体を動かす仕事を志望動機にする際の書き方と採用担当者に響く職種別例文

デスクワークよりも体を動かす仕事がしたいという理由は、転職活動において非常に前向きで立派な動機です。体力に自信があることやフットワークの軽さは、現場仕事において即戦力として期待される重要な要素だからです。しかし履歴書の志望動機欄に単に体を動かすのが好きだからですと書くだけでは、採用担当者に仕事への理解度や熱意が十分に伝わらない可能性があります。体を動かすことへの意欲を、企業の利益に貢献できるビジネススキルとして変換して伝えることが、書類選考を通過するための鍵となります。ここでは体を動かすことを志望動機にする際の書き方のポイントと、職種別の具体的な例文について詳しく解説します。

体を動かすことが好きという理由だけでは不十分な理由

採用担当者は志望動機を通じて、応募者が自社の業務に長く定着し成果を出してくれる人材かどうかを見極めようとしています。その中で単に体を動かすのが好きという理由だけでは、趣味の延長のように聞こえてしまったり、仕事の厳しさを理解していないのではないかと懸念されたりするリスクがあります。実際の現場では、夏は暑く冬は寒い環境での作業や、重量物を扱う重労働、単調な作業の繰り返しなど、好きという気持ちだけでは乗り越えられない場面も多々あります。したがって、体を動かすことへの適性をアピールしつつ、それを活かしてどのように業務に貢献したいかという具体的なビジョンをセットで伝える必要があります。

体力を仕事の成果に結びつけるポジティブな言い換えテクニック

体を動かす仕事への意欲をより説得力のある言葉にするためには、ビジネスライクな表現に変換することが効果的です。例えば体を動かすのが好きという言葉は、フットワークが軽く迅速な行動ができる、体力に自信があり安定して業務を遂行できる、現場での作業を通じてチームに貢献したいと言い換えることができます。またスポーツ経験などがある場合は、一つのことに打ち込む集中力や、目標達成に向けて努力を継続する忍耐力があるというアピールにつなげることも可能です。自分の持っている体力が、スピード、正確性、継続力といった仕事の質にどう直結するのかを言語化することが重要です。

倉庫内作業や軽作業で正確性と効率をアピールする例文

倉庫内作業やピッキングなどの軽作業では、体を動かすことと同様に、ミスなく効率的に作業を進める正確性が求められます。

例文

私は以前より、体を動かして汗を流すことに充実感を感じる性格であり、体力と持久力には自信があります。前職ではデスクワークに従事しておりましたが、より自身の適性を活かせる現場で働きたいと考え、貴社の倉庫内作業スタッフを志望いたしました。貴社の物流センターは正確性とスピードが求められる現場であると伺っております。学生時代のスポーツ経験で培った集中力と体力を活かし、効率的な作業手順を早期に習得することで、誤出荷ゼロと生産性の向上に貢献したいと考えております。

配送やドライバー職で責任感と体力をアピールする例文

配送業やドライバー職では、荷物を安全かつ確実に届ける責任感と、長時間の業務に耐えうる体力が重視されます。

例文

体を動かす仕事を通じて社会インフラを支える物流業界に魅力を感じ、地域密着型の配送サービスを展開する貴社を志望いたしました。私は日頃からランニングを継続しており、体力と健康管理には人一倍気を使っております。配送業務は体力勝負の側面がありますが、単に荷物を運ぶだけでなく、お客様に笑顔で接するサービス精神も重要であると認識しております。持ち前の体力とフットワークの軽さを活かし、指定された時間内に安全かつ確実に荷物をお届けすることで、貴社の信頼維持に貢献できるよう尽力いたします。

建設業や現場作業でチームワークと安全意識をアピールする例文

建設業や土木作業などの現場では、周囲と連携して安全に工事を進めるチームワークと、ものづくりへの熱意が評価されます。

例文

自分自身の手を使って形に残るものを作り上げる建設業の仕事に強い憧れを抱き、多くの施工実績を持つ貴社を志望いたしました。私は体を動かすことが得意で、厳しい環境下でも粘り強く取り組むことができます。前職では営業職としてチーム目標の達成に尽力してまいりましたが、その協調性は現場作業においても円滑な連携に活かせると考えております。未経験ではありますが、安全確認を徹底し、先輩方の技術を見て学びながら、一日も早く現場の戦力として貢献できるよう努力いたします。

志望動機を書く際に避けるべきNGな表現

体を動かす仕事を志望する際に注意すべきなのは、デスクワークが嫌いだから、勉強が苦手だからといった消極的な理由を挙げないことです。これらは逃げの転職と捉えられ、仕事への意欲が低いと判断される原因になります。また、体力には自信がありますと書く一方で、具体的なエピソードや根拠がないと説得力に欠けてしまいます。部活動の経験や前職での立ち仕事の経験など、体力を裏付ける事実を盛り込むことが大切です。さらに、体を動かすことだけが目的になってしまい、企業の事業内容への関心が薄いと思われるのもマイナスです。その会社の扱っている製品やサービスにも興味を持ち、その事業に体力面から貢献したいというロジックを組み立てることが、採用担当者に響く志望動機を作成するポイントです。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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