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Notionで職務経歴書を作るのは「諸刃の剣」。Web業界で評価される活用法とPDF化の鉄則

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エンジニアやデザイナー、スタートアップ企業を目指す転職者の間で、多機能メモアプリ「Notion(ノーション)」を使って職務経歴書を作成するケースが増えています。データベース機能や洗練されたデザインは魅力的ですが、一般的なWord形式とは勝手が違うため、安易に使うと書類選考で思わぬマイナス評価を受けるリスクもあります。

「Notionで職務経歴書を作っても良いのか」「URL共有だけで済ませて良いのか」という疑問に対し、採用担当者の視点から見たメリット・デメリットと、選考を通過するための正しいNotion活用法について解説します。

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Notion作成が「強み」になる業界と「リスク」になる業界

まず大前提として、Notionで作成した職務経歴書が歓迎されるのは、主に**「IT・Web業界」「スタートアップ・ベンチャー企業」「クリエイティブ職」**に限られます。

これらの企業では、Notionを社内ドキュメントツールとして導入していることが多く、Notionを使えること自体が「新しいツールへの適応力」「ITリテラシーの高さ」の証明になります。Webページとして公開された職務経歴書(Webレジュメ)のURLを送ることで、ポートフォリオのように実績をスマートに見せることができます。

一方で、**「大手メーカー」「金融」「公務員」「一般事務職」**などの応募には向きません。これらの企業ではWordやPDFでのファイル管理が基本であり、WebページのURLだけ送られても「セキュリティ規定で開けない」「印刷して回覧できない」といった実務上の問題が発生し、不採用の原因になりかねません。

Notionで作る最大のメリット

ターゲット企業が合致していれば、Notionは強力な武器になります。

1. 情報を構造化して見やすく整理できる

トグル機能(開閉リスト)を使って詳細情報を畳んだり、データベース機能を使ってスキルセットを表形式で管理したりと、膨大な情報をスッキリと見せるのに適しています。

2. ポートフォリオとの統合

職務経歴の中に、自分が開発したアプリや執筆記事、デザインの画像などを埋め込み、リンクさせることができます。文字だけでなく「成果物」をシームレスに見せられる点は、Wordにはない大きなメリットです。

3. 更新と共有がリアルタイム

一度Web公開設定にすれば、手元のNotionを修正するだけで、相手が見ているページも即座に更新されます。面接直前に最新の実績を追加するといった柔軟な対応が可能です。

絶対に守るべき「PDF書き出し」の鉄則

Web業界志望であっても、「URLの共有だけ」で応募を済ませるのは危険です。

企業の採用管理システム(ATS)はファイルのアップロードを求めるものが多く、URL入力欄がない場合があります。また、面接官が紙で出力して手元に置きたい場合もあります。

そのため、Notionで作成する場合でも、必ず「A4サイズで印刷できるレイアウト」を意識し、PDFとして書き出したファイルをメインの提出書類にしてください。その上で、メール本文や備考欄に「Web版はこちら(URL)」と記載し、プラスアルファの補足資料として見てもらうのが最も安全で効果的な戦略です。

NotionをPDF化する際の「レイアウト崩れ」対策

Notionのエクスポート機能(PDF書き出し)は便利ですが、Web上の見た目とは異なり、改ページの位置がずれたり、横幅が見切れたりすることが頻繁に起きます。以下のポイントに注意して作成してください。

1. 「トグル機能」は使わない

Web上では便利なトグル(開閉)ですが、PDFに書き出すと全て展開された状態、あるいは閉じた状態で固定されてしまい、レイアウトが大きく崩れる原因になります。印刷前提なら、通常の見出しと箇条書きで構成するのが無難です。

2. カラム(列)を分けすぎない

画面幅が広いPCでは2列・3列のレイアウトがきれいに見えますが、PDF化(A4縦)すると幅が狭くなり、文字が不自然に改行されて読みづらくなることがあります。シンプルな1カラム構成を推奨します。

3. 「改ページ」を意識して余白を入れる

Notion上にはページの切れ目がありません。PDFプレビューをこまめに確認し、職務経歴の途中でページが切れないよう、適宜空行を入れて調整する手間が必要です。

テンプレートの活用と入手方法

Notionには公式やユーザーコミュニティが作成した「Resume(履歴書・職務経歴書)」のテンプレートが豊富にあります。

  • Notion公式テンプレートギャラリー:デザイン性が高く、そのまま使える英語・日本語のテンプレートが見つかります。
  • 個人クリエイターのテンプレート:noteやSNSで、日本人向けのJIS規格に近いレイアウトや、エンジニア向けのスキルシート仕様のテンプレートが配布されています。

一から作るよりも、これらを複製(Duplicate)して、自分の経歴に合わせてカスタマイズするのが効率的です。

まとめ:Notionは「Web」と「PDF」の二刀流で使う

Notionでの職務経歴書作成は、自分のスキルをモダンにプレゼンできる素晴らしい手段です。しかし、採用側の閲覧環境への配慮を忘れてはいけません。

「メインはPDFでしっかりとビジネス対応し、サブとしてWeb版Notionで詳細なポートフォリオを見せる」。この二刀流のスタイルこそが、ITリテラシーとビジネスマナーの両方をアピールし、書類選考を確実に通過するための最適解です。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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