履歴書の「閉店」の書き方。会社都合? 職歴欄での正しい記載法
転職活動で履歴書の職歴欄を作成する際、以前勤めていたお店が「閉店」してしまった場合、その退職理由をどう書けばよいか、悩む方は少なくありません。
「『一身上の都合』で良いのか、それとも『会社都合』と書くべきか?」
「『閉店』と正直に書いて、不利にならないか?」
こうした疑問は当然です。しかし、結論から言いますと、「閉店」による退職は、応募者にとって全くマイナスにはなりません。 大切なのは、その事実を「正しく、誠実に」記載することです。
ここでは、履歴書の職歴欄における「閉店」の正しい書き方について、詳しく解説します。
1. 「閉店」は「自己都合」ではなく「会社都合」
まず、お店が「閉店」した場合、それは応募者本人の意思や責任で辞めたわけではありません。
したがって、これは「一身上の都合により退社」といった**「自己都合」には該当しません。**
これは、会社の経営上の判断によるものであるため、**「会社都合」**として扱われます。
採用担当者は、応募者の「定着性(長く働いてくれるか)」も見ています。「自己都合」での退職が短期間で続くと、懸念を持たれることがあります。
しかし、「閉店」という理由は、本人の意思とは無関係のやむを得ない事情です。これを履歴書に明記することで、採用担当者は「本人の意思で短期間に辞めたわけではない」と、事情を正しく理解してくれます。
2. 履歴書の職歴欄への「閉店」の正しい書き方
では、具体的に職歴欄にどう書けばよいでしょうか。
「会社都合」であることを、客観的な事実として簡潔に記載するのが基本です。
最も分かりやすい書き方:「閉店」と明記する
一般的に「会社都合」の場合は、「会社都合により退職」と記載します。
しかし、「閉店」という事実が明確な場合は、それをそのまま記載するのが、最も具体的で、採用担当者にとって分かりやすい書き方です。
【書き方 例文1:店舗名がある場合】
2020年 4月 株式会社〇〇(店舗名:△△カフェ) 入社
(ホールスタッフとして接客業務に従事)
2024年 10月 店舗閉店により退職
【書き方 例文2:事業所全体の場合】
2019年 5月 株式会社〇〇 入社
2024年 11月 事業所閉鎖により退職
一般的な「会社都合」としての書き方
もちろん、「閉店」という言葉を使わず、以下のように記載しても間違いではありません。
【書き方 例文3:会社都合とする場合】
2020年 4月 株式会社〇〇 入社
2024年 10月 会社都合により退職
どの書き方でも選考に不利になることはありませんが、「店舗閉店により退職」と具体的に書くのが、最も誤解のない誠実な書き方と言えます。
3. 「一身上の都合」と書いてはいけない理由
「閉店」の事実を隠して、履歴書に「一身上の都合により退社」と書くのは、絶対に避けるべきです。
1. 「経歴詐称」を疑われるリスク
これは「事実と異なる記載」になります。入社後の雇用保険の手続きなどで、実際の離職理由(会社都合)がハローワークのデータなどから発覚した場合、「誠実さに欠ける」と、あなた自身の信頼を失う可能性があります。
2. 「定着性」への不要な懸念
特に、そのお店での在籍期間が短かった場合、「一身上の都合」と書いてしまうと、「この人はすぐに辞めてしまう人なのでは?」という、本来なら抱かれる必要のない懸念(けねん)を採用担当者に与えてしまいます。
「店舗閉店」と書けば、その懸念は100%払拭(ふっしょく)できます。
4. 面接で「閉店」について聞かれたら
もし面接で「前職は閉店で退職されたのですね」と聞かれた場合は、事実をそのまま伝えれば全く問題ありません。
その上で、「これを良い機会と捉え、以前から興味のあった〇〇の分野で、自身の接客経験を活かしたいと考え、貴社を志望しました」といった形で、前向きな転職の意思を示すとスムーズです。
結論。「閉店」は、隠さず誠実に記載する
勤めていたお店の「閉店」は、あなたのキャリアにおいて何らマイナス要因にはなりません。
履歴書には「店舗閉店により退職」または「会社都合により退職」と、事実を正確に記載しましょう。
変に隠したり、曖昧にしたりせず、誠実な情報開示をすることが、採用担当者からの信頼を得る第一歩となります。





