転職活動の履歴書。「育休(育児休業)」期間の正しい書き方
転職における履歴書と「育休」の記載
転職活動において履歴書を作成する際、過去に「育休(育児休業)」を取得した期間がある場合、その事実を職歴欄にどのように記載すべきか、悩まれる方は少なくありません。育休は法律で認められた正当な権利であり、その取得自体が選考で不利になることは原則としてありません。しかし、採用担当者に自身の経歴を正確に伝え、不要な懸念を抱かせないために、適切な書き方を理解しておくことは重要であります。
履歴書の職歴欄。育休は記載すべきか
履歴書の職歴欄は、応募者のキャリアの概要を時系列で示す項目であります。育休は、企業に在籍している期間中の一時的な休業であります。そのため、育休を取得し、その後同じ職場に復職して現在も在籍中(あるいは復職後に退職)の場合、職歴としては途切れていないため、必ずしも育休の事実を詳細に記載しなければならないという決まりはありません。
「〇〇年〇月 株式会社〇〇 入社」「現在に至る(または退職)」と記載するだけでも、形式上の間違いではありません。
育休期間を履歴書に記載した方が良いケース
一方で、育休の事実を履歴書の職歴欄に簡潔に書き添えておいた方が、採用担当者にとって親切であり、後の面接での説明がスムーズになるケースもございます。
例えば、育休期間が1年以上にわたるなど比較的長期である場合、採用担当者が「その期間はどのような業務をしていたのか」と疑問に思う可能性もあります。あらかじめ育休であったことを示しておけば、その期間の業務経験がない理由が明確になります。
また、育休を取得した後、復職せずにそのまま退職した場合、職歴にブランク(空白期間)が生じることになります。この場合も、退職理由と関連させて育休の事実を記載しておく方が、経緯が分かりやすくなります。
履歴書の職歴欄への具体的な書き方
育休の事実を職歴欄に記載する場合は、在籍していた企業の職歴の中で、事実を簡潔に補足する形で記載します。
育休を取得し、復職した場合の書き方
育休を取得し、その後同じ職場に復職した場合は、以下のように記載します。
「〇〇年〇月 株式会社〇〇 入社 〇〇部 配属」
「〇〇年〇月 (出産・育児のため、〇〇年〇月まで育児休業 取得)」
「〇〇年〇月 同部 同職に復職」
「現在に至る」(あるいは「〇〇年〇月 一身上の都合により退職」)
育休を取得し、復職せずに退職した場合の書き方
育休を取得した後、復職はせずにそのまま退職した場合は、退職理由と併せて記載します。
「〇〇年〇月 株式会社〇〇 入社 〇〇部 配属」
「〇〇年〇月 (出産・育児のため、〇〇年〇月まで育児休業 取得)」
「〇〇年〇月 育児に専念するため退職」(あるいは「一身上の都合により退職」)
育休中に転職活動をしている場合の書き方
現在、育児休業を取得中であり、その期間中に転職活動を行っている場合は、現在の状況を正直に記載します。
「〇〇年〇月 株式会社〇〇 入社 〇〇部 配属」
「(〇〇年〇月より 育児休業 取得中)」
「現在に至る」
面接での補足説明の重要性
履歴書に育休の事実を記載する・しないに関わらず、採用担当者が最も関心を持つのは、「過去の事実」よりも「将来的に安定して勤務できるか」という点であります。
そのため、面接の場では、現在は子育ての体制(例。保育園、家族のサポートなど)が整っており、入社後の業務遂行に支障がないことを、自身の言葉で自信を持って説明できる準備をしておくことが、何よりも重要であります。育休取得という経験を通じて、タイムマネジメント能力が向上した、といったポジティブな側面をアピールすることも可能であります。





