職務経歴書をメール添付する際のマナーと注意点
転職活動において、作成した職務経歴書を応募先企業へメールで送付する機会は非常に多くあります。その際、ご自身の経験やスキルが記載された書類そのものの内容はもちろん重要ですが、採用担当者が最初に目にするメールの送り方や、添付するファイルの形式といったビジネスマナーも、ご自身の第一印象を左右する大切な要素となります。
応募書類のオンライン提出
近年、転職活動のプロセスはオンライン化が進んでおり、多くの企業が履歴書や職務経歴書をデータファイルとしてメールに添付して送付する方法を採用しています。紙に印刷して郵送する手間が省ける一方で、データならではの取り扱いに関する配慮が求められます。
最適なファイル形式はPDF
ご自身がワード(Word)やエクセル(Excel)などで作成した職務経歴書をメールに添付する際、最も推奨されるファイル形式は「PDF(ピーディーエフ)」であります。作成した元のファイル(Wordなど)のまま送付すると、採用担当者が閲覧するパソコンの環境(OSやソフトのバージョンの違い)によって、ご自身が意図したレイアウトが崩れて表示されてしまう可能性があります。また、内容を容易に編集できてしまう状態も望ましくありません。PDF形式に変換することで、レイアウトの崩れを防ぎ、内容の改ざんも防止できます。
採用担当者が分かりやすいファイル名
添付するファイル名は、採用担当者が一目で「誰の」「何の書類」かが分かるように設定する配慮が重要です。「職務経歴書.pdf」といった一般的な名称では、他の応募者の書類と混同してしまう可能性があります。例えば「職務経歴書(氏名)20251112.pdf」や「職務経歴書_山田太郎.pdf」といったように、書類の内容、ご自身の氏名、可能であれば日付などを組み合わせたファイル名にすることをお勧めします。
セキュリティへの配慮(パスワード設定)
職務経歴書は、ご自身の氏名、住所、電話番号、詳細な経歴といった多くの個人情報を含む機密書類であります。そのため、添付するPDFファイルにはパスワードを設定し、セキュリティを確保することがビジネスマナーとして推奨されます。
パスワードの通知方法
ファイルにパスワードを設定した場合、そのパスワードを採用担当者に伝える必要があります。その際、職務経歴書を添付したメールと同じ本文内にパスワードを記載してしまうと、セキュリティ対策としての意味が薄れてしまいます。パスワードは、応募書類を添付したメールとは「別のメール」で、改めて送付するのが最も丁寧な方法であります。
メールの件名と本文の書き方
応募書類を添付するメールの「件名」は、採用担当者が多くのメールの中で見落とすことがないよう、具体的かつ簡潔に記載します。「〇〇職応募の件(氏名:山田太郎)」といったように、用件とご自身の氏名が一目で分かるようにします。メール本文には、応募先企業の正式名称、部署名、担当者名を正確に記載し、簡潔な挨拶、応募の経緯、そして書類を添付した旨を明記します。
送信前の最終確認
メールを送信するボタンを押す前に、必ず最終確認を行います。「職務経歴書のファイルを添付し忘れていないか」「添付したファイルが破損しておらず、正しく開けるか」「パスワードの設定や通知方法は適切か」「宛先(メールアドレス)、件名、本文に誤りはないか」といった点を、ご自身の目で再度確認する習慣が、ビジネスにおける信頼に繋がります。





