履歴書の印刷用紙。選び方が与える印象と基本マナー
パソコンで作成した履歴書を提出する際、最終的な「印刷」の工程で使用する「用紙」について、どれを選べば良いか迷う方もいらっしゃるでしょう。選考書類の第一印象は、記載された内容だけでなく、その「モノ」としての質感からも伝わります。適切な用紙を選ぶことは、ご自身の丁寧さやビジネスマナーへの理解度を示す上での、細やかながらも重要なポイントとなります。
印刷用紙のサイズ。A4とB5のどちらを選ぶか
まず、履歴書を印刷する用紙のサイズです。現在はビジネス文書の標準がA4であるため、履歴書もA4サイズで印刷することが最も一般的です。特に、同時に提出する職務経歴書はA4サイズで作成することが多いため、応募書類全体のサイズをA4に統一することは、採用担当者が管理しやすいという点で合理的です。伝統的なB5サイズ(B4見開き)も間違いではありませんが、企業からの指定がなければ、A4サイズを選ぶのが無難でしょう。
用紙の種類と適切な選び方
印刷用紙には様々な種類があります。重要なのは、ビジネス文書としてふさわしい、清潔感のある白い紙を選ぶことです。大別すると、一般的なコピー用紙、少し厚手の上質紙、そして「履歴書用」として市販されている専用紙があります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合わせて選択することが大切です。
一般的なコピー用紙でも問題ないか
ご家庭やオフィスで一般的に使用されるコピー用紙(PPC用紙)に印刷しても、それ自体がマナー違反となることはありません。しかし、コピー用紙は比較的薄手で、場合によってはインクが裏写りしたり、少し安価な印象を与えてしまったりする可能性も否めません。もしコピー用紙を使用する場合は、その中でも白色度が高く、ある程度の厚みがあるものを選ぶと良いでしょう。
履歴書専用紙や上質紙を選ぶ利点
一方で、文房具店やオンラインショップなどで販売されている「履歴書専用紙」や、コピー用紙よりも厚みとコシがある「上質紙」を選ぶことには明確な利点があります。これらの用紙は厚手で手触りが良く、インクのにじみも少ないため、印刷した文字が鮮明に見えます。受け取った採用担当者に対し、書類準備にまで配慮が行き届いている、丁寧な人物であるという好印象を与えやすくなります。
避けるべき用紙の種類
用紙選びで注意すべきは、ビジネスシーンにふさわしくない紙を避けることです。例えば、色付きの紙(クリーム色なども含む)、デザイン性のある和紙、光沢のある写真用紙(光沢紙)などは、履歴書には絶対に使用しないでください。また、環境に配慮した再生紙であっても、グレーがかっていたり紙質が粗かったりするものは、清潔感が求められる応募書類としては避けた方が賢明です。
用紙の厚さ(坪量)の目安
用紙の品質を示す目安として「厚さ」があります。一般的なコピー用紙は約0.09mm程度ですが、履歴書には0.12mmから0.15mm程度の、少し厚手の紙が適しています。紙の重さを示す「坪量」で言えば、90g/㎡から120g/㎡程度が目安となります。これくらいの厚みがあれば、しっかりとした印象を与え、裏写りの心配も少なくなります。
印刷時の最終確認の重要性
どれほど良い用紙を選んでも、印刷そのものがきれいでなければ意味がありません。印刷する際は、インクがかすれていないか、トナーの汚れが付着していないか、紙の端が折れたりよれたりしていないかを必ず確認してください。少しでも不備があれば、用紙が無駄になっても必ず印刷し直し、完璧な状態のものを提出することが重要です。
まとめ。用紙選びは丁寧さの表れ
履歴書の印刷用紙は、A4サイズの上質な白い紙を選ぶのが最も安全で、良い印象を与えやすい選択です。一般的なコピー用紙でも代用可能ですが、その場合も品質にはこだわりたいところです。採用担当者は、応募書類の細部にまで目を通しています。用紙一枚の選択にも気を配ることが、ご自身の真剣さや丁寧な仕事ぶりを伝えるための一助となるのです。





