職務経歴書で「取り組み」を伝えることの重要性
転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアと能力を伝えるための重要な書類であります。多くの応募書類が「担当した業務内容」の羅列に留まってしまいがちですが、採用担当者が本当に知りたいのは、ご自身がその業務に対し「どのように向き合い、どのような取り組みをしてきたか」という点であります。この「取り組み」を具体的に記述することが、他の応募者との差別化を図る鍵となります。
採用担当者が知りたいのは「主体性」
採用担当者は、職務経歴書を通じて、ご自身が単に指示された業務をこなすだけでなく、主体性を持って仕事に取り組める人材であるかを見ています。ご自身が業務の中でどのような課題を見つけ、それを改善するためにどのような努力や工夫をしたのか。その具体的な「取り組み」こそが、ご自身の仕事に対する姿勢や、問題解決能力を示す何よりの証拠となります。
日常業務の中にある「取り組み」の見つけ方
特別なプロジェクトや大きな成果だけが「取り組み」ではありません。ご自身が日々の業務の中で、「当たり前」として行ってきた小さな工夫や努力も、立派なアピール材料となります。まずはご自身の経験を丁寧に振り返り(棚卸しし)、些細なことでも書き出してみることが大切であります。
小さな工夫や改善の具体例
例えば、「業務の効率を上げるために、エクセルのフォーマットを改善した」「ミスを減らすために、独自のチェックリストを作成して運用した」「後輩スタッフが分かりやすいように、簡易的な業務マニュアルを整備した」「他部署との連携をスムーズにするため、定期的な情報共有の場を設けた」といった行動は、すべてご自身の主体的な「取り組み」と言えます。
「課題」「行動」「結果」の構成で記述する
ご自身の「取り組み」を採用担当者に分かりやすく伝えるためには、その背景や結果をセットで記述することが効果的であります。(1)どのような課題や目的があったのか、(2)それに対してご自身が具体的にどのような行動(取り組み)を起こしたのか、(3)その結果、どのような小さな変化や成果(例:作業時間の短縮、ミスの削減、顧客からの感謝)があったのか。この構成で整理することで、ご自身の貢献が論理的に伝わります。
数値で示せない場合の表現方法
すべての「取り組み」が、数値で測れる成果に直結するとは限りません。数値化が難しい場合は、具体的な状態の変化(定性的な結果)を記述します。例えば、「業務フローが整理され、チーム内の連携が円滑になった」「問い合わせ件数が減少し、本来の業務に集中できる時間が増えた」といった表現も、ご自身の貢献を伝える上で有効であります。
自己PR欄での「取り組み」の活かし方
職務経歴の詳細欄で記述した具体的な「取り組み」のエピソードは、ご自身の強みを裏付ける客観的な「根拠」となります。自己PR欄でご自身の強み(例:課題解決能力、業務改善への意欲)を述べ、その証拠として職務経歴欄の具体的な取り組みのエピソードを示すことで、アピール内容に強い説得力を持たせることができます。
経験の価値をご自身の言葉で伝える
ご自身にとっては「当たり前」の行動であったとしても、その「取り組み」にはご自身の価値観や仕事への姿勢が表れています。ご自身の経験の価値を再認識し、それを具体的な言葉で表現することが、採用担当者の心に響く職務経歴書の作成に繋がります。





