履歴書は「ネット」で完結。作成・印刷・提出まで、賢い活用術とマナー
転職活動と「ネット」での履歴書準備
現代の転職活動(中途採用)において、履歴書の準備は「ネット」を活用するのが主流となっています。かつてのように文房具店で履歴書用紙を購入し、手書きで作成し、郵送する…という手間は、必須ではなくなりました。
インターネット上には、履歴書作成を助ける便利なサービスやツールが溢れています。
ここでは、転職活動を効率的に進めるために、「ネット」を活用して履歴書を作成し、印刷、提出するまでの全工程と、その際に守るべきビジネスマナーについて詳しく解説します。
【作成編】履歴書をネットで「作る」方法
まず、履歴書は手書きよりもパソコン(PC)やスマートフォン(スマホ)を使い、ネット上で作成する方が圧倒的に合理的です。
- 効率が良い:一度データを作れば、応募先ごとに日付や志望動機を修正するだけで対応できます。
- 読みやすい:誰が読んでも判読しやすい活字は、採用担当者の負担を減らします。
- PCスキルが伝わる:体裁の整った書類を作成できること自体が、基本的なPCスキルの証明になります。
ネットを使った主な作成方法は、以下の二つです。
1. テンプレートをネットから「ダウンロード」する
最も一般的で、自由度も高い方法です。Word(ワード)やExcel(エクセル)形式の履歴書テンプレート(雛形)を、インターネット上から無料でダウンロードし、ご自身のPCに入力していきます。
- 入手先:転職サイト(タウンワークなど)、厚生労働省のウェブサイトなど。
- 選び方:中途採用(転職)では、職務経歴書とサイズを合わせるため**「A4サイズ」を、アピール欄が広い「転職者向け」**のフォーマットを選ぶことをお勧めします。
2. 履歴書作成ツール(Web・アプリ)を利用する
PCソフトを持っていない方や、スマホで手軽に作りたい方向けの方法です。
ネット上の履歴書作成サービス(ブラウザで動くもの)や、スマホの専用アプリを使えば、画面の指示に従って入力していくだけで、自動的に履歴書のフォーマットが完成します。
- 注意点:作成は無料でも、最終的な**「PDF出力」が有料**となるツールもあるため、事前に確認しましょう。
【印刷編】ネットを活用して履歴書を「印刷する」方法
PCやスマホで履歴書データ(PDF)を作成しても、自宅にプリンターがない場合、応募先から「紙での提出(郵送・持参)」を求められると困ってしまいます。
この問題も、ネットを活用すれば解決できます。
コンビニの「ネットプリント」が便利
セブンイレブン(ネットプリント)や、ローソン・ファミリーマート(ネットワークプリントサービス)などが提供する「ネットプリント」サービスが非常に便利です。
これは、ご自身のPCやスマホから、あらかじめ履歴書データ(PDF)をインターネット上に登録(アップロード)しておき、コンビニ店頭のマルチコピー機で番号を入力するだけで、登録したデータを印刷できるサービスです。
USBメモリを持ち歩く必要もなく、24時間いつでも高品質な印刷が可能です。
印刷時の用紙について
コンビニのマルチコピー機では、通常の「コピー用紙」に印刷されます。もちろん、それでも問題はありませんが、もし可能であれば、自宅のプリンターなどで少し厚手の「上質紙」に印刷すると、より丁寧な印象を与えることはできます。
【提出編】履歴書をネットで「送る」方法(最重要)
中途採用では、作成した履歴書をEメールやWeb応募フォームから「ネット経由」で提出するケースが最も多くなります。この際、絶対に守るべきマナーがあります。
提出は「PDF形式」が絶対のルール
WordやExcel、あるいはMacのNumbers(ナンバーズ)といったソフトで作成した履歴書を、そのファイル形式(.docx や .xlsx、.numbers)のまま送付するのは、ビジネスマナー違反です。
なぜなら、採用担当者のPC環境(OSやソフトのバージョンの違い)によっては、レイアウトが崩れたり、文字化けしたりして、正しく閲覧できないリスクがあるからです。
作成した履歴書は、必ず**「PDF形式」**に変換(エクスポート、またはPDFとして保存)してから提出します。PDFは、どのような環境でも作成時のレイアウトのまま表示できる、ビジネス文書の標準形式です。
メールの件名と「ファイル名」への配慮
ネットでデータを送る際は、受け取った相手(採用担当者)が管理しやすいよう、配慮が必要です。
- メールの件名「〇〇職応募の件/山田 太郎」のように、「何の要件で」「誰が」送ったメールかが一目で分かるようにします。
- PDFのファイル名「履歴書.pdf」や「名称未設定.pdf」では不親切です。「履歴書(氏名)_20251107.pdf」「履歴書_山田太郎.pdf」このように、「何の書類か」「誰の書類か」が一目で分かるファイル名に変更してから添付しましょう。
「ネット」での履歴書作成。最大の注意点
ネットの活用は便利ですが、手軽さゆえの落とし穴もあります。
1. ネット上の「例文」の丸写しはバレる
志望動機や自己PRに悩み、ネットで「例文」を探すのは良いですが、それをそのままコピー&ペーストするのは厳禁です。採用担当者は日々多くの書類を見ており、「どこかで見たような使い回しの文章だ」とすぐに見抜かれ、熱意が低いと判断されます。例文は、あくまで「型」の参考にとどめ、必ずご自身の言葉で作成しましょう。
2. スマホ作成での「予測変換ミス」
スマホの小さな画面では、誤字脱字や「予測変換」によるミスを見落としがちです。特に、応募先の「会社名」を間違えるのは致命的です。
3. 写真データの「自撮り」はNG
ネットで作成するからといって、証明写真もスマホの「自撮り」や「スナップ写真」の切り抜きで済ませるのは、絶対にNGです。公的書類としての信頼性を失い、それだけで選考対象から外される可能性があります。
必ず、写真スタジオや、データ取得機能がある証明写真機で撮影した、スーツ着用の清潔感のある「証明写真データ」を使用してください。
結論。「ネット」は効率化の道具。「中身」で勝負
履歴書に関するあらゆる作業が、今や「ネット」で完結できます。
ネットのテンプレートやツールは、あくまで書類作成の「時間」を短縮し、「体裁」を整えるための便利な道具(ツール)に過ぎません。
採用担当者が本当に知りたいのは、その履歴書に書かれたあなたの「経験」と「熱意」、そして「志望動機」という「中身」です。
ネットの活用で生み出された貴重な時間を、企業研究やご自身のキャリアの棚卸しといった、「中身」を充実させるために使いましょう。
そして、提出時には「PDF化」や「ファイル名」といったネットならではのマナーを守る。その「丁寧さ」が、書類選考を通過する鍵となります。





