履歴書の「家業手伝い」はどう書く?職歴になる基準と好印象な書き方・アピール術
実家の仕事や親族が経営する会社を手伝っていた期間がある場合、履歴書にそれをどう書くべきか悩む方は少なくありません。「正式な職歴として認められるのか」「ブランク(空白期間)扱いになってしまわないか」という不安は、正しい書き方を知ることで解消できます。
実は、家業手伝いの経験は、書き方次第で立派なアピール材料になります。経理や接客、現場作業など、実務能力が身についていることを証明できれば、即戦力として評価される可能性も十分にあります。
ここでは、家業手伝いを履歴書に記載する際の判断基準や、法人・個人事業などのケース別書き方、そして採用担当者に好印象を与えるアピール術について詳しく解説します。
家業手伝いは履歴書の「職歴」に書いてもいい?
まず、家業手伝いを「職歴」として履歴書に記載すべきかどうかの判断基準を確認しましょう。
1. 給与が発生し、定常的に働いていた場合
フルタイムやそれに近い時間数で勤務し、給与を受け取っていた場合は、立派な「職歴」として記載できます。社会保険に加入していた場合は特に、通常の会社員経験と同様に扱われます。
2. 無給、または単発の手伝いだった場合
お小遣い程度や、繁忙期だけのスポット的な手伝いだった場合は、原則として職歴欄には書きません。この期間は「空白期間」となりますが、面接で聞かれた際や自己PR欄で「家業の手伝いをしておりました」と補足説明することで、ニートや遊んでいたわけではないことを伝えるのが賢明です。
【ケース別】履歴書職歴欄への正しい書き方と例文
家業の形態(法人か個人事業か)によって、使用する用語が異なります。「入社」と書くべきか、「従事」と書くべきか、正しいルールを押さえましょう。
ケース1:家業が「法人化(株式会社など)」されている場合
実家が会社組織(法人)である場合は、一般的な企業と同じく**「入社」「退社」**を使用します。家族経営であっても、雇用契約を結んでいる形になるためです。
【記入例】
令和〇年 4月 株式会社〇〇(家業) 入社
総務部にて経理事務および給与計算を担当
令和〇年 3月 一身上の都合により退社
※カッコ書きで「(家業)」と添えると、採用担当者に対して事情が伝わりやすく親切です。
ケース2:家業が「個人事業主(自営業)」の場合
実家が法人化されていない個人商店や農家などの場合は、「入社」ではなく**「従事」という言葉を使います。退職時は「退社」ではなく「退職」**を使います。
【記入例】
令和〇年 4月 家業(青果店)に従事
店舗での接客販売、仕入れ管理、配達業務を担当
令和〇年 3月 一身上の都合により退職
※「○○商店 入社」と書くと法人と誤解される可能性があるため、「家業(屋号)に従事」とするのが最も適切です。
ケース3:現在も手伝っている場合
現在も家業を手伝いながら転職活動をしている場合は、**「現在に至る」**と記載します。
【記入例】
令和〇年 4月 家業(農業)に従事
生産管理およびオンライン販売の運営を担当
現在に至る
家業手伝いの経験を「強み」に変えるアピール術
「家業を手伝っていた」という事実は、書き方ひとつで「甘えていた期間」ではなく「経営者視点を持って働いた期間」としてアピールできます。
1. 具体的な業務内容と役割を明記する
単に「手伝い」と書くと、雑用しかしていないような印象を与えてしまいます。
「経理担当として月次決算を行っていた」「店舗責任者としてアルバイトのシフト管理をしていた」など、具体的な役割を履歴書の職歴欄や職務経歴書に記載しましょう。
2. 「数字」で実績を示す
ビジネスとしての成果を数字で示せると、評価は格段に上がります。
- 「新規顧客開拓を行い、売上を前年比120%に伸ばした」
- 「仕入れルートを見直し、コストを10%削減した」
- 「ECサイトを立ち上げ、月間〇〇万円の売上を作った」
家族経営だからこそ任された裁量の大きさを活かし、主体的に動いた実績をアピールしてください。
3. 外部への転職理由をポジティブに伝える
家業を辞めて外の企業へ転職する理由は、必ず聞かれるポイントです。
「外の世界を見てみたい」「より大きな組織で自分の力を試したい」「家業ではできない〇〇というスキルを身につけたい」といった、前向きで明確なキャリアビジョンを伝えることが大切です。
「家事手伝い」との混同に注意
履歴書に書く際、**「家業手伝い」と「家事手伝い」**を混同しないように注意しましょう。
- 家業手伝い: 実家の「事業(商売)」を手伝うこと。職歴としてアピール可能。
- 家事手伝い: 家事(炊事・洗濯など)を行うこと。職歴にはなりません。
「家事手伝い」と書いてしまうと、「働いていなかった期間」と判断されてしまいます。商売を手伝っていたのであれば、必ず「家業に従事」と記載してください。
まとめ
家業手伝いの期間は、決して隠すべきマイナス要素ではありません。法人なら「入社」、個人事業なら「従事」と正しく記載し、そこで培った実務経験や責任感を具体的に伝えることで、他にはない強みとしてアピールできます。
採用担当者は「どのような環境で、何をしてきたか」を知りたがっています。自信を持って経験を伝え、次のキャリアへのステップアップにつなげてください。





