職務経歴書の職務要約サンプル集。採用担当者が会いたくなる書き方と職種別例文
職務経歴書の冒頭に記載する「職務要約」は、採用担当者が最初に目にする最も重要な項目です。多忙な採用担当者は、ここを読んで「この人は自社で活躍できそうか」「詳細な経歴を読む価値があるか」を瞬時に判断します。そのため、単なる経歴の羅列ではなく、あなたの強みと実績を凝縮した「予告編」のような役割を持たせる必要があります。ここでは、書類選考を通過するために効果的な職務要約の書き方のポイントと、そのまま使える職種別・状況別のサンプル(例文)を紹介します。
採用される職務要約の基本ルール
魅力的な職務要約には、共通する「型」があります。以下のポイントを押さえることで、誰でもプロフェッショナルな文章を作成できます。
- 文字数は200文字から300文字程度長すぎると読まれず、短すぎるとアピール不足になります。3行から5行程度に収めるのが適切です。
- 「誰に・何を・どうした」を数字で語る「頑張りました」という感想ではなく、「昨対比120%達成」「5人のリーダー経験」など、客観的な事実と数字を盛り込みます。
- 3段構成で組み立てる「キャリアの概要(過去)」→「強み・実績(現在)」→「貢献の意思(未来)」の順で構成すると、論理的で説得力のある文章になります。
【職種別】職務要約のサンプル例文
ここからは、具体的な職種ごとのサンプルを紹介します。ご自身の経歴に合わせて調整して使用してください。
1. 営業職(法人営業・個人営業)のサンプル
営業職は、取り扱っていた商材、顧客層、そして具体的な数値成果を明記することが重要です。
例文
大学卒業後、5年間にわたりOA機器商社にて法人営業に従事してまいりました。
主に中小企業の新規開拓を担当し、テレアポから商談、クロージングまでを一貫して行いました。単なる物売りではなく、コスト削減提案などのコンサルティング営業を実践することで、3年連続で昨対比110パーセントの売上目標を達成しました。また、直近の1年間はチームリーダーとして新人3名の育成にも携わりました。これまでの経験で培った行動力と提案力を活かし、貴社の事業拡大に即戦力として貢献します。
2. 事務職(一般事務・営業事務)のサンプル
事務職は、業務の幅広さ、正確性、PCスキル、そして効率化への取り組みをアピールします。
例文
食品メーカーの管理部門にて6年間、営業事務および総務業務に従事してまいりました。
受発注業務や請求書発行などの定型業務に加え、エクセル(VLOOKUP関数・ピボットテーブル)を活用した売上集計フォーマットの作成を行い、部署全体の作業時間を月間10時間短縮しました。また、営業担当者10名のサポート役として、納期調整や顧客対応を能動的に行い、チームの円滑な運営に寄与しました。正確な事務処理能力と業務改善の視点を活かし、貴社のバックオフィスを支える存在として貢献したいと考えています。
3. ITエンジニア・技術職のサンプル
エンジニアは、技術スタック(言語・環境)、担当工程、プロジェクト規模を具体的に示します。
例文
SIerにて8年間、金融および物流業界向けの基幹システム開発に従事してまいりました。
JavaおよびPythonを用いたバックエンド開発を中心に、要件定義から詳細設計、実装、テストまでの一連の工程を担当しました。直近のプロジェクトでは、プロジェクトリーダーとして5名のメンバーを統率し、納期遵守率100パーセントでプロジェクトを完遂しました。また、AWS環境でのインフラ構築経験もあります。これまでの技術的知見とマネジメント経験を活かし、貴社の新規サービス開発においてプレイングマネージャーとして貢献します。
4. 販売・サービス業(店長候補含む)のサンプル
接客業は、店舗規模、マネジメント経験、売上や顧客満足度向上のための具体的なアクションを伝えます。
例文
アパレルブランドの旗艦店にて5年間勤務し、接客販売および店舗運営業務に従事してまいりました。
顧客の潜在ニーズを引き出すコーディネート提案に注力し、個人売上目標を連続して達成しました。直近の2年間は副店長として、スタッフ10名のシフト管理やVMD(売り場作り)の改善を担当しました。動線を見直すレイアウト変更を行った結果、入店率を向上させ、店舗売上の昨対比105パーセント達成に貢献しました。これまでの接客スキルと店舗マネジメント能力を活かし、貴社のファン作りに貢献したいと考えています。
【状況別】職務要約のサンプル例文
転職回数が多い場合や未経験職種へ挑戦する場合など、状況に合わせた書き方のサンプルです。
5. 転職回数が多い・複数社経験がある場合のサンプル
社歴を羅列するのではなく、キャリア全体を貫く「軸」や「共通点」を強調して一貫性を持たせます。
例文
これまで約10年間にわたり、食品商社、IT企業、人材サービス会社など計3社にて、一貫して「法人営業」に従事してまいりました。
取扱商材は異なりますが、どの業界においても徹底した顧客分析に基づく「課題解決型提案」を実践し、信頼関係の構築に努めてまいりました。特に直近のIT企業では、無形商材の新規開拓においてエリアトップの成績を収めました。多様な業界で培った適応力と、相手のニーズを的確に捉える営業力を活かし、貴社のソリューション営業として即戦力で貢献します。
6. 未経験・異業種へキャリアチェンジする場合のサンプル
前職の経験を、新しい職種でも通用する「ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)」に変換して伝えます。
例文
携帯電話販売店のスタッフとして4年間勤務し、接客販売および店舗運営のサポート業務に従事してまいりました。
顧客対応においては、相手の要望を正確に聞き取るヒアリング能力と、分かりやすく説明するプレゼンテーション能力を磨きました。また、店舗の在庫管理や売上日報の作成を通じて、数字を扱う正確な事務処理能力も身につけました。事務職は未経験ですが、現在はMOS資格の取得に向けて学習しており、PCスキルに不安はありません。前職で培ったコミュニケーション能力と責任感を活かし、貴社の業務を円滑にサポートできるよう尽力します。
職務要約でやってはいけないNGパターン
最後に、避けるべき書き方について解説します。
- 社名の羅列だけで終わる「A社に入社し、次にB社に入社し、現在はC社にいます」といった内容は履歴書を見れば分かります。要約としての価値がありません。
- 抽象的な表現ばかり使う「一生懸命頑張りました」「コミュニケーションには自信があります」だけでは説得力がありません。「何をどう頑張って、どんな成果が出たか」を書いてください。
- ネガティブな退職理由を書く「残業が多いため転職を決意しました」といった内容は職務要約には不要です。あくまでポジティブなキャリアのハイライトを記載してください。
職務要約は、あなたのキャリアの「見出し」です。上記のサンプルを参考に、採用担当者が「続きを読みたい」「会って話を聞きたい」と思うような魅力的な要約を作成してください。





