履歴書の「役職」の書き方。転職で正しくアピールする記載ルール
転職活動(中途採用)で使用する履歴書において、「職歴」欄はあなたのキャリアを伝える上で最も重要な項目の一つです。採用担当者は、あなたが「どの会社で、何をしていたか」と同時に、**「どのような立場で(役職で)、どれくらいの責任を負っていたか」**も確認しています。
「主任」「係長」「課長」といった役職名は、あなたの「マネジメント経験」や「専門性」を客観的に示す情報となります。
しかし、「どの程度の役職から書くべきか?」「昇進した場合はどう書く?」といった、書き方のルールを正しく理解していないと、せっかくの経歴も正確に伝わりません。
ここでは、履歴書の職歴欄における「役職」の正しい書き方と、アピールのコツについて詳しく解説します。
1. 履歴書の「役職」は、どの欄にどう書くか?
役職は、**「職歴」**欄に、時系列に沿って記載します。
「会社名」「入社年月」を記載した後、配属された「部署名」などと共に記載するのが一般的です。
2. 【ケース別】役職の具体的な書き方(例文)
役職の記載方法は、その経歴によって異なります。
ケース1:入社時(または在籍中)に役職があった場合
入社時から役職に就いていた場合や、役職のない期間が短く、主に役職者として勤務していた場合は、以下のように記載します。
【書き方 例】
2018年 4月 株式会社〇〇 入社
営業本部 〇〇課 課長として入職
(※中途採用で管理職として入社した場合など)
ケース2:勤務の途中で「昇進(昇格)」した場合
これが、転職者にとって最も一般的で、かつ重要なアピールとなる書き方です。
昇進(昇格)した年月を明記し、その事実を記載します。
【書き方 例】
2015年 4月 株式会社〇〇 入社
営業部に配属
(〇〇(商材)の新規開拓営業に従事)
2020年 4月 営業部 係長に昇格
(メンバー〇名のマネジメントと育成を担当)
2024年 10月 一身上の都合により退社
このように記載することで、「一般社員として入社し、実績を評価されて管理職に昇進した」という、非常にポジティブなキャリアの流れを採用担当者に伝えることができます。
ケース3:役職名はないが「リーダー」だった場合
社内での呼称として「リーダー」と呼ばれていたが、辞令としては「主任」や「係長」といった正式な役職名ではなかった、というケースもあります。
- 正式な役職名(辞令)として「リーダー」であった場合→ **「チームリーダーに就任」**など、そのまま記載して問題ありません。
- 正式な役職名ではなく、実質的なリーダーだった場合→ 履歴書の職歴欄に無理に「リーダー」と書くのは避けた方が無難です。この場合のアピールは、別途作成する**「職務経歴書」**で行います。職務経歴書であれば、「〇名のチームリーダーとして、後輩指導やタスク管理も担当」といった形で、具体的な役割や実績を自由にアピールできます。
3. 役職が「なかった」場合の書き方
もちろん、全ての人が役職に就いているわけではありません。専門職としてスキルを磨いてきた方や、一般社員として現場の第一線で活躍してきた方も多くいます。
役職がなかったからといって、転職で不利になることは一切ありません。
採用担当者は、役職の有無よりも、「どのような実務経験を積み、どのような専門性を磨いてきたか」を見ています。
役職がなかった場合は、無理に書く必要は全くなく、以下のように「担当業務」を記載すれば十分です。
【書き方 例(役職なし)】
2017年 4月 株式会社△△ 入社
(経理部にて、月次・年次決算業務に従事)
2023年 8月 一身上の都合により退社
4. 絶対NG! 役職を「盛る(偽る)」ことの重大リスク
「少しでも良く見せたい」という気持ちから、役職を偽って記載すること(例:「主任」だったのに「係長」と書く、「リーダー」経験がないのに「リーダーだった」と書く)は、**「経歴詐称(けいれきさしょう)」**にあたります。
経歴詐称は、採用担当者との信頼関係を根底から覆す行為です。
面接での深掘りや、リファレンスチェック(前職調査)、あるいは入社後の手続きなどで発覚した場合、**「内定取り消し」はもちろん、入社後であっても「懲戒解雇」**という最も重い処分を受ける可能性があります。
役職は「盛る」のではなく、「事実」を「正確」に記載することが鉄則です。
5. 結論。役職は「事実」を「正確」に
履歴書の「役職」欄は、あなたのキャリアを客観的に示すためのものです。
昇進した経験がある場合は、その「年月」と「役職名」を正確に記載することで、ご自身の成長と実績を効果的にアピールできます。
役職がなかった場合は、無理に書く必要は全くなく、ご自身の「専門性(担当業務)」を記載すれば十分です。
大切なのは、役職の有無そのものよりも、その立場で「何をしてきたか」です。
履歴書には「事実」を正確に記載し、その詳細な「実績」や「貢献」は、職務経歴書の方で具体的にアピールする。この役割分担を意識して、書類作成を進めましょう。





