履歴書をエクセルで作成する方法。メリットと注意点を解説
現代の転職活動において、応募書類である履歴書をパソコンで作成することは、もはや標準的な手法となっています。使用するソフトウェアとして、ワード(Word)と並んで多くの方が利用するのが、エクセル(Excel)です。表計算ソフトであるエクセルが、なぜ履歴書作成に用いられるのか、その理由や具体的な作成方法、そして提出時の注意点について、詳しく解説いたします。
エクセルで履歴書を作成する利点とは
エクセルが履歴書作成に選ばれる理由の一つは、その操作性にあります。エクセルはセル(マス目)単位で構成されているため、氏名や住所、学歴・職歴といった項目を、あらかじめ決められた枠の中に正確に入力しやすいという特徴があります。特にJIS規格のような枠線が多いフォーマットの場合、ワードのように文章の折り返しによって全体のレイアウトが大きく崩れてしまう心配が少ない点は、大きな利点と言えるでしょう。また、修正や加筆が容易であるため、一度基本情報を作成しておけば、応募先ごとに志望動機などを効率的に修正し、複数の応募書類を準備することができます。
履歴書作成に適したエクセルテンプレートの入手方法
履歴書をエクセルで一から作成するのは、枠線の設定やセルの結合など、非常に手間がかかる作業です。そのため、一般的にはインターネット上で無料で配布されている「履歴書テンプレート」を利用します。転職情報サイトや、ビジネス書式のテンプレートサイトなどでは、様々な種類のエクセル形式の履歴書が提供されています。JIS規格の標準的なものから、転職者向けに職歴欄や自己PR欄が広めに取られているもの、A4サイズやB5サイズのものまで多様です。ご自身の経歴やアピールしたい内容に合わせて、使いやすいテンプレートを選ぶと良いでしょう。
エクセルで履歴書に入力する際の注意点
エクセルのテンプレートを使用する際、いくつか注意すべき点があります。まず、セル内に文字を打ち込むと、文字が枠内に収まらずに隠れてしまったり、隣のセルにはみ出してしまったりすることがあります。その場合は、セルの書式設定で「折り返して全体を表示する」を選択したり、行の高さを調整したりする必要があります。また、日付(和暦・西暦)や学歴・職歴の表記は、書類全体で統一感を持たせることが重要です。テンプレートによっては、日付などを自動計算する関数が設定されている場合もあるため、誤って数式を削除しないよう注意も必要です。
顔写真データの挿入方法
パソコンで作成した履歴書には、顔写真のデータを挿入します。エクセルのメニューから「挿入」を選び、「画像」を選択してご自身の写真データ(JPEGやPNG形式など)をシート上に配置します。配置した写真は、サイズや縦横比が崩れないように注意しながら、履歴書の写真貼付欄の枠線にぴったりと収まるように調整します。写真が枠線からはみ出したり、逆に小さすぎたりすると、雑な印象を与えかねないため、丁寧な調整が求められます。
印刷する際のレイアウト確認
エクセルで作成した履歴書を紙に印刷して提出する場合、印刷前のプレビュー確認が不可欠です。エクセルは元々、印刷ページという概念が希薄なため、意図せず1枚目が中途半端な位置で切れ、2枚目に内容がずれてしまうことがあります。「印刷プレビュー」機能や「改ページプレビュー」機能を使い、ご自身が意図した通り(例えば、A4用紙2枚にきれいに収まるように)印刷範囲が設定されているかを必ず確認してください。また、印刷時は「片面印刷」がビジネスマナーの基本です。
Web提出の基本。PDF形式への変換
エクセルで作成した履歴書を、メール添付や応募フォームからWeb提出する場合、最も重要な注意点があります。それは、エクセルファイル(拡張子が.xlsxなど)のまま提出してはならない、ということです。受け取った企業のパソコン環境によっては、レイアウトが崩れて表示されたり、そもそもファイルを開けなかったりする可能性があります。また、内容が容易に改変できてしまう点も問題です。作成した履歴書は、必ず「PDF形式」に変換してから提出してください。エクセルの「名前を付けて保存」機能や「エクスポート」機能から、簡単にPDFとして保存することが可能です。
エクセル作成はワード作成とどちらが良いか
履歴書作成ツールとして、エクセルとワードのどちらが優れているかについては、一概には言えません。前述の通り、エクセルは枠線内のレイアウトが安定しやすい利点があります。一方で、ワードは自己PRや志望動機など、文章量が多い項目を自由に記述・編集しやすいという利点があります。どちらのツールを使っても、最終的に採用担当者が読みやすく、ご自身の経歴が正確に伝わる書類が作成できれば問題ありません。ご自身が最も使い慣れている、あるいは作成しやすいと感じるツールを選ぶと良いでしょう。
まとめ。ツールを活用し読みやすい書類を
エクセルは、履歴書を効率的かつきれいに作成するための強力なツールの一つです。特にテンプレートを活用することで、作成にかかる時間を大幅に短縮できます。しかし、どれほど便利なツールを使っても、最終的に評価されるのはその中身です。誤字脱字はないか、日付や名称は正確か、そして何より、ご自身の経験や熱意が伝わる内容になっているか、という点を重視してください。エクセルを賢く活用し、採用担当者にとって読みやすい、丁寧な応募書類を作成しましょう。





