履歴書の「作り方」完全ガイド。転職者が押さえるべき基本と注意点
履歴書作成の第一歩。手書きとパソコン、どちらを選ぶべきか
転職活動を始めるにあたり、多くの方がまず取り組むのが「履歴書」の作成です。履歴書は、あなたの第一印象を採用担当者に伝えるための「公的な応募書類」であり、その作り方一つで評価が左右されることもあります。
まず、作成手段の選択です。かつては手書きが主流でしたが、現代の転職活動においては、企業から「手書き指定」がない限り、「パソコン(PC)」で作成するのが一般的です。
パソコンでの作成には、「修正が容易である」「誰が読んでも読みやすい」「基本的なPCスキル(文書作成能力)があることを示せる」といった、多くのメリットがあります。この記事では、パソコンでの履歴書の作り方を基本として解説していきます。
履歴書の作り方で迷わない。まずは必要な準備から
パソコンで履歴書を作成すると決めたら、以下のものを準備しましょう。
履歴書テンプレート(雛形)
WordやExcel形式で、インターネット上から無料でダウンロードできます。厚生労働省が推奨する様式や、転職サイトが提供している様式(タウンワークなど)がありますが、どのテンプレートを使っても選考に不利になることはありません。ご自身が使いやすいものを選びましょう。
パソコンと作成ソフト
Word、Excel、あるいはGoogleドキュメントやスプレッドシートなど、テンプレートを開いて編集できる環境が必要です。
証明写真の「データ」
写真スタジオや、データ取得機能がある証明写真機で撮影した、スーツ着用の清潔感のある写真データ(3ヶ月以内に撮影したもの)を準備します。メール添付やWeb応募が主流のため、画像データをファイルに貼り付けられるようにしておくと便利です。
用紙サイズはA4が最適。職務経歴書との統一感を出す
履歴書の用紙サイズには「A4(297mm × 210mm)」と「B5(257mm × 182mm)」の二種類が一般的です。
どちらでも間違いではありませんが、転職活動(中途採用)においては**「A4サイズ」を選ぶことを強く推奨します。**
理由は、多くのビジネス文書がA4で統一されていること、そして何より、セットで提出する「職務経歴書」がA4サイズで作成されるのが一般的だからです。応募書類全てのサイズをA4で統一することで、採用担当者が管理しやすく、整った印象を与えることができます。
【項目別】中途採用における履歴書の作り方とポイント
履歴書の各項目について、具体的な作り方と注意点を見ていきましょう。
日付
履歴書を「提出する日」を記載します。
- 郵送の場合:ポストに投函する日
- メールの場合:送信する日
- 手渡し(持参)の場合:面接当日の日付
基本情報(氏名・住所・連絡先)
氏名は戸籍上のフルネームを記載します。住所は「〇〇県」から省略せず、アパート・マンション名や部屋番号まで正確に記載します。
連絡先は、日中に最も連絡がつきやすい「携帯電話の番号」と、確認しやすい「Eメールアドレス」を記載します。
西暦・和暦の統一
生年月日や学歴・職歴の年月を記載する際、西暦(例:2025年)と和暦(例:令和7年)のどちらを使っても構いません。ただし、履歴書全体で、どちらか一方に必ず「統一」してください。
(例:生年月日は和暦、職歴は西暦、といった混在はNGです)
職務経歴書とも表記を統一する必要があるため、ビジネス文書として一般的な「西暦」での統一をお勧めします。
写真
第一印象を決める重要な項目です。データの場合は、所定の枠内に正しいサイズで貼り付けます。スナップ写真や自撮り写真の使用は絶対に避けてください。
学歴
中途採用の場合、学歴は「最終学歴の一つ前」から記載するのが一般的です。例えば、最終学歴が大学卒業であれば、「高等学校卒業」から書き始めます。
学校名、学部、学科名は省略せず、正式名称で記載します。
職歴(中途採用で最重要)
採用担当者が最も注視する項目です。
- 全ての在籍企業を、時系列に沿って正確に記載します。
- 会社名は「(株)」などと略さず、「株式会社〇〇」と正式名称で書きます。
- 「入社」と記載し、簡潔な業務内容(例:〇〇部にて〇〇業務に従事)を添えても構いません。
- 退職した場合は「一身上の都合により退社」あるいは「会社都合により退職」など、理由を簡潔に記載します。
- 現在も在職中の場合は、「現在に至る」と記載します。
- 全ての職歴を書き終えたら、次の行の右端に「以上」と記載して締めくくります。
免許・資格
取得した年月順に、正式名称で記載します。(例:「英検2級」→「実用英語技能検定2級 合格」)
応募する職種に直接関連する資格や、運転免許などを優先して書きましょう。
志望動機・自己PR・長所/短所
履歴書の欄は限られています。ここでは「要点」や「結論」を簡潔に記載し、その詳細な根拠やエピソードは「職務経歴書」の方で具体的に展開する、という役割分担を意識しましょう。
中途採用では、「なぜ他社ではなく、この会社なのか」、そして「ご自身の経験をどう活かして貢献できるか」という「即戦力性」が伝わる内容が求められます。
本人希望欄
原則として、「貴社の規定に従います。」と記載するのがマナーです。
ただし、勤務地や職種など、どうしても譲れない条件がある場合にのみ、簡潔に記載します。また、在職中で「入社可能日」や「退職予定日」が明確な場合は、ここに記載すると採用担当者にとって親切です。
作成したら必ず確認。提出前の最終チェックリスト
履歴書が完成したら、送信・提出する前にもう一度、最初から最後まで見直しましょう。
- 誤字脱字はありませんか? (音読する、PCの校正ツールを使うなど)
- 空欄はありませんか? (記載することがない欄は「特になし」と書きます)
- 日付や年号の表記は統一されていますか? (西暦・和暦の混在が最も多いミスです)
- 連絡先(電話番号・メールアドレス)は正確ですか?
履歴書の作り方は「正確さ」と「配慮」が鍵
履歴書の作り方において最も大切なのは、情報を「正確」に記載すること、そして、採用担当者という「読み手」が理解しやすいように「配慮」することです。
履歴書はあなたの「索引(インデックス)」であり、職務経歴書は「詳細なプレゼン資料」です。この二つをセットとして戦略的に作り込むことが、書類選考を通過するための鍵となります。





