転職エージェントと職務経歴書。活用法と書類選考通過のコツ

転職エージェントと職務経歴書のサポート

転職活動において、職務経歴書は自身のキャリアとスキルを伝えるための最も重要な書類の一つです。この書類の出来栄えが、書類選考の通過率を大きく左右します。多くの転職者がこの職務経歴書の作成に悩む中、転職エージェント（人材紹介会社）は、その作成プロセスにおいて強力なサポート役となり得ます。転職エージェントは、求職者と企業をマッチングするプロフェッショナルであり、応募書類に関する豊富な知見を持っています。

エージェントは職務経歴書を「作ってくれる」のか

時折、「転職エージェントが職務経歴書をゼロから作成してくれる」と期待する方もいますが、基本的にはそうではありません。多くのエージェントは、応募者自身が作成した職務経歴書の「たたき台（ドラフト）」を基に、添削やアドバイスを行うという形でサポートします。なぜなら、応募者自身の経験や業務内容は、本人にしか分からない具体的な情報であり、それを自身の言葉で表現することが、書類の説得力にとって不可欠だからです。

転職エージェントに職務経歴書を添削してもらうメリット

転職エージェントに職務経歴書を見てもらう最大のメリットは、数多くの応募書類を見てきた「プロの視点」で客観的なフィードバックをもらえる点にあります。採用担当者が書類のどこに注目し、どのような表現が好まれ、どのような実績が評価されるのかを熟知しています。自分では「当たり前」だと思っていた経験が、実は大きなアピールポイントであったり、逆にアピールしたつもりの内容が伝わりにくかったりすることに気づかされます。

企業目線でのアドバイス（応募先企業への最適化）

優れた転職エージェントは、応募先企業がどのような人物を求めているかを深く理解しています。そのため、応募する企業や求人の特性に合わせて、「この経験をもっと強調すべき」「このスキルは今回の応募では優先度を下げても良い」といった、具体的なアドバイスが期待できます。画一的な職務経歴書ではなく、応募先ごとに最適化された「受かる」職務経歴書へとブラッシュアップできることは、エージェントを活用する大きな利点です。

エージェントへの提出タイミングと完成度

転職エージェントに登録する際、完璧な職務経歴書が完成している必要はありません。むしろ、まずは自身で作成したドラフト（完成度が5割、6割程度でも構いません）を早めにエージェントに提出し、キャリアコンサルタントとの面談に臨む方が効率的です。面談を通じて自身の強みやキャリアプランが整理され、その内容を反映させながら職務経歴書を修正していくことができます。

エージェントのサポートを最大限に活かすために

転職エージェントのサポートを最大限に活かすためには、自身の経歴や実績について、正直かつ具体的に情報を提供することが重要です。エージェントからのアドバイスは素直に受け入れつつ、疑問点は解消し、納得した上で書類を修正していきます。転職エージェントは、転職成功という同じ目標に向かう「パートナー」です。その専門的な知見を積極的に活用し、二人三脚で書類選考の通過を目指す姿勢が、転職成功の鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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