履歴書の志望動機欄は書き出しを1マス開けるべきかという疑問への正解とマナー

転職活動において履歴書を作成する際、志望動機や自己PRの文章の書き出しを1マス（1文字分）開けるべきかどうかで迷う方は少なくありません。学校で習った原稿用紙の使い方としては段落の最初は1マス空けるのがルールですが、ビジネス文書や履歴書という限られたスペースの中では、そのルールを厳密に守るべきなのか判断が難しいところです。細かなことのように思えますが、こうしたレイアウトの処理は読みやすさに直結し、採用担当者が抱く第一印象に影響を与える可能性があります。ここでは履歴書の志望動機欄における字下げ（インデント）の是非と、読みやすい応募書類を作成するためのレイアウトの基本について解説します。

基本的なマナーとしては書き出しの1マスは開けるのが正解です

結論から申し上げますと、履歴書の志望動機欄においても、文章の書き出しや段落の変わり目には1マス（1文字分）の空白を開けるのが基本的なマナーであり正解です。これは日本語の作文における基本的なルールであり、ビジネス文書においても読み手に対する配慮として推奨されています。採用担当者は履歴書を通じて、応募者の経歴やスキルだけでなく、社会人としての基礎的な教養や文書作成能力もチェックしています。そのため、正しいルールに則って書かれている文章は、きちんとした教育を受けており、丁寧な仕事をする人物であるというポジティブな印象を与えることができます。特に手書きの場合は原稿用紙のルールに準じて書くことが美しさとされていますので、迷った場合は1マス開けて書き始めることをおすすめします。

文字数やスペースの都合で開けないという選択肢もあります

基本は1マス開けることが推奨されますが、絶対に開けなければならないという厳格な決まりがあるわけではありません。履歴書の志望動機欄はスペースが限られており、どうしても伝えたい内容が多くて文字数がギリギリになってしまう場合などは、あえて1マス開けずに詰めて書くことも許容されています。特にパソコンで作成する場合や、横書きのビジネスメールのようなスタイルで作成する場合は、左端を揃えて書いたほうが見た目が整って見えることもあります。重要なのは形式を守ることよりも、内容が充実していることと、相手にとって読みやすいことです。もし1マス開けることで行が溢れてしまったり、中途半端な改行になってしまったりするようであれば、無理に開けずに左詰めで統一して記入しても、それが原因で不採用になることはまずありません。

最も重要なのは書類全体での統一感を持たせることです

書き出しを1マス開けるか開けないかという問題において、最も注意しなければならないのは統一感です。例えば、志望動機の欄では書き出しを開けているのに、自己PRの欄では詰めて書いていたり、同じ文章の中で最初の段落は開けているのに次の段落は開けていなかったりするのはNGです。表記に揺れがあると、読み手に違和感を与えるだけでなく、細部への注意力が散漫である、詰めが甘いといったマイナスの評価につながる可能性があります。1マス開けると決めたらすべての欄で開ける、スペースを優先して詰めると決めたらすべて詰めるというように、ルールを一貫させることが書類の完成度を高めるポイントです。

改行や段落分けを効果的に使って読みやすさを向上させます

1マスの空白以上に読みやすさを左右するのが、改行と段落分けです。小さな文字でびっしりと埋め尽くされた文章は、読む前から心理的な圧迫感を与えてしまいます。内容の区切りごとに適切に改行を行い、段落を分けることで、文章にリズムと余白が生まれます。一般的には、結論、理由や経験、入社後の抱負という3部構成にし、それぞれの変わり目で改行を入れると非常に読みやすくなります。段落を変えた際も、最初の行は1マス開けるというルールを適用することで、視覚的にここから新しい話題が始まるということが明確になり、採用担当者の理解を助けることができます。

パソコン作成時のインデント設定と最終確認

最近ではワードやエクセルを使って履歴書を作成する方が増えていますが、パソコン作成時にも注意が必要です。ソフトの自動設定によっては、勝手に字下げが行われたり、行頭がずれてしまったりすることがあります。意図しないレイアウト崩れを防ぐためには、スペースキーで空白を作るのではなく、インデント機能やタブ設定を使って正確に位置を調整することが望ましいです。また、書き上げた後は必ず全体を見渡し、行頭がガタついていないか、誤字脱字がないかを入念にチェックしてください。形式的なルールにとらわれすぎず、読み手である採用担当者がストレスなく読めるかどうかという視点を常に持って作成することが、書類選考を通過するための鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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