転職回数が多い方の職務経歴書。書き方のコツとサンプル構成
転職回数の多さが応募書類で与える印象
転職回数が多いことは、応募書類、特に職務経歴書を作成する上で一つの悩みとなることがあります。採用担当者は、転職の多さから「定着性に欠けるのではないか」「キャリアプランに一貫性がないのではないか」といった懸念を抱く可能性があるからです。職務経歴書は、こうした懸念を払拭し、自身の経験やスキルを的確に伝えるための重要な書類です。書き方次第で、採用担当者に与える印象を大きく改善することが可能です。
職務経歴書の形式選び。キャリア式サンプルの活用
職務経歴書の形式には、時系列で記載する「編年体式」や、職務内容・分野ごとにまとめる「キャリア式」などがあります。転職回数が多い場合、単純に編年体式ですべての職歴を並べると、在籍期間の短さが目立ったり、アピールしたい強みが分散したりすることがあります。
このような場合、キャリア式のサンプル(構成例)を参考にすることをお勧めします。例えば、「営業職として」「マーケティング職として」といった職種や分野で経歴をまとめ、その中で培ったスキルや実績を具体的に示すことで、専門性や一貫性を際立たせる構成が可能です。
職務要約でキャリアの一貫性を示す
職務経歴書の冒頭に配置される「職務要約」は、採用担当者が最初に目を通す部分です。転職回数が多い場合、ここで自身のキャリアにおける「軸」を明確に示すことが重要です。
複数の企業を経験していても、そこには共通する目的や、一貫して磨いてきたスキルがあるはずです。例えば、「一貫して〇〇分野での課題解決に従事してきました」といった形で、経験の多様性を強みとして簡潔にまとめる必要があります。
職務経歴欄のサンプル構成。スキルと実績のまとめ方
キャリア式を用いる場合の職務経歴欄のサンプル構成としては、まず職務分野(例。法人営業)を掲げ、その下に、その分野で経験した企業名と期間、業務内容、そして具体的な実績や成果を記載します。
この際、各社での細かな業務内容を羅列するのではなく、応募先企業で活かせるスキルや実績を中心に抽出して記載することがポイントです。数値で示せる実績があれば具体的に記載し、即戦力となることをアピールします。
転職理由の記載方法と注意点
転職回数が多い場合、各職歴の最後に簡潔に転職理由を添えることが推奨されます。採用担当者の疑問に先回りして答えるためです。
ただし、理由はあくまでポジティブなもの、あるいはやむを得ない客観的なもの(例。事業所の閉鎖など)に留め、前職への不満や批判的な内容は避けます。「新たなスキル習得のため」「より専門性を高めるため」といった、自身のキャリアプランに基づいた前向きな理由を記載します。
自己PRで貢献意欲と将来性を補足する
職務経歴欄だけでは伝えきれない補足事項や、応募先企業への貢献意欲は自己PR欄でしっかりと伝えます。転職を重ねることで培われた多様な環境への適応力や、幅広い知見をアピールすることもできます。
そして最も重要なのは、「今後は腰を据えて長く貢献していきたい」という意欲を、応募先企業への魅力と結びつけて具体的に示すことです。
経験の豊富さを強みとして伝える
転職回数が多いことは、見方を変えれば、それだけ多様な環境で経験を積み、多くの課題を乗り越えてきた証とも言えます。職務経歴書全体を通じて、その経験の豊富さが応募先企業にとって「強み」となることを、論理的かつ具体的に伝えることが、書類選考を通過するための鍵となります。





