美容師の職務経歴書は「技術」と「売上」のカタログ。採用オーナーに響くフォーマットと書き方の鉄則
美容師の転職活動において、職務経歴書は「技術試験(実技)」に進むための通行手形です。
「腕を見てもらえば分かる」という職人の世界ですが、人気サロンや好条件の店舗ほど、書類選考の段階で「この人は即戦力になるか」「サロンの雰囲気に合うか」を厳しくチェックしています。
一般的なビジネス職向けのテンプレートをそのまま使うと、美容師特有の「指名売上」や「得意なスタイル」といった重要なアピールポイントが抜け落ちてしまいます。
ここでは、美容師としての価値を正しく伝え、希望するサロンへの切符を手にするための最適なフォーマット選びと、書き方のポイントについて解説します。
美容師に最適なのは「逆編年体式」+「ポートフォリオ」
美容師の職務経歴書では、直近の店舗経験から順に記載する**「逆編年体式」**のフォーマットを選ぶのが基本です。
採用担当者(オーナーや店長)は、あなたが「今、どんな技術を持っていて、どれくらい売上を作れるか」を最優先で知りたいからです。
作成ツールは「Word」が基本
手書きでも不可ではありませんが、現在はiPadなどのタブレットで顧客管理を行うサロンも増えています。パソコン(Word)で作成することで、基本的なデジタルリテラシーがあることを証明でき、好印象につながります。
SNSやポートフォリオは必須
文字だけの職務経歴書では、カットやカラーのセンスは伝わりません。
氏名欄や自己PR欄の目立つ場所に、必ずインスタグラムのアカウント(URL)や、スタイル写真をまとめたポートフォリオへのリンクを記載してください。現代の美容師採用において、SNSは「第二の職務経歴書」です。
採用担当者が必ずチェックする4つの「サロンスペック」
「スタイリストとして勤務」の一言では何も伝わりません。あなたがどのような環境で揉まれてきたかを知るために、採用担当者は以下の数字を探しています。勤務先ごとに必ず記載してください。
1. 店舗規模と客層
- 「セット面10席、シャンプー台4台」
- 「スタッフ数:スタイリスト5名、アシスタント3名」
- 「平均客単価:8,000円」
- 「主な客層:20代〜30代のトレンドに敏感な女性」これにより、回転重視のサロンか、単価重視のサロンかといった「育った環境」が伝わります。
2. 売上実績(指名・フリー・店販)
美容師の実力を示す最も客観的な指標です。
- 「月間個人売上:120万円(指名80万/フリー40万)」
- 「指名客数:月平均100名」
- 「店販(物販)売上:月平均10万円」これらを記載することで、技術力だけでなく「ファンを作る力」や「提案力」を証明できます。
3. 施術スピードと回転数
- 「1日平均担当客数:8名」
- 「カット+カラー標準施術時間:2時間」入客スピードはサロンの回転率に直結するため、即戦力性を測る重要な要素です。
4. 役職とマネジメント
- 「店長として店舗売上管理を担当」
- 「チーフとして後輩3名の技術指導を担当」
- 「材料発注・在庫管理係」技術以外の店舗運営に関わる経験は、将来の幹部候補として高く評価されます。
「得意技術」は具体名で書く
「カット、カラー全般」という書き方はNGです。トレンドや薬剤の知識をアピールするために、固有名詞を使って具体的に書きます。
- カラー「ハイライト、バレイヤージュなどのデザインカラーが得意」「イルミナ、アディクシーなどの高彩度カラーの知識豊富」
- カット「ショートボブの似合わせ」「メンズカット(フェードスタイル)」
- パーマ・縮毛矯正「酸性ストレートの施術経験多数」「デジタルパーマによる外国人風ウェーブ」
- 着付け・ヘアセット成人式や卒業式シーズンに戦力になることをアピールします。
アシスタント・Jr.スタイリストの場合の書き方
スタイリストデビュー前、あるいは経験が浅い場合は、「習得済み技術」と「練習への姿勢」を強調します。
- チェック合格項目「シャンプー、ヘッドスパ、カラー塗布、ワインディング、ブローまで合格済み」と、どこまで任せられるかを明確にします。
- モデルハント実績「月間20名のカットモデルをSNSで集客し、技術向上に努めている」など、行動力をアピールします。
異業種へ転職する場合の「変換」テクニック
美容師から事務職や営業職など、異業種へキャリアチェンジする場合は、サロンワークの経験を「ビジネススキル」に変換して伝えます。
- 「カウンセリング」→「ヒアリング・提案営業力」顧客の要望を聞き出し、潜在的なニーズ(悩み)を解決するスタイルを提案した経験は、営業職のスキルそのものです。
- 「店販(シャンプー等)」→「販売促進・目標達成力」単に商品を並べるだけでなく、POP作成やトークスクリプトの工夫で売上を伸ばした経験をアピールします。
- 「予約管理・電話対応」→「事務処理能力・マルチタスク」施術をしながら電話を取り、予約をパズルのように管理した経験は、事務職の処理能力として評価されます。
自己PRで伝えるべき「美容への想い」
フォーマットの最後にある自己PR欄では、技術以外の「接客スタンス」を伝えます。
- 顧客満足へのこだわり「『家に帰ってからも再現できるスタイル』をモットーに、スタイリング指導を徹底し、リピート率80%を維持しました」
- トレンド情報の収集「毎月美容誌を3誌購読し、SNSで最新トレンドをチェックして、お客様への提案に活かしています」
美容師の職務経歴書は、あなたの「技術」と「人気」を証明するカタログです。
数字(売上・客数)とビジュアル(インスタ・ポートフォリオ)の両方を使って、採用担当者に「この美容師にお店に立ってほしい」と思わせる魅力的な書類を作成してください。





