職務経歴書の自己PR。アピールする強みは「何個」が最適か

転職と自己PR。アピールする「数」の悩み

転職活動において、職務経歴書に記載する自己PRは、自身の強みや入社意欲を伝えるための重要な項目です。この自己PRを作成する際、「アピールポイント（強み）は、いったい何個くらい書けば良いのか」と悩む方は少なくありません。アピールしたいことが複数ある場合、それらを全て盛り込むべきか、あるいは最も自信のある一つに絞り込むべきか、その「個数」の判断は難しい問題です。

強みを「何個も」記載するリスク

自身の強みをできるだけ多く知ってもらいたいという思いから、自己PR欄に複数の（何個もの）アピールポイントを羅列してしまうケースが見受けられます。しかし、アピールする強みが多すぎると、一つ一つの印象が薄まり、採用担当者に対して最も伝えたい自身の核となる強みがぼやけてしまう可能性があります。また、文章全体が冗長になり、要点を掴みにくい書類と見なされてしまう懸念もあります。

最も効果的なのは「一つ」の強みに絞り込むこと

職務経歴書の自己PRにおいて、最も効果的とされる構成は、アピールする強みを原則として「一つ」に絞り込み、それを深く掘り下げることです。「何個も」の強みを浅く並べるよりも、応募先企業で最も活かせると考える核となる強みを一つだけ選び、その強みが本物であることを具体的に証明する方が、採用担当者の心に響きます。

一つの強みを具体化する構成

強みを一つに絞り込んだら、その内容を具体的に展開します。まず結論として「私の強みは〇〇です」と明確に提示します。次に、その強みが発揮された具体的なエピソード（職務経歴における実績や、課題を乗り越えた工夫）を述べます。最後に、その強みを活かして、応募先企業でどのように貢献できるのかを具体的に示して締めくくります。この構成により、その一つの強みが際立ち、説得力が増します。

複数の強みがある場合の対処法

もし、アピールしたい強みが複数個ある場合は、その中から「応募先企業の求人情報や求める人物像と最も合致するもの」を厳選して「一つ」選び出す作業が必要です。全ての応募先に同じ自己PRを記載するのではなく、応募先企業ごとに最も響くと考える強みに差し替える（カスタマイズする）ことが、書類選考を通過するための重要な戦略となります。

「何個」よりも「質」と「関連性」が重要

自己PRにおいて本当に重要なのは、アピールする強みの「個数」ではありません。その強みが、いかに応募先企業の業務内容と「関連性」が高いか、そして、その強みを裏付けるエピソードが「具体的」で「説得力」があるかという「質」です。「何個アピールできるか」を考えるのではなく、「一つの強みで、いかに深く企業に貢献できるか」を伝える姿勢が求められます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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