職務経歴書の書き方・短期離職の経歴の伝え方

転職活動で職務経歴書を作成する際、入社から短期間で退職した経歴の扱いに悩む方は少なくありません。短期間での離職経験は、ご自身の経歴において不安要素と感じられるかもしれませんが、その事実をどのように伝えるかで、採用担当者に与える印象は変わります。

短期離職と採用担当者の視点

採用担当者が応募書類を確認する際、注目する点の一つに「定着性」があります。短期間での退職歴があると、「入社しても、またすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱かれる可能性はあります。この懸念を、ご自身の書類や面接での説明を通じて、いかに払拭するかが重要になります。

職歴はすべて正確に記載する

まず、職務経歴書の大原則として、ご自身の職歴はすべて正確に記載する必要があります。たとえ短期間であったとしても、在籍した事実を意図的に省略したり、在籍期間を改変したりすることは、経歴詐称と見なされる可能性があります。

職歴を省略するリスク

もし、短期離職の経歴を記載しなかった場合、職歴と職歴の間に不自然な「空白期間（ブランク）」が生まれます。採用担当者はこの空白期間について必ず関心を持ち、面接の場で説明を求められます。また、入社手続きの際に提出する雇用保険の加入履歴などから、事実と異なる記載が判明した場合、築いた信頼関係を失うことになります。

職務経歴書への具体的な記載方法

短期離職の経歴も、他の職歴と同様に、在籍期間（入社日と退社日）、会社名、所属部署、そして担当した業務内容を客観的な事実として簡潔に記載します。短期間であっても、どのような業務に携わったのかを誠実に記します。

退職理由の取り扱いについて

職務経歴書に、退職理由を詳細に書きすぎる必要は必ずしもありません。自己都合による退職であれば「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的です。ただし、採用担当者はその背景にある本当の理由を知りたいと考えているため、面接の場では、その経緯や理由をご自身の言葉で説明できるように準備しておくことが不可欠です。

短期間でも得られた経験を整理する

たとえ短期間の在籍であったとしても、その間に学んだことや、得た経験は必ずあるはずです。例えば、その業界の基本的な知識を得た、あるいは、その経験を通じてご自身のキャリアプランがより明確になった、といった点も整理しておきます。

前向きな意欲で懸念を払拭する

短期離職の事実は変えられませんが、その経験から何を反省し、学び、次にどう活かそうとしているのかを前向きに示すことが重要です。自己PR欄や面接の場で、その経験を踏まえた上で、今度こそ応募先企業で腰を据えて長く貢献していきたいという強い意欲を伝えることが、採用担当者の懸念を払拭する鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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