履歴書の「連絡先」欄。「現住所以外に〜」の正しい書き方と「同上」の使い方
転職活動で履歴書を作成する際、多くの様式(フォーマット)に「現住所」欄とは別に、「連絡先」欄が設けられています。
そこには**「現住所以外に連絡を希望する場合のみ記入してください」**といった注釈(ちゅうしゃく)が書かれていることが多く、「現住所と同じ場合は、どう書けばいいのか?」「空欄のままで良いのか?」と悩む方は少なくありません。
「たかが連絡先」と思うかもしれませんが、採用担当者は、この小さな欄の書き方一つからも、あなたの「ビジネスマナー」や「仕事の丁寧さ」をチェックしています。
ここでは、履歴書の「連絡先」欄の正しい書き方と、「同上」の使い方について詳しく解説します。
1. 履歴書の「現住所」と「連絡先」欄。二つの役割の違い
まず、この二つの欄の役割を明確に区別しましょう。
「現住所」欄
「現住所」欄は、原則として、応募者が**「今現在、主に生活している住所」**を記載する場所です。多くの場合、住民票(じゅうみんひょう)に記載されている住所と一致します。
採用・不採用通知の郵送や、入社後の社会保険手続きなど、公的な書類の送付先として使われる、非常に重要な情報です。
「連絡先」欄(現住所以外に〜)
「連絡先」欄は、「現住所」とは別の場所への連絡を希望する場合にのみ記入する、**「補足的」**な項目です。
2. 「連絡先」欄を「具体的に記入する」のは、どのようなケースか
では、具体的に「連絡先」欄を記入するのは、どのような場合でしょうか。
それは、「現住所」に郵送物などを送られても、応募者本人がすぐに確認できない(あるいは、確認に不都合がある)場合です。
(例1)住民票の住所と、今住んでいる場所が違う
実家を住民票の住所(現住所)としているが、現在は就職(転職)活動のために一時的に友人宅や別の場所に住んでいる場合。
- 現住所:実家の住所を記載
- 連絡先:今住んでいる場所の住所(〇〇様方)を記載
(例2)長期の出張や、やむを得ない事情がある
長期の出張や、やむを得ない事情で、現住所(自宅)を長期間不在にしており、確実に連絡が取れる別の場所(例:実家など)を希望する場合。
- 現住所:自宅の住所を記載
- 連絡先:実家などの住所を記載
3. 【最重要】連絡先が「現住所と同じ」場合の正しい書き方
応募者のほとんどは、このケースにあてはまります。
「現住所」だけで連絡のやり取りに何の問題もない(現住所に住んでおり、郵便物も受け取れる)場合、「連絡先」欄に、再度同じ住所を書く必要はありません。
しかし、ここで絶対にやってはいけないのが、この欄を「空欄」のまま提出することです。
なぜ「空欄」がNGなのか
採用担当者が空欄の欄を見た場合、それが「書く必要がない(現住所と同じ)から空欄」なのか、単なる**「記入漏れ(うっかりミス)」**なのかを判断できません。
その結果、「注意力が不足している」「書類作成が雑だ」といった、不要なマイナスイメージを与えてしまうリスクが非常に高くなります。
ビジネスマナーとしての「正解」
現住所と連絡先が同じ場合は、
書き方:「同上(どうじょう)」
と、一言記載するのが、ビジネスマナーとしての「正解」です。
これにより、「私はこの連絡先欄をきちんと確認しました。その上で、上記の現住所と同じで問題ありません」という、あなたの「意思」が採用担当者に明確に伝わります。これは、「記入漏れ(空欄)」とは全く異なる、丁寧な「確認済みの証拠」となるのです。
4. 「電話番号」や「メールアドレス」の「連絡先」欄について
「現住所以外に〜」の欄は、住所だけでなく、電話番号の欄がセットになっていることもあります。
電話番号
履歴書の様式によっては、「電話番号」欄(主に固定電話を想定)と、「携帯電話」欄が分かれている場合があります。
現在、固定電話(イエデン)を持っていない方は非常に多いため、その場合は「電話番号」欄には**「なし」と記載し、「携帯電話」欄にご自身の番号(例:090-XXXX-XXXX)を記載すれば、全く問題ありません。日中に最も連絡がつきやすい、確実な番号を記載することが最優先です。
もし、現住所の電話番号と、連絡先の電話番号が同じ場合は、住所と同様に「同上」**と記載して問題ありません。
Eメールアドレス
現代の転職活動において、企業からの連絡は「Eメール」で来るのが主流です。電話番号以上に、正確な記載が求められます。
「.(ドット)」と「,(カンマ)」、「-(ハイフン)」と「_(アンダーバー)」など、一文字でも間違えると、企業からの大切な連絡が一切届かなくなってしまいます。
必ず、提出前に何度も見直しましょう。
5. 結論。「同上」の一言が、あなたの「丁寧さ」を伝える
履歴書の「連絡先」欄(現住所以外に連絡を希望する場合のみ記入)は、ほとんどの応募者にとっては「現住所」と同じであり、「同上」と記載する項目です。
「空欄」のまま提出して「注意不足」を疑われるリスクを避け、「同上」と一言、丁寧に記載すること。
その小さな配慮と正確さが、採用担当者に「この人は、細部まで気を配れる丁寧な仕事をする人だ」という信頼感を与える、最初の一歩となります。





