転職活動の履歴書。「特技欄」の書き方とアピール術

転職における履歴書の「特技欄」の役割

転職活動において履歴書を作成する際、「趣味・特技」を記載する欄がございます。職務経歴や資格といった実務的な項目と比べ、この「特技欄」に何を書くべきか、あるいは書くことがない、と悩まれる方は少なくありません。

採用担当者は、この特技欄を通じて、応募者の「人柄」や「価値観」の一端を垣間見ようとしています。また、面接の場で応募者の緊張をほぐすための、アイスブレイク（会話のきっかけ）として、特技欄の内容に触れることもございます。

転職の履歴書に書く「特技」の見つけ方

立派な実績や、他者に誇れるような高度な技術だけが「特技」ではございません。「特技」と呼べるようなものがない、と悩む必要はございません。採用担当者は、応募者が日頃から継続して取り組んでいることや、関心を持っていることを知りたいと考えています。

例えば、日常的に行っている「料理」や「整理整頓」、あるいは継続している「スポーツ（ジョギング、ヨガなど）」、「読書」、「映画鑑賞」なども、立派な特技として記載することができます。

「特技」をアピールにつなげる書き方のコツ

転職活動の履歴書において、特技欄をより効果的に活用するコツは、その特技を通じて培われた、あるいは、その特技が示唆する「仕事にも活かせる汎用的な強み」を、簡潔に補足することであります。

単に「料理」と記載するだけでなく、「料理（手際良く複数の品を作るための段取りを考えるのが得意です）」と書き添えれば、それは「計画性」や「効率性」のアピールにつながります。

「サッカー（チームスポーツを通じて培った協調性を大切にしています）」と記載すれば、「協調性」の補足となります。「読書（月〇冊程度。様々な分野の知識を吸収することが好きです）」と記載すれば、「情報収集能力」や「向上心」を示すことができます。

履歴書の特技欄。具体的な記入例

特技欄の記入例としては、以下のようなものが考えられます。重要なのは、自身の言葉で簡潔にまとめることであります。

例えば、スポーツ関連であれば「ジョギング（体力維持のため、週〇回継続しています）」、文化的なものであれば「茶道（〇年間継続しており、集中力には自信があります）」、実務的なものであれば「PC操作（基本的な関数を用いたデータ集計が得意です）」といった形で、その特技のレベル感や、そこから連想される強みを一言添えると、人柄が伝わりやすくなります。

履歴書の特技欄で避けるべき内容（NG例）

特技欄は、基本的には自由に記載して良い項目でありますが、転職活動というフォーマルなビジネスの場において、記載を避けるべき内容もございます。

例えば、競馬やパチンコといった「ギャンブル」に関連する内容は、採用担当者に堅実性への懸念を抱かせる可能性があるため、避けるのが賢明であります。また、特定の思想や信条（宗教、政治など）が強く表れる内容も、業務とは無関係であり、記載すべきではございません。

最も避けるべきは、特技欄を「空欄」にすること、あるいは「特になし」と記載することであります。これは、採用担当者に対して、自身をアピールする意欲が低い、あるいは自己分析が不足しているといった、マイナスの印象を与えてしまう可能性がございます。自身の小さな関心事であっても、それを前向きな言葉で表現することが、書類選考を通過するための鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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