AIを活用した履歴書の志望動機作成術!採用されるための修正・活用テクニックと例文
転職活動において、履歴書の「志望動機」は採用担当者が最も注目する項目の一つです。しかし、「何を書けばいいのか思いつかない」「文章をまとめるのが苦手」と悩み、作成に時間がかかってしまう方は少なくありません。
そこで近年注目されているのが、ChatGPTなどの「AI(生成AI)」を活用した志望動機の作成です。AIをうまく活用すれば、作成時間を大幅に短縮し、論理的な文章を作ることが可能です。ただし、AIが書いた文章をそのままコピペするだけでは、熱意が伝わらず不採用になるリスクも潜んでいます。
ここでは、AIを使って効率的に志望動機の土台を作り、そこから「採用される志望動機」へとブラッシュアップするための具体的な手順と例文を紹介します。
AIは「たたき台作成」の最強ツール
まず理解しておくべきなのは、AIは「完成品」を作るツールではなく、「80点のたたき台」を作るツールであるということです。
AIは文章構成や一般的なビジネスマナーには長けていますが、あなただけの「実体験」や「感情」、そして応募企業への「本気度」までは理解していません。AIが出力した文章は、綺麗ですが「誰にでも当てはまる無難な内容」になりがちです。
したがって、賢い使い方は以下の通りです。
- AIに構成と下書きを作らせる(時短)
- 人間(あなた)が具体的なエピソードと熱意を注入する(差別化)
このプロセスを経ることで、短時間で質の高い志望動機が完成します。
AIへの指示(プロンプト)の出し方
AIから良い回答を引き出すには、指示の出し方(プロンプト)が重要です。以下の要素を含めて指示を出すと、より精度の高い例文が生成されます。
- 応募する職種・企業の特徴(例:IT企業の営業職、顧客第一主義)
- 自分の経歴・強み(例:接客業で培ったヒアリング能力)
- 転職の理由・目的(例:より専門的なスキルを身につけたい)
- 文字数(例:200文字~300文字程度)
コピペで使えるプロンプト例
以下のテキストをコピーし、AIチャットツールに入力して使用してください。
Plaintext
あなたはプロのキャリアアドバイザーです。
以下の情報を元に、履歴書に記載する「志望動機」の例文を作成してください。
【応募企業の情報】
・業種:食品メーカーのルート営業
・特徴:地域密着、既存顧客との信頼関係を重視
【私の情報】
・現職:アパレル販売員(経験3年)
・強み:初対面のお客様ともすぐに打ち解けるコミュニケーション能力、顧客ニーズを汲み取る傾聴力
・志望理由:販売だけでなく、長く顧客と関わり信頼関係を築く仕事がしたい
【条件】
・文字数は250文字程度
・「です・ます」調の丁寧なビジネス文書
・ポジティブで熱意が伝わる内容
【実践】AI作成文を「採用される文章」に直すビフォーアフター
AIが出力した文章を、どのように修正すればよいのか。具体的な修正事例を紹介します。
ケース1:未経験から営業職へ転職する場合
【AIが作成した文章(Before)】
貴社の地域密着でお客様との信頼関係を重視する姿勢に魅力を感じ、志望いたしました。私は現職のアパレル販売員として3年間勤務し、コミュニケーション能力や傾聴力を磨いてまいりました。お客様のニーズを汲み取ることは得意です。販売職で培ったスキルを活かし、貴社のルート営業としてお客様に寄り添った提案を行い、地域社会に貢献したいと考えております。
【修正のポイント】
文章は整っていますが、「ありがちな内容」で具体性に欠けます。「どのような工夫をしたか」「なぜその会社なのか」という独自性を加えます。
【人間が修正した文章(After)】
貴社の「商品を売るのではなく信頼を売る」という地域密着の営業方針に深く共感し、志望いたしました。
現職のアパレル販売では、単に流行を勧めるのではなく、お客様のライフスタイルを深くヒアリングする接客を徹底し、店舗内で個人の指名客数1位を獲得しました。しかし、店頭での一時的な関わりではなく、一人のお客様と長く深い信頼関係を築きたいという思いが強くなり、ルート営業職への転身を決意しました。販売職で培った「相手の懐に入る力」を活かし、貴社のファンを増やす営業として貢献したいと考えております。
ケース2:事務職経験者がスキルアップを目指す場合
【AIが作成した文章(Before)】
私はこれまで一般事務として、データ入力や電話応対などの業務に従事してまいりました。正確な事務処理能力には自信があります。貴社はDX推進に力を入れており、効率的な業務環境が整っている点に惹かれました。これまでの経験を活かしつつ、新しいシステムにも柔軟に対応し、貴社のバックオフィス業務を支える即戦力として貢献したいと考え、志望いたしました。
【修正のポイント】
「DX推進に力を入れているから」だけでは、「楽をしたいのか?」と誤解される恐れがあります。「効率化によって何を実現したいか」という貢献意欲を加えます。
【人間が修正した文章(After)】
貴社が掲げる「バックオフィスのDX化により、社員が創造的な業務に集中できる環境を作る」というビジョンに強く惹かれ、志望いたしました。
現職では一般事務として正確な業務遂行を心がけるとともに、Excelのマクロを活用した集計業務の自動化を提案し、部署全体の残業時間を月10時間削減しました。この経験から、事務職こそが会社の生産性を高める鍵であると実感しています。貴社においても、単なる事務処理にとどまらず、業務フローの改善や効率化を能動的に推進できる事務職として貢献したいと考えております。
AI使用時の注意点とバレないための工夫
AIを活用する際は、以下の点に注意してください。
1. 嘘の情報が含まれていないか確認する
AIは時折、事実とは異なる内容(ハルシネーション)を生成することがあります。生成された文章が自分の経歴や事実と合致しているか必ず確認してください。
2. 「てにをは」や語尾を調整する
AIの文章は「~いたしました」「~考えます」といった語尾が単調になりがちです。リズムを整え、自分の話し言葉に近いニュアンスに修正することで、機械的な印象を消すことができます。
3. 固有名詞を入れる
AIは具体的な企業名や独自の商品名を知らない場合があります。「貴社」を具体的な企業名に変えたり、その会社独自の取り組みや理念を盛り込んだりすることで、「この会社のために書いた」というオリジナル性が生まれます。
まとめ
履歴書の志望動機作成において、AIは非常に頼りになるアシスタントです。しかし、最終的な採用の決め手となるのは、あなたの言葉に宿る「熱意」と「具体性」です。
- AIで**「構成」と「土台」**を作る。
- 人間が**「具体的なエピソード」と「企業への想い」**を加筆する。
この手順で作成すれば、効率的かつ採用担当者の心に響く志望動機が完成します。AIを賢く使いこなし、自信を持って提出できる履歴書を作成してください。





