職務経歴書における「敬語」の正しい使い方|好印象を与える言葉遣いと注意点
1. はじめに
転職活動の書類作成で重要なのは、内容の充実度だけではなく「言葉遣い(敬語)」も含めた表現の丁寧さです。特に職務経歴書は、自分の業務経験やスキルを客観的に説明する文書であり、敬語の使い方一つで印象が大きく変わります。
✅「職務経歴書に敬語は必要?」
✅「です・ます調とである調、どちらを使うべき?」
✅「敬語でやりがちな間違いを避けたい」
本記事では、職務経歴書における敬語の基本ルール、適切な文体、使用例、よくあるNG表現の回避法を解説します。
2. 職務経歴書に敬語は使うべき?
✅ 基本は「丁寧語」ではなく「常体(である調)」が推奨
職務経歴書は、ビジネス上の文書として扱われるため、敬語のような“会話的な文体”よりも、簡潔かつ事実を述べる“常体(である調)”が一般的です。
【文体比較】
文体 | 例 | 用途 |
---|---|---|
敬語(です・ます調) | 「業務を担当しておりました」 | カジュアルすぎる印象を与える場合がある(履歴書や自己PR欄にはOK) |
常体(である調) | 「業務を担当していた」「売上管理を実施」 | 職務経歴書に適した文体(ビジネス文書向け) |
➡ 職務経歴書では「である調(常体)」を基本としつつ、謙虚さ・丁寧さを意識した表現を心がけましょう。
3. 職務経歴書で使うべき敬語表現とその選び方
✅ 使って良い丁寧表現(適切な敬語)
- 「担当いたしました」
- 「従事しておりました」
- 「経験しております」
- 「管理を任されておりました」
- 「対応いたしました」
➡ 謙譲語・丁寧語を使いすぎないよう注意しつつ、読みやすく配慮された文体を目指しましょう。
✅ NGになりやすい敬語の例
NG表現 | 理由 | 改善例 |
---|---|---|
「〜させていただきました」 | 過剰敬語になりやすく冗長 | 「〜を担当しました」または「〜に従事しました」 |
「御社」 | 職務経歴書は自己紹介文なので使用しない | 「貴社」または明記しない(志望動機に記載する) |
「〜いただきました」 | 相手の行為に対する感謝は不要 | 「〜を行いました」「〜に参加しました」でOK |
4. 職務経歴書での文体選びと整え方のポイント
🔹 ① 文末は「〜した」「〜している」で統一する
常体で統一し、時制のブレをなくしましょう。
OK例:
- 「月次決算を担当し、仕訳業務や請求書発行に従事している。」
- 「年間売上高の集計業務を担当した。」
NG例:
- 「売上集計を担当しておりました。」(敬語で文体が揃っていない)
🔹 ② 主語を省略しすぎない
文法的に曖昧になるため、「私」や「〜に従事」「〜を経験」のように主体を明確にするのがポイント。
例:
- 「営業職として新規開拓を経験」 →より良い書き方:「営業職として新規開拓業務に従事し、年間10件の契約を獲得した。」
🔹 ③ 一文は長くしすぎず、読みやすさを意識
敬語や丁寧表現を詰め込みすぎて冗長にならないよう、1文は50〜60文字程度で区切るのが理想です。
5. 職種別|敬語・文体を取り入れた記載例
📌 営業職の例
職務内容:
法人営業として新規開拓および既存顧客対応を担当。提案資料の作成やプレゼンテーション、契約書締結業務など一連の営業活動に従事した。2022年度には担当エリアにおいて前年比130%の売上増を達成。
📌 事務職の例
職務内容:
一般事務として、受発注処理、伝票作成、請求書の発行、データ入力業務に従事。顧客からの問い合わせ対応や営業担当者のサポートも兼務し、業務の正確性と迅速さを重視して取り組んだ。
📌 ITエンジニアの例
職務内容:
社内システムの開発・運用保守に携わり、要件定義から設計、テストまで一貫して担当。PHP・JavaScriptを用いたWebアプリケーション開発に従事し、プロジェクトの進行管理も経験。
6. 自己PRや志望動機欄での敬語の使い方
職務経歴書の**「自己PR」や「志望動機」欄**では、やや丁寧な言葉遣い(〜です・〜ます調)でもOKです。特に自己PRでは、敬意や前向きな姿勢を伝えることが重要です。
📌 例: 「常に相手の立場に立った対応を心がけ、丁寧で正確な仕事を意識してまいりました。今後も貴社でその経験を活かし、さらなる成長を目指して努力していきたいと考えております。」
7. まとめ|職務経歴書における敬語のポイント
✅ 基本は「常体(である調)」でまとめるのが正解
✅ 敬語は控えめに、必要な場面で丁寧さを出す
✅ NG敬語(〜させていただきました、御社など)は避ける
✅ 一貫した文体と読みやすさを意識して整える
📌 職務経歴書は、あなたの仕事ぶりを文章で伝える「ビジネスの履歴書」。敬語の使い方一つで、誠実さ・丁寧さ・論理性が伝わります。
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