履歴書の志望動機を無記入で提出するのは不採用の原因になるのか
転職活動において履歴書を作成する際、最も頭を悩ませるのが志望動機の欄です。応募する企業に対して特別な思い入れがない場合や、複数の企業に応募していて時間が足りない場合など、志望動機を空欄のまま、あるいは特になしと記入して提出してもよいのではないかと考えることがあるかもしれません。しかし、書類選考を通過し内定を勝ち取るためには、この欄の扱いには細心の注意が必要です。ここでは履歴書の志望動機を無記入にすることのリスクと、書くことが思いつかない場合の対処法について詳しく解説します。
志望動機欄が空白であることのリスクと採用担当者の心理
結論から申し上げますと、履歴書の志望動機欄を無記入で提出することは、書類選考において致命的なマイナス評価につながります。採用担当者は応募書類を通じて、応募者の経歴やスキルだけでなく、仕事に対する熱意や自社への志望度を測っています。その中で志望動機欄が空白であるということは、相手企業に対して興味がありませんと宣言しているのと同義に受け取られます。どれほど優れた職務経歴やスキルを持っていたとしても、やる気が感じられない人物を面接に呼びたいと思う採用担当者は多くありません。またビジネス文書において設けられた記入欄を空欄のまま提出するという行為自体が、ビジネスマナーの欠如や仕事に対する雑な姿勢と判断されるリスクもあります。最低限のマナーとして、何らかの記載を行う必要があります。
特になしや職務経歴書参照という記述も避けるべき理由
空欄を避けるために特になしと記入したり、職務経歴書参照として省略したりすることも、基本的には避けるべきです。特になしという記述は、就労意欲が低いと判断される決定的な要因となります。また職務経歴書参照という記述は、自己PRや職務経歴の詳細については有効な場合がありますが、志望動機に関しては不適切です。履歴書は応募者のプロフィール全体を把握するための表紙のような役割を果たしており、採用担当者はまず履歴書を見て全体像を掴もうとします。そこで志望理由が空白になっていると、その後の職務経歴書を読み進める意欲を削いでしまう可能性があります。履歴書には要約した内容を記載し、職務経歴書でさらに深掘りした内容を伝えるという使い分けが、採用担当者に親切な構成といえます。
書くことがない場合に本音を志望動機へ変換する思考法
志望動機が書けないと悩む方の多くは、立派な理由を作らなければならないというプレッシャーを感じています。しかし実際の応募理由は、給与が良い、家から近い、残業が少なそうといった条件面であることが大半です。これらは決して悪い理由ではありませんが、そのまま書くと印象が良くありません。重要なのは、これらの本音を企業のメリットになるような建前に変換することです。例えば家から近いという理由は、通勤時間が短い分業務に集中でき、長く安定して勤務できるという定着意欲に変換できます。給与が良いという理由は、成果が正当に評価される環境で高い目標に挑戦したいという向上心に変換できます。自分が得をする理由を、会社が得をする理由に言い換えることで、立派な志望動機を作成することが可能です。
どうしても思いつかない場合は履歴書のフォーマットを見直す
文章を考えることがどうしても苦手で、志望動機欄を埋めることが苦痛である場合は、使用している履歴書のフォーマット自体を見直すのも一つの手段です。一般的に市販されているJIS規格の履歴書は志望動機欄が比較的大きく取られていますが、転職活動用の履歴書の中には、職務経歴欄が広く取られている代わりに志望動機欄が非常に小さいものや、志望動機欄がなく自己PR欄のみになっているタイプも存在します。自己PRであれば特定の企業に向けた動機ではなく自分の強みを書くだけで済むため、作成のハードルは下がります。無理に大きな空白を埋めようとして薄い内容を書くよりも、自分の書きやすいフォーマットを選び、中身の濃い情報を記載するほうが結果として書類選考の通過率は高まります。
短くても自分の言葉で埋めることが誠意の証明になります
志望動機欄が小さい履歴書を選んだとしても、あるいは大きな欄であっても、数行でも良いので自分の言葉で記載することが重要です。貴社の事業内容に興味を持ちました、前職の経験を活かせると感じましたといったシンプルな内容であっても、空欄よりははるかに好印象です。採用担当者は完璧な文章を求めているわけではありません。この人は自社で働く意思があるのか、最低限のコミュニケーションが取れる人物かを確認したいと考えています。嘘をつく必要はありませんが、空欄で提出してチャンスを逃してしまうのは非常にもったいないことです。自分の本音を社会人として通用する言葉に少しだけ変換し、誠意を持って記入することで、採用の可能性を広げてください。





