態を管理していたかを示します。
医薬品管理と発注業務
医薬品の適正な管理も、薬剤師の重要な責務であります。「医薬品の在庫管理(不動在庫、期限管理)」「発注業務」「麻薬・向精神薬・毒薬・劇薬の管理」といった、薬剤の管理に関わった経験も、ご自身の責任感や管理能力を示す上で重要な情報となります。
在宅医療・多職種連携の経験
もし、在宅医療に関わった経験があれば、それは大きな強みとなります。「個人宅・施設への在宅訪問(居宅療養管理指導)の実施」「主治医やケアマネージャーとの連携(カンファレンス参加、情報共有)」といった経験は、地域医療への貢献意欲と高い調整能力を示すものとなります。
管理薬剤師・リーダー経験
管理薬剤師としての店舗運営やスタッフ管理の経験、あるいは「後輩薬剤師・事務スタッフへの指導(OJT)」「新人教育担当」といったリーダー的な役割の経験があれば、ご自身のマネジメント能力をアピールする材料となります。
専門性の証明(資格・研修)
薬剤師免許に加え、ご自身の専門性を客観的に示す資格や研修実績も記載します。「研修認定薬剤師」「専門薬剤師」「実務実習指導薬剤師」といった認定資格や、「e-ラーニングによる単位取得」「学会発表」「社内勉強会の企画・実施」など、自己研鑽の姿勢を示すことも大切であります。





