書類選考における3日以内の正しい数え方と連絡が来ない時の対処法

転職活動において企業から書類選考の結果は3日以内に連絡しますと伝えられることがあります。スピード感を重視する企業が増えている中で、このように具体的な短期間を提示されるケースは珍しくありません。しかし、この3日以内という期間をどのようにカウントすればよいのか、応募した当日は含まれるのか、土日はどう扱うのかといった疑問を持つ方は非常に多くいます。また約束の期限を過ぎても連絡がない場合、不採用と判断すべきか迷うこともあるでしょう。ここではビジネスシーンにおける3日以内の正しい定義や数え方、連絡が来ない原因、そして適切な問い合わせのタイミングについて詳しく解説します。

ビジネスシーンにおける3日以内の定義と起算日について

企業から提示される3日以内という期間を正しく理解するためには、起算日（数え始める日）をどこに設定するかが重要です。法律用語や厳密な契約では初日不算入の原則がありますが、一般的なビジネスメールや採用の場面においても、応募した当日は含めず、その翌日を1日目として数えるのが通例です。

例えば月曜日に応募書類を送付した場合、火曜日が1日目、水曜日が2日目、木曜日が3日目となります。つまり木曜日の営業時間終了までが3日以内の期限内ということになります。応募した直後からカウントダウンを始めてしまい、まだ期限内であるにもかかわらず遅いと感じてしまうケースが多いため、まずは翌日から数え始めるという基本を押さえておくことが大切です。

土日祝日を挟む場合の営業日ベースでの考え方

3日以内という期間において最も誤解が生じやすいのが、土日祝日の扱いです。求職者の感覚ではカレンダー通りの日数で考えがちですが、企業側は基本的に営業日（会社の稼働日）を基準にスケジュールを管理しています。これを営業日換算と呼びます。

例えば金曜日に応募した場合、カレンダー通りであれば土曜日、日曜日、月曜日で3日が経過します。しかし完全週休2日制（土日休み）の企業であれば、土日はカウントされません。その場合、翌週の月曜日が1日目、火曜日が2日目、水曜日が3日目となります。求職者が月曜日を期限だと思っていても、企業側にとっては水曜日までは約束の範囲内という認識のズレが生じることになります。特に祝日が連続する場合や年末年始などはさらに期限が後ろ倒しになるため、まずは企業の休業日を確認し、営業日で数え直してみることが不安を解消する第一歩です。

3日以内という短い期限を設定する企業の意図

企業があえて3日以内という非常に短い期限を提示する背景には、明確な意図があります。最大の理由は優秀な人材を他社よりも早く確保したいという採用戦略です。特に人材獲得競争が激しいIT業界やベンチャー企業、あるいは急募の案件では、選考スピードが勝負を分けます。1週間も待たせてしまうと、その間に他社で内定が出てしまうリスクがあるため、選考フローを短縮し、即座に合否を判断する体制を整えているのです。

また応募者に対する誠意のアピールという側面もあります。結果を待つ期間は応募者にとってストレスフルな時間であることを理解し、合否に関わらず早く結果を伝えることで、企業の好感度や信頼性を高めようとする狙いもあります。3日以内という約束は、企業側の自信と採用への本気度の表れであると捉えることができます。

約束の期限を過ぎても連絡が来ない場合に考えられる事情

企業自らが3日以内と期限を設けておきながら、その期日を過ぎても連絡がない場合があります。この場合、必ずしも不採用であるとは限りません。最も可能性が高いのは、想定以上の応募が殺到し、物理的に選考作業が追いついていない状況です。スピード選考を売りにしている企業には多くの応募者が集まる傾向があり、担当者の処理能力を超えてしまっているケースです。

また社内での決裁が滞っている可能性もあります。採用担当者は合格を出したいと考えていても、最終決定権を持つ責任者や役員が急な出張や会議で捕まらず、承認印をもらえないために連絡ができないという事務的な事情です。さらに合格ラインぎりぎりのボーダー上にいる場合、他の候補者との比較検討のために、あえて期限を少し過ぎてでも判断を保留にしているケースも考えられます。連絡が遅いことは不安要素ですが、直ちに不採用と結びつける必要はありません。

期限超過後に問い合わせを行う際のマナーとタイミング

営業日で計算しても3日を過ぎ、かつそこからさらに1日から2日待っても連絡がない場合は、状況を確認するために問い合わせを行っても失礼にはあたりません。ただし3日という短い期間設定の場合、わずかな遅れで問い合わせをすると担当者を急かしてしまうリスクがあります。そのため期限から数日間の猶予（バッファ）を持たせてから連絡するのが大人のマナーです。

問い合わせは電話ではなくメールで行います。件名は書類選考結果のお問い合わせ（氏名）とし、本文では「〇月〇日に応募いたしました〇〇と申します。選考結果のご連絡につきまして、3日以内を目安と伺っておりましたので、念のため現在の選考状況を確認させていただきたくご連絡いたしました」と丁寧に伝えます。その上で「もし行き違いでご連絡をいただいておりましたらご容赦ください」と添えることで、角を立てずに状況を確認することができます。連絡が来ない期間をただ待つだけでなく、適切に行動することで次のステップへ進むきっかけを作ることが大切です。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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