スマホでの転職用履歴書作成。テンプレート活用と注意点

転職活動とスマートフォン（スマホ）の活用

転職活動において、応募書類の準備は不可欠なプロセスであります。従来、履歴書や職務経歴書はPC（パソコン）で作成するか、手書きで用意するのが一般的でありました。しかし、スマートフォンの普及と高機能化に伴い、現在ではスマホ一台で応募書類を作成し、応募まで完結させたいというニーズが高まっています。

スマホ用履歴書テンプレート（アプリ・ブラウザ）

こうしたニーズに応え、スマートフォン（スマホ）で履歴書を簡単に作成できるサービスも増えています。例えば、履歴書作成専用のスマートフォンアプリや、大手転職サイトが提供する応募フォーム機能の一部として、スマホのブラウザ上で入力できる履歴書テンプレート（雛形）などが存在します。これらは、PCを持っていなくても、スマホの画面上で必要な項目を埋めていくだけで、体裁の整った履歴書データを作成できる点が特徴であります。

スマホで履歴書を作成する利点

スマホで履歴書テンプレート（雛形）を活用する最大の利点は、その「手軽さ」と「効率性」にあります。PCを起動する必要がなく、通勤時間や休憩中といった「隙間時間」を活用して、履歴書の作成や修正を進めることができます。また、作成したデータをスマホ本体やクラウドストレージに保存しておけば、いつでもどこでも内容を確認・編集でき、複数企業への応募にも対応しやすいという利点があります。

スマホ作成時の注意点（1）誤字脱字と確認

一方で、スマホでの履歴書作成には、特有の注意点も存在します。最も注意すべきは、「画面の小ささ」に起因するミスであります。小さな画面でのフリック入力やタップ操作は、意図しない変換ミスや、誤字脱字を誘発しやすくなります。また、全体のレイアウトやバランスを俯瞰（ふかん）して確認することも難しくなります。履歴書は公的な応募書類であり、誤字脱字は採用担当者にマイナスの印象を与えかねません。

スマホ作成時の注意点（2）証明写真の品質

スマホで履歴書を作成する際、証明写真のデータもスマホで準備することになります。この時、スマートフォンの自撮り機能（インカメラ）などで撮影したスナップ写真のような画像を、そのまま証明写真として使用することは、原則として避けるべきであります。背景が雑然としていたり、影が落ちていたり、服装がスーツでなかったりする写真は、転職活動のビジネスマナーとして不適切と判断されます。スマホ用のテンプレート（雛形）を使う場合であっても、写真は写真館や証明写真機で撮影した「適切なデータ」を別途用意し、それを取り込むようにすべきであります。

スマホで作成した履歴書の提出方法

スマホで作成した履歴書データは、多くの場合、PDF形式で出力（エクスポート）することができます。このPDFファイルを、Eメールに添付したり、企業の採用フォームからアップロードしたりすることで、応募プロセスをスマホ上で完結させることが可能です。また、コンビニエンスストアのネットワークプリントサービスと連携し、作成したデータを印刷して、手渡しや郵送で提出するという方法もあります。

結論。利便性と慎重さの両立

スマートフォン（スマホ）を活用した履歴書テンプレート（雛形）の利用は、転職活動を効率的に進める上で非常に便利な手段であります。しかし、その利便性に頼るあまり、書類の品質（誤字脱字、写真の品質、全体のレイアウト）が低下してしまっては本末転倒であります。スマホで作成した場合であっても、提出前には必ず入力内容を繰り返し確認し、可能であれば一度PCの大きな画面で表示してみる、あるいは印刷して客観的に見直すといった「慎重さ」を持つことが、書類選考を通過するために不可欠な姿勢であります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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