Excel履歴書で「写真がずれる」。絶対にずれない貼り付け方と正しい設定
転職活動(中途採用)において、履歴書をパソコン(PC)の「エクセル(Excel)」で作成するのは、テンプレート(雛形)も多く、非常に一般的な方法です。
しかし、多くの応募者がつまずく「最大の壁」の一つが、**「証明写真のデータ貼り付け」**です。
「枠内にうまく収まらない」
「志望動機などを入力したら、写真の位置がずれる」
「印刷したら、写真が枠からずれてしまった」
こうした「写真がずれる」というトラブルは、採用担当者にとって非常に読みにくい書類となるだけでなく、「この応募者は、基本的なPCスキル(Excel操作)が不足しているのでは?」「準備が雑だ」といった、致命的なマイナスイメージを与えかねません。
ここでは、Excelで履歴書を作成する際に、写真がずれる原因と、それを防ぐための正しい設定・貼り付け方、そして提出時の必須マナーについて詳しく解説します。
1. なぜExcelの写真は「ずれる」のか?(原因)
まず、なぜExcelでは写真がずれるのか、その原因を知っておきましょう。
Excelは「表計算ソフト」であり、デフォルト(初期設定)では、挿入された画像(写真)は**「セル(マス目)」**に関連付けられて(アンカーされて)います。
そのため、写真が関連付けられているセルの「上」の行を挿入・削除したり、あるいは「左」の列の幅を変更したりすると、写真もそのセルの動きに「連動」して、一緒にずれてしまうのです。
また、他のセルの文字入力によって行の高さが自動調整された場合も、同様に写真の位置がずれる原因となります。
2. 【最重要】Excelで写真が「ずれない」ようにする正しい設定(対処法)
この「ズレ」は、写真の設定(プロパティ)を一つ変えるだけで、簡単に解決できます。
それは、写真の「セルとの関連付け」を切り離し、**「セルに合わせて移動やサイズ変更をしない」**設定に変更することです。
ステップ1:写真を「挿入」する
まず、証明写真の画像データ(スーツ着用・清潔感のあるもの)を準備します。
Excelのメニュー「挿入」タブから「画像」を選び、履歴書ファイル内に写真を挿入します。(この時点では、写真がどこに挿入されても、大きくても構いません)
ステップ2:「図の書式設定」を開く
挿入した写真の上で、**「右クリック」**します。
表示されたメニューの中から、「図の書式設定」(または「サイズとプロパティ」)を選択します。
(※Excelのバージョンによって名称が異なる場合があります)
ステップ3:「プロパティ」の設定を変更する(最重要ポイント)
画面の右側(または別ウィンドウ)に「図の書式設定」メニューが表示されます。
「サイズとプロパティ」(または「プロパティ」)のタブを開くと、通常、以下の3つの選択肢があります。
- (1)セルに合わせて移動やサイズ変更をする (← デフォルト。これが「ずれる」原因)
- (2)セルに合わせて移動するが、サイズ変更はしない
- (3)セルに合わせて移動やサイズ変更をしない (← これを選ぶ)
ここで、迷わず(3)の**「セルに合わせて移動やサイズ変更をしない」**を選択します。
ステップ4:位置とサイズを調整する
この設定(3)に変更した瞬間に、あなたの写真はセルとは関係なく、ページ上で「自由」に動かせるようになります。
ドラッグして写真枠の左上に合わせ、写真の角(すみ)をドラッグして、枠内にぴったり収まるようサイズを調整します。
これで、あなたが他のセル(志望動機、職歴など)にどれだけ文字を入力・修正しても、写真はその場に「固定」され、二度とずれることはありません。
3. 「写真がずれる」のを防ぐ、もう一つの「提出マナー」
Excelで完璧なレイアウトの履歴書が完成しても、まだ安心ではありません。
「Excelファイルのまま提出する」ことにも、大きな「ズレ」のリスクが潜んでいます。
NG:Excelファイル(.xlsx)のまま提出する
せっかく完璧にレイアウトしても、作成したExcelファイル(.xlsx や .xls)のままメール添付などで送付するのは、ビジネスマナー違反です。
(なぜNGか)
採用担当者が使用しているPCの環境(Excelのバージョン違い、MacかWindowsか、フォントの有無)によっては、あなたのPCで見ていたレイアウトと異なって表示され、結局レイアウトが崩れて(ずれて)しまうリスクが非常に高いからです。
また、内容が簡単に編集(改ざん)できてしまう点も、公的書類としては不適切です。
4. 「ズレ」を防ぐための最終マナー:「PDF化」
この致命的なミスを防ぐため、Excelで履歴書が完成したら、必ず**「PDF形式」**に変換(エクスポート)して提出する必要があります。
PDFファイルは、どのような環境でも作成時のレイアウト(写真の位置)のまま表示でき、編集も困難なため、応募書類の提出形式として「必須」のマナーとなっています。
エクセルからPDFへの「変換方法」
Excelソフトには、標準でPDFとして保存する機能があります。
メニューの「ファイル」から「エクスポート」、「PDF/XPSドキュメントの作成」を選ぶか、「名前を付けて保存」でファイルの種類として「PDF」を選択すれば、簡単に変換できます。
ファイル名にも配慮を
PDF化したデータのファイル名も重要です。「履歴書.pdf」や「名称未設定.pdf」では不親切です。
「履歴書(氏名)_20251108.pdf」「履歴書_山田太郎.pdf」
このように、「何の書類か」「誰の書類か」が一目で分かるファイル名に変更することが、社会人としての最後の配慮です。
5. 結論。Excelの「ズレ」は「プロパティ設定」と「PDF化」で防ぐ
Excelで履歴書の写真がずれる問題は、写真の「プロパティ」設定(「セルに合わせて移動やサイズ変更をしない」)で簡単に解決できます。
しかし、採用担当者に「ズレ」のない完璧な書類を届けるためには、最終的に**「PDF形式」**で提出することが絶対のルールです。
こうしたPCの基本操作とビジネスマナーを守ることが、あなたの「仕事の丁寧さ」や「PCスキル」を伝える、最初のアピールに繋がります。





