銀行員の職務経歴書の書き方|職種ごとの業務内容や実績を効果的にアピールする方法
銀行での経験を職務経歴書でどう表現する?
銀行での勤務経験は、金融知識・リスク管理・顧客対応・コンプライアンス意識など、あらゆる業界で通用する高いビジネススキルの証明となります。しかし、転職活動の際に職務経歴書でうまくアピールできずに悩む銀行員の方も少なくありません。
「職務経歴書に何をどこまで書くべきか」
「営業数字はどこまで出していいのか」
「総合職・事務職で書き方は違うのか」
この記事では、銀行での職務経験を職種別に整理しながら、企業側に伝わる職務経歴書の書き方を解説します。営業、融資、後方事務などの業務ごとにアピールすべきポイントや記載例も紹介します。
銀行の職務経験は転職市場でどう評価されるか?
銀行業務は高度な対人スキルと専門知識が求められるため、異業種・異職種への転職でも高く評価されるケースが多いです。特に以下のような能力が注目されます:
✅ 銀行経験で培われる汎用スキル
- 法人・個人への提案営業力
- 融資・審査に関する知識
- コンプライアンス遵守意識
- 正確かつ迅速な事務処理能力
- 財務諸表の読解力、与信判断スキル
- 社内外との調整・折衝能力
これらのスキルは、コンサルティング業界、保険業界、IT・SaaS企業の営業職、経理・財務職など、さまざまな分野で即戦力とみなされます。
職務経歴書で銀行経験を記載する際のポイント
1. 職種・業務内容は明確に区分する
→ 「法人営業」「個人営業」「融資担当」「渉外」「後方事務」など、担当領域をはっきりさせることで専門性をアピールできます。
2. 数字・成果を具体的に示す
→ 顧客数、担当件数、融資額、成績順位など、定量的な実績は必ず記載。
3. 使用ツールや対応スキルも補足
→ 銀行特有のシステムや、Excel・PowerPointの活用実績も評価対象です。
4. 顧客対応や改善提案などのエピソードが効果的
→ 「どんな課題にどう対応したか」「何を工夫したか」が伝わると強みになります。
【職種別】銀行員の職務経歴書 記載例
■ 法人営業職の記載例
株式会社○○銀行(2019年4月~2024年3月)
【職種】法人営業(中小企業担当)
【雇用形態】総合職
【担当業務】
- 地域密着型の中小企業約150社を担当
- 融資提案(運転資金・設備投資)、ビジネスマッチングの支援
- 財務分析、担保評価、稟議書作成、ローン実行まで一貫対応
- 他部門(信託・証券)との連携による総合提案を実施
【実績】
- 年間融資実行額:約9億円(前年比130%)
- 地区営業成績で3年連続トップ10(支店内)
- 顧客満足度アンケートにて高評価を複数回獲得
■ 個人営業(リテール・渉外)職の記載例
○○銀行 ○○支店(2020年4月~2024年3月)
【職種】個人向け営業(渉外担当)
【業務内容】
- 一般個人および富裕層を中心とした資産運用提案
- 投資信託・保険商品・住宅ローン・相続相談の提案・実行
- 定期訪問によるライフプランヒアリングと課題解決提案
【実績】
- 担当顧客数:350名、月間面談件数40~50件
- 投資信託販売額:年間1億2000万円
- FP2級資格を活かし、資産形成提案の成約率を25%向上
■ 融資・審査担当(後方事務含む)の記載例
○○銀行 本部 融資審査部(2021年1月~2024年3月)
【職種】法人融資審査・モニタリング業務
【業務内容】
- 融資申込案件の与信審査、財務分析、稟議書チェック
- 担保・保証内容の確認、格付けの評価・レビュー
- 融資実行後の企業モニタリングと与信リスク管理
【実績】
- 月間審査案件:平均40~50件、担当与信枠:最大5億円
- 決算書分析の簡略化マニュアルを作成し、審査時間を20%削減
- リスク案件の早期発見と対応で、事故案件発生ゼロを達成(2023年度)
資格・スキル欄に書いておくべき項目
銀行員であれば、以下のような資格やスキルを明記すると強みになります:
- 銀行業務検定(財務・融資・税務 など)
- ファイナンシャル・プランナー(FP2級/1級)
- 証券外務員資格(一種・二種)
- 宅地建物取引士(不動産ローン関連で有利)
- Excel関数・VLOOKUP/ピボットテーブル/Access経験
- コンプライアンス研修・マネロン対策の知識
自己PR欄で押さえるべきポイント
- コミュニケーション力・顧客志向の高さ
- 融資判断や審査スキルなどの「論理的思考力」
- チームマネジメントや後輩指導経験(あれば)
- 応募先企業での活かし方まで言及できると好印象
まとめ|銀行経験を活かした職務経歴書で、キャリアを次のステージへ
✅ 銀行の経験は、金融業界に限らず多方面で高く評価される
✅ 職種・業務内容・成果を明確に区分して記載することが重要
✅ 数字・スキル・課題解決力を具体的に伝える
✅ 銀行員ならではの誠実さ・正確さ・論理性もアピール材料に
銀行員として培ったスキルやマインドは、異業界・異職種でも強力な武器になります。職務経歴書ではそれらを「読み手に伝わる形」で構成し、あなたの価値をしっかり表現しましょう。書類選考を突破し、希望するキャリアへの第一歩を確実に掴んでください。