履歴書の通勤時間、「自転車」の場合の正しい書き方と伝え方
自転車通勤希望。履歴書への記載方法
転職活動において、ご自宅から応募先企業までが近い場合、「自転車通勤」を選択肢に入れる方は少なくありません。健康面や環境面でのメリットに加え、満員電車のストレスがないなど、自転車通勤には多くの利点があります。
しかし、いざ履歴書を作成する段になり、「自転車通勤の場合、通勤時間欄にはどう書けばいいのか」「そもそも自転車通勤希望と書いても良いのか」と悩む方も多いようです。採用担当者に正確な情報を伝え、ご自身の状況を正しく理解してもらうための、履歴書の書き方とマナーについて解説します。
まず確認すべきは「募集要項」
履歴書に記載する前に、まず応募先の企業が「自転車通勤を許可しているか」を、募集要項で確認することが必須です。
- 「自転車通勤可」「バイク・自転車OK」と記載がある場合全く問題ありません。自転車通勤を前提とした応募が可能です。
- 特に記載がない、あるいは「公共交通機関利用」となっている場合原則として、電車やバスでの通勤を想定している可能性が高いです。
- 「自転車通勤不可」と明記されている場合この場合は、自転車通勤希望を伝えること自体が「募集要項を読んでいない」と判断されるマイナス材料になり得ます。
「通勤時間」欄の計算方法(自転車の場合)
企業が自転車通勤を許可している場合、次に「通勤時間」を算出します。
履歴書に記載する時間は、電車通勤などと同様に、ご自宅の玄関を出てから、会社のオフィスのドア(あるいは入口)に到着するまでの「片道の総所要時間」(ドアツードア)が基本です。
地図アプリの「自転車ルート」が便利
インターネットの地図アプリ(Google Mapsなど)には、「自転車ルート」の検索機能があります。これでご自宅から応募先企業までのルートを検索するのが、最も客観的で正確な時間を知る方法です。
時間算出の注意点
地図アプリで算出された時間は、あくまで「最短・最速」の場合が多いです。朝の通勤ラッシュ時の信号待ちや、踏切、あるいは天候(向かい風など)の影響も考慮し、算出された時間ピッタリではなく、**少し余裕を持たせた「平均的な所要時間」**をイメージすることが大切です。
履歴書への「通勤時間」の書き方
算出した時間を、履歴書の「通勤時間」欄に記入します。
(例:検索結果が18分だった場合)
- 約20分
- 約15分〜20分
このように、5分単位などで「約」を付けて記載するのが一般的です。「自転車で約20分」と、この欄に手段まで書き込む必要はありません。
「最寄駅」欄はどう書くか
自転車通勤が前提で、電車や駅を全く利用しない場合、「最寄駅」欄の書き方に迷うかもしれません。
この場合、ご自宅の最寄駅を無理に書く必要はなく、**「なし」と記載するか、「空欄」**のままでも問題ありません。
(採用担当者は、後述する「本人希望欄」を見て、自転車通勤だから最寄駅の記載がないのだな、と理解します。)
最も重要。「自転車通勤希望」の意思を伝える欄
「通勤時間」欄に「約20分」と書いただけでは、採用担当者は「電車やバスで20分なのか?」と誤解する可能性があります。
「自転車通勤を希望する」という明確な意思は、**履歴書下部の「本人希望欄」**に明記するのが、最も適切で正確な伝え方です。
(本人希望欄 例文)
- 「自転車通勤希望」
- 「自転車通勤を希望します。(通勤時間 約20分)」
このように記載することで、「通勤時間」欄に書かれた数字が、自転車での所要時間であることが明確に伝わります。
自転車通勤は不利になるか? 採用担当者の視点
企業が自転車通勤を許可している場合、その旨を正しく伝えることが選考で不利になることは、まずありません。
むしろ、ご自宅が近隣(自転車通勤圏内)であることは、企業側にとっても**「交通費(通勤手当)がかからない、あるいは少額で済む」**というコスト面でのメリットがあります。また、悪天候(台風や大雪)による公共交通機関の遅延リスクがない、という点も、安定した出勤が見込めるとしてプラスに捉えられる場合もあります。
ただし、採用担当者によっては「雨の日や悪天候時はどうするのか(遅刻しないか)」「駐輪場の確保は大丈夫か」といった点を気にする場合もあります。
結論。正確な情報と「本人希望欄」での意思表示を
履歴書における自転車通勤の記載は、採用担当者にとって、応募者の通勤負担(継続性)や、交通費、駐輪場の要否などを判断するための重要な情報です。
募集要項を確認した上で、地図アプリなどで算出した「現実的な通勤時間」と、「本人希望欄」での「自転車通勤希望」という明確な意思表示をセットで記載することが、あなたの信頼性を高める鍵となります。





