履歴書の「自動車免許」。正式名称とAT限定、ペーパードライバーの正しい書き方
転職活動で履歴書を作成する際、「免許・資格」欄は、あなたのスキルや能力を客観的に証明するための重要な項目です。
その中でも「自動車免許」は、営業職や配送業はもちろん、事務職であっても「いざという時に運転できる」人材として、多くの企業が注目しています。
しかし、「普通免許」とだけ書いたり、取得日を間違えたりと、この欄を「正しい書き方」で記載できていないケースは意外と多くあります。
「たかが免許」と侮(あなど)ってはいけません。履歴書は公的な応募書類です。この欄の書き方一つで、あなたの「仕事の丁寧さ」や「ビジスマナーへの理解度」が判断されています。
ここでは、採用担当者に正確に情報を伝えるための、履歴書の「自動車免許」の正しい書き方について詳しく解説します。
1. 【最重要】「普通免許」はNG。「正式名称」で書くのが絶対ルール
履歴書の免許・資格欄で最も多く見られる間違いが、免許を「略称」で記載してしまうことです。
- (NG例):普通免許 取得
- (NG例):車の免許
- (NG例):中免
これらは日常的な呼び名であり、公的な応募書類である履歴書にはふさわしくありません。必ず、免許証に記載されている通りの**「正式名称」**で記載する必要があります。
「合格」ではなく「取得」を使う
免許は、試験に「合格」した後、「交付」されるものです。そのため、履歴書には「合格」ではなく**「取得(しゅとく)」**という言葉を使います。
履歴書への具体的な記載例
【正しい記載例(普通免許)】
〇〇年〇月 普通自動車第一種運転免許 取得
(※私たちが「普通免許」と呼んでいるのは、この「第一種」です。タクシーやバスの運転に必要なものは「第二種免許」となります)
2. 「AT限定」や「中型免許」はどう書くか
正式名称と合わせて、限定条件がある場合は、それも必ず併記します。これは、業務でMT車(マニュアル車)を運転するかどうかに関わる重要な情報です。
「AT限定」の場合
免許証の「免許の条件等」の欄に、「普通車はAT車に限る」といった記載がある場合です。
【書き方】
〇〇年〇月 普通自動車第一種運転免許**(AT限定)** 取得
「中型免許(8t限定)」の場合
2007年(平成19年)6月1日以前に「普通自動車免許」を取得した方は、道路交通法の改正により、現在は自動的に「中型自動車(8t)限定」の免許を保有しています。
ご自身の免許証の表面、「免許の条件等」の欄に**「中型車は中型車(8t)に限る」**という記載がないか確認してください。
もし、この記載がある場合は、その「限定条件」も正確に反映させる必要があります。
【書き方】
〇〇年〇月 中型自動車第一種運転免許(8t限定) 取得
(※応募先の業務で、4トントラックなどを使用する場合、この「8t限定」の記載が非常に重要になります)
バイク(自動二輪・原付)の場合
- 【書き方(大型バイク)】:大型自動二輪車免許 取得
- 【書き方(普通バイク)】:普通自動二輪車免許 取得
- 【書き方(原付)】:原動機付自転車免許 取得
3. 「取得日(年月日)」は、免許証のどこで確認する?
履歴書には、「いつ」取得したかという「年月日」も記載する必要があります。
これは、免許証の表面(顔写真が載っている側)で確認できます。
免許証の中央下部にある**「種類」の欄(「大特」「普自二」「中型」「普通」などが並んでいる欄)を見てください。
その左下(「他」「二・小・原」の欄)に、その免許区分を初めて取得した年月日**が記載されています。
「普通」の欄に記載されている日付を、履歴書に転記します。(※年号は、履歴書全体で西暦か和暦かに統一します)
4. 履歴書に書く「順番」のルール
「免許・資格」欄に、運転免許と他の資格(例:TOEIC、簿記など)を併記する場合、記載する「順番」にも一般的なマナーがあります。
ルール1:「免許」を先に、「資格」を後に
まず、公的な「免許」である運転免許などを先に記載し、その後に「資格」(検定など)を記載するのが、一般的で丁寧な書き方です。
ルール2:時系列(取得した順)に書く
「免許」グループの中、「資格」グループの中、それぞれで**「取得した年月日が古い順(時系列順)」**に上から並べて記載するのが、最も美しく、採用担当者にとっても分かりやすい書き方です。
【記載の順番 例】
(免許)
〇〇年〇月 原動機付自転車免許 取得
〇〇年〇月 普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得
(資格)
〇〇年〇月 実用英語技能検定2級 合格
〇〇年〇月 TOEIC公開テスト 750点 取得
〇〇年〇月 日本商工会議所簿記検定試験2級 合格
5. 「ペーパードライバー」でも、免許は書いて良いか?
「免許は持っているけれど、全く運転していない(ペーパードライバーだ)」という場合、履歴書に書いて良いのでしょうか。
答えは「書いてOK」です。
免許は免許ですので、ペーパードライバーであっても、保有している事実に変わりはありません。
【要注意】「運転必須」の求人に応募する場合
ただし、応募先の業務で「運転必須」や「営業車での外回り」が想定されている場合は、注意が必要です。
その場合、ペーパードライバーであることを隠して入社すると、後で「運転ができない」とトラブルになる可能性があります。
履歴書には「普通自動車第一種運転免許 取得」と記載した上で、履歴書下部の**「本人希望欄」や「特記事項」**欄に、
「(※普通自動車免許は所持しておりますが、日常的な運転経験はなく、ペーパードライバーです)」
と、正直に補足しておくのが、最も誠実な対応です。
6. 結論。免許は「正確」な記載が、信頼の第一歩
履歴書の「自動車免許」欄は、あなたのスキルを客観的に示す項目です。
「正式名称」で、「AT限定」などの条件も正確に、「正しい取得日」を、「正しい順番」で記載すること。
その「丁寧さ」自体が、あなたの「仕事の正確性」や「信頼性」を伝える、重要なアピールに繋がります。免許証をよく確認し、自信を持って記載しましょう。





