職務経歴書における「グループ会社」の書き方とは?|転籍・出向・社名変更にも対応した正しい記載方法を解説
グループ会社での経験、職務経歴書ではどう書けばいい?
転職活動において職務経歴書を作成する際、「グループ会社間での異動や転籍」「親会社・子会社間での勤務」「社名が似ていて紛らわしい」といった状況に直面する方は多いのではないでしょうか。
「同じグループだけど別会社…どう書き分ける?」
「出向だったのか、転籍だったのか…採用担当者にどう伝える?」
「グループ会社が多すぎて職務経歴が複雑になってしまう」
こうした悩みに対応するには、グループ会社間での勤務経験を整理し、職務経歴書で正しく・分かりやすく伝えることが重要です。本記事では、グループ会社の書き方の基本、ケース別の対応方法、採用担当者に好印象を与えるポイントを詳しく解説します。
グループ会社勤務経験の基本的な考え方
まず理解しておきたいのは、「グループ会社」といっても、法人格(会社)は別であることが多いという点です。つまり、グループ内で異動しても、それが「転籍」なのか「出向」なのかによって、職務経歴書への記載方法が変わります。
● 転籍(正式に雇用契約先が変わる)
→ 別の会社として、それぞれの社名で分けて書く。
● 出向(雇用主は同じで、業務は他社で行う)
→ 出向元をベースに書き、出向先を補足情報として記載。
● 社名変更・吸収合併など
→ 原則1社として書き、「旧社名/新社名」と明記する。
職務経歴書|グループ会社勤務経験の書き方パターン
【パターン①】転籍した場合(別法人に異動)
正しい書き方:それぞれの会社を独立して記載し、転籍の経緯を明記する
記載例:
■ 株式会社ABCホールディングス(2018年4月~2021年3月)
【職種】法人営業
【業務内容】
・グループ会社向けのコンサルティング営業を担当
・年間契約数:40件、継続率90%以上を維持
■ 株式会社ABCソリューションズ(2021年4月~現在)※グループ内転籍
【職種】営業企画
【業務内容】
・営業戦略立案、営業支援ツールの設計・導入
・新規プロジェクトチームの立ち上げに参画
✅ ポイント:
- それぞれの会社の実績・業務を分けて記載
- 「※グループ内転籍」と補足を入れると親切
【パターン②】出向していた場合(雇用元は変わらない)
正しい書き方:出向元の会社をメインに記載し、出向先を業務内容の中で補足する
記載例:
■ 株式会社XYZ(2017年4月~現在)
【職種】人事総務
【出向先】株式会社XYZエンジニアリング(2019年4月~2022年3月)
【業務内容】
・出向中は採用業務、勤怠管理、研修制度の設計を担当
・中途採用人数:年間平均15名、研修満足度90%以上
✅ ポイント:
- 出向元の雇用期間でまとめて記載
- 出向先企業と出向期間を明記することで透明性アップ
【パターン③】社名変更やグループ再編があった場合
正しい書き方:同一企業として記載し、社名変更を備考に記す
記載例:
■ 株式会社エスティー物流(旧:株式会社エスティー運輸)(2016年4月~2023年3月)
【職種】物流管理/正社員
【業務内容】
・配送ルートの最適化、運行スケジュール作成
・社名変更後は、新物流管理システムの導入を主導
✅ ポイント:
- 読み手が混乱しないよう「旧社名(現社名)」を併記
- 一貫性を保つため、同じ企業として扱う
書き方の工夫で「伝わる」職務経歴書にするポイント
✅ 1. 組織の構造を簡単に補足する
「○○ホールディングス傘下のグループ会社」など、企業の関係性を明記すると、読み手が理解しやすくなります。
✅ 2. グループ内での異動理由・目的も加える
自分から希望して転籍・出向した場合は「成長のために異動を希望」など前向きな理由を書くと好印象です。
✅ 3. 共通のスキル・経験は強調
「グループ間で得た共通スキル(例:業務フロー標準化・グループ共通システムの導入など)」を記載すれば、全体像の中での自分の役割が際立ちます。
NGな書き方とその改善例
NG例 | 改善例 |
---|---|
株式会社A(2017年~現在)職務内容:営業 | 株式会社A(2017年~2020年)株式会社B(2020年~現在)※グループ内転籍 |
○○グループ勤務(社名非公開) | 株式会社○○ホールディングス傘下:○○株式会社(職務経歴詳細あり) |
グループ内異動を省略 | 転籍・出向の区別と期間を明確に書く |
まとめ|グループ会社勤務の書き方は「明確に分かりやすく」が基本
✅ グループ会社勤務でも、会社ごとに業務や役割が異なる場合は別項目で記載
✅ 転籍・出向・社名変更などのパターンに応じた正しい記載方法を選ぶ
✅ 異動の理由や役割を補足することで、キャリアの一貫性が伝わる
✅ 採用担当者が理解しやすい構成を意識し、「信頼感」のある職務経歴書に
グループ会社内での異動や転籍経験は、柔軟性・組織理解・多様な業務経験などの強みとしてアピールできます。書き方次第であなたの価値をしっかりと伝えられる職務経歴書を完成させましょう。