履歴書の送り状(添え状)の書き方と例文集|採用担当者に好印象を与えるマナー
転職活動で履歴書や職務経歴書を郵送する際、必ず同封すべきなのが「送り状(添え状・送付状)」です。
「ただの表紙でしょ?」と軽視されがちですが、送り状は採用担当者が最初に目にする書類であり、あなたのビジネスマナーや志望度を伝える重要な役割を持っています。
ここでは、書類選考の通過率を少しでも高めるための、正しい送り状の書き方と、状況別にそのまま使える例文を紹介します。
履歴書の送り状(添え状)はなぜ必要?
送り状には、大きく分けて2つの役割があります。
- 「誰が・誰に・何を・何のために」送ったかを明らかにするビジネス文書における表紙の役割です。封筒を開けた際、挨拶もなしにいきなり履歴書が入っているよりも、丁寧な案内状が一枚あるだけで「礼儀正しい人だ」という第一印象を与えることができます。
- 書類だけでは伝わらない「熱意」や「補足」を添える定型的な挨拶だけでなく、簡単な自己PRや志望動機を書き添えることで、本編である履歴書を読む前の「導入」として機能し、採用担当者の関心を惹きつけることができます。
送り状作成の基本マナー
まずは作成における基本的なルールを押さえましょう。
- サイズ: A4サイズ(履歴書や職務経歴書と同じサイズに合わせる)。
- 作成方法: パソコン(横書き)での作成が一般的です。手書きの履歴書であっても、送り状はPC作成で問題ありません(読みやすさを優先するため)。
- 枚数: 1枚に収めます。長すぎると読む負担になるため、要点を絞ります。
- 一番上に重ねる: クリアファイルに入れる際、一番上(最初に見える位置)に配置します。
【状況別】履歴書の送り状 例文テンプレート
ここからは、具体的な例文を紹介します。Wordなどで作成する際の参考にしてください。
1. 基本の送り状(スタンダード)
どのような企業・職種にも使える、失礼のない標準的な構成です。
202X年〇月〇日
株式会社〇〇
人事部 採用担当者様
(※担当者名がわかる場合は「採用担当 〇〇様」)
〒000-0000
〇〇県〇〇市〇〇区1-2-3
氏名
電話番号:090-0000-0000
メール:example@email.com
選考応募書類の送付につきまして
拝啓
〇〇の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、貴社の求人情報を拝見し、〇〇職に応募したく、下記の通り応募書類を送付いたします。
私はこれまで〇年間、〇〇職として〇〇業務に従事してまいりました。前職で培った〇〇の経験を活かし、貴社の事業拡大に貢献したいと強く志望しております。
ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、ぜひ面接の機会をいただけますと幸いです。
ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
【同封書類】
- 履歴書 1通
- 職務経歴書 1通
以上
2. 自己PRを添えた送り状(アピール型)
「ひとこと」加えることで、他の応募者との差別化を図るパターンです。
(前略:宛名・日付・氏名等は上記と同じ)
選考応募書類の送付につきまして
拝啓
(時候の挨拶)。
この度、貴社の「〇〇(企業理念や事業内容など)」という姿勢に深く共感し、〇〇職に応募したく、応募書類を送付いたします。
私は前職におきまして、〇〇の営業職として〇〇の実績を上げてまいりました。特に新規開拓における粘り強い交渉力には自信がございます。
貴社におかれましても、即戦力として貢献できるものと確信しており、ぜひ一度面接にて詳細をお話しさせていただければ幸いです。
ご多忙の折、お手数をおかけいたしますが、ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
(後略:記書き部分は同じ)
よくある質問と注意点
Q. 面接で「手渡し」する場合、送り状は必要?
A. 不要です。
面接官に直接手渡す場合は、口頭で挨拶ができるため送り状は必要ありません。封筒から書類(クリアファイルごと)を出して、封筒の上に重ねて渡すのがマナーです。もし受付で預ける場合は、封筒に入れたまま渡します。
Q. 「メール」で送る場合の送り状は?
A. メール本文が送り状の役割を果たします。
メール添付で送る場合、別途Wordなどで送り状ファイルを作る必要はありません。メールの本文に「宛名」「挨拶」「添付ファイルの内容」「結びの言葉」を記載すればOKです。
Q. 手書きで書いてもいい?
A. 可能ですが、PC作成が推奨されます。
どうしても手書きの熱意を伝えたい場合を除き、ビジネス文書としての見やすさからPC作成が一般的です。手書きにする場合は、白無地の便箋に黒ボールペンで丁寧に書きましょう(縦書き・横書きどちらでも可ですが、横書きが主流です)。
まとめ:送り状は「気配り」の証
履歴書の送り状は、採用の可否を直接決めるものではありません。しかし、丁寧に作られた送り状は「仕事も丁寧にしてくれそうだ」というポジティブな予感を採用担当者に与えます。
たった一枚の紙ですが、そこにはあなたのビジネスマナーと「会ってほしい」という熱意が込められています。今回紹介した例文を参考に、あなたらしい一枚を作成し、書類選考突破の可能性を広げてください。





