グラフィックデザイナーの職務経歴書の書き方|採用担当者に響く構成・スキル・実績アピール法を徹底解説
グラフィックデザイナーにとっての職務経歴書の役割とは?
グラフィックデザイナーの転職活動では、ポートフォリオの提出が重視されがちですが、それと同じくらい重要なのが職務経歴書です。
なぜなら、ポートフォリオが「作品」や「表現力」を伝えるものであるのに対し、職務経歴書は「プロとしてどのように仕事をしてきたか」「どんな成果を出してきたか」を論理的に伝えるツールだからです。
「自分のデザイン力をどう書面で表現すればいいの?」
「職務経歴書に載せるスキルや制作実績はどこまで細かく書けばいいの?」
「チーム制作だった場合、自分の関与範囲はどう伝える?」
そんな悩みを持つグラフィックデザイナーの方に向けて、この記事では職務経歴書の正しい構成・記載内容・アピールポイント・職種別の実例まで詳しく解説していきます。
グラフィックデザイナーの職務経歴書|構成の基本
◎ 推奨構成(A4・1~2枚)
- 職務要約(全体のキャリア概要)
- 職務経歴(在籍企業ごとの経験・実績)
- 使用スキル・ソフト・ツール
- 自己PR(デザインへの姿勢や成果など)
ポートフォリオを別で提出する場合も、職務経歴書では「どういうプロジェクトにどう関わったのか」を明確に記載することが必要です。
書くべき内容:職務経歴欄には何を盛り込む?
✅ 1. 企業情報と在籍期間
- 社名(例:株式会社○○デザイン)
- 在籍期間(例:2019年4月~2024年3月)
- 雇用形態(正社員/契約社員/業務委託など)
- 所属部署・職種(例:制作部/グラフィックデザイナー)
✅ 2. 担当業務の内容
- 担当媒体(例:カタログ/チラシ/パッケージ/広告/バナー)
- 制作体制(チーム or 個人)
- クライアント対応の有無
- デザイン以外の業務(撮影ディレクション、入稿対応など)
✅ 3. 実績・成果
- 制作点数・納品件数・売上貢献
- 表彰・クライアントからの評価
- 効率改善・デザインリニューアルによる効果
記載例|グラフィックデザイナーの職務経歴書
■ 株式会社スタジオアート(2020年4月~2024年3月)
【職種】グラフィックデザイナー/正社員
【業種】広告制作・販促ツール制作
【業務内容】
- 食品・飲料メーカーの販促物(チラシ・POP・パッケージなど)のデザイン業務全般
- クライアントとの打ち合わせ、コンセプト設計、デザイン提案、撮影立ち合い
- DTPオペレーション(入稿作業)、印刷業者との調整
【使用ツール】
- Adobe Illustrator/Photoshop/InDesign
- Figma(社内ガイドライン作成)
- Slack/Backlog(プロジェクト管理)
【実績・成果】
- 主要クライアントの商品パッケージリニューアルを担当し、売上前年比120%に貢献
- 提案した店頭POPが大型スーパーの全国導入事例に選定
- 制作業務のワークフローを見直し、制作時間を平均15%短縮
使用ツール・スキル欄の記載例
▼ 使用可能ツール/スキル
- Adobe Illustrator(10年以上/ロゴ・パッケージ・広告制作)
- Adobe Photoshop(画像合成・レタッチ)
- Adobe InDesign(冊子・カタログ制作)
- Figma・Canva(Webデザインの簡易モックアップ作成)
- 印刷工程の理解(CTP・色校正・紙質指定 等)
※経験年数や用途を明記すると、実務レベルが明確になります。
自己PR欄の記載ポイントと例文
グラフィックデザイナーとしてのデザインに対するこだわり・成果・仕事への姿勢を、短く端的にまとめましょう。
◎ 自己PR例:
クライアントの商品やサービスの魅力を最大限に引き出す「売れるデザイン」を意識しています。特に店頭販促ツールやパッケージ制作においては、視認性や訴求力の強化を重視し、結果として売上や問い合わせ増加につながった実績もございます。今後もユーザー視点に立ったデザインを追求し、ビジュアルの力で価値を伝える仕事に貢献したいと考えています。
ポートフォリオとのバランスの取り方
ポートフォリオと職務経歴書の役割は異なります:
書類 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
職務経歴書 | 仕事として「何をどうやったか」 | 実務能力・再現性のアピール |
ポートフォリオ | 作品として「何を作ったか」 | 表現力・センス・仕上がりの提示 |
そのため、職務経歴書では“あなたの貢献”を中心に書くことが重要です。
チーム制作だった場合は「自分がどの工程を担当したか」を明確に記載しましょう。
よくあるNG例と改善案
NGな書き方 | 改善ポイント |
---|---|
「いろいろなデザイン業務を担当」 | → 担当媒体・内容・関わり方を具体的に書く |
「Illustratorが使えます」 | → 経験年数や用途(例:パッケージデザイン歴5年)を記載 |
「センスがあると評価された」 | → 数字や成果(売上向上・受注率UPなど)で証明すると説得力が増す |
まとめ|グラフィックデザイナーこそ「言葉」で伝える職務経歴書が武器になる
✅ 職務経歴書は「デザインの成果を言語化する」場
✅ 使用ツール・担当業務・成果はできる限り具体的に書く
✅ ポートフォリオとのバランスを意識し、「どうやって作ったか」に焦点を当てる
✅ 自己PRでは「デザインへの姿勢」「クライアントへの貢献」をしっかり伝える
グラフィックデザイナーは作品で語れる職種だからこそ、言葉でプロとしての価値を伝えることが差別化のカギになります。完成度の高い職務経歴書で、あなたのスキルと実績を確実に伝えましょう。