「特技なんてない」と諦めないで。看護師の履歴書で“キラリと光る”特技欄の書き方と例文集
「志望動機や自己PRは何とか書けたけれど、履歴書の『特技』の欄でペンが止まってしまった」
「ピアノも弾けないし、英会話もできない。私には特技なんて何もない……」
履歴書や職務経歴書の作成において、意外と多くの看護師さんを悩ませるのが、この小さな**「特技(趣味・特技)」**の欄です。
「空欄はダメだと言われるけれど、寝ることくらいしか書くことがない」と嘆く方も少なくありません。
しかし、採用担当者はここで、あなたの芸術的才能やスポーツの実績を見たいわけではありません。
彼らが見たいのは、あなたの**「人柄」や、看護師として働く上で役立つ「意外な一面」**なのです。
本記事では、「書くことがない」と悩む看護師さんのために、採用担当者の目に留まる特技の見つけ方と、それをアピールに変える魔法の書き方を紹介します。
1.そもそも、なぜ採用担当者は「特技」を聞くのか?
面接官や採用担当者が特技欄を見る理由は、主に以下の3つです。これを理解すれば、何を書くべきかが見えてきます。
- アイスブレイク(緊張ほぐし)のネタ
- 面接の冒頭で「へぇ、〇〇が得意なんですね」と雑談を振り、あなたの緊張をほぐすきっかけにします。
- 人柄や性格の深掘り
- 「ずっと野球をやっていた=根性がありそう」「書道が得意=丁寧な仕事をしそう」といった連想から、あなたの性格をイメージします。
- ギャップや意外性
- 真面目そうな人が「特技:阿波踊り」と書いてあれば、「明るい一面もあるんだな」と興味を持ちます。
つまり、立派な実績である必要はありません。**「面接で話が盛り上がる」「看護師の仕事にポジティブな印象を与える」**ものであれば、何でも正解なのです。
2.「特技」がない人はいない! 使えるネタの探し方と例文
「特技」と大げさに考えず、「人より少しだけ得意なこと」「苦なく続けられること」と考えてみましょう。看護師の仕事にリンクさせやすい3つのカテゴリーから探します。
カテゴリー①:体力・健康系(アピール効果:◎)
看護師は体力勝負。スポーツや健康管理に関することは、それだけで「タフさ」の証明になります。
- 早起き
- 「朝に強く、遅刻をしたことがありません。日勤の早出もスムーズに対応できます。」
- ランニング・ウォーキング
- 「休日は5km走っています。夜勤明けでも疲れを残さない体力には自信があります。」
- どこでも寝られる
- 「環境が変わってもすぐに眠りにつけます。夜勤の仮眠休憩でもしっかり休息を取り、リフレッシュして業務に戻れます。」
カテゴリー②:手先・作業系(アピール効果:〇)
看護技術に通じる「器用さ」や「丁寧さ」をアピールできます。
- 料理(冷蔵庫の余り物で作る)
- 「ある材料で手早く料理を作ることが得意です。段取りを組んで複数の作業を同時に進める(マルチタスク)力は、看護業務にも活かせています。」
- 書道・ペン字
- 「小学生から続けており、丁寧な文字を書くことができます。カルテや申し送りノートなど、誰が見ても読みやすい記録を心がけます。」
- 整理整頓
- 「物品の整理や在庫管理が得意です。前職でも『ナースステーションが使いやすくなった』と褒められました。」
カテゴリー③:コミュニケーション・性格系(アピール効果:〇)
患者様との関わりや、チームワークの良さを連想させます。
- 人の顔と名前を覚えること
- 「一度お会いした患者様のお顔と名前はすぐに覚えます。お名前でお呼びすることで、信頼関係を築くきっかけにしています。」
- マッサージ
- 「家族によくマッサージをしていました。患者様の清拭やケアの際にも、『手が温かくて気持ちいい』と言っていただけることが多いです。」
- 笑顔・ポジティブ思考
- 「辛い時でも笑顔でいることが特技です。忙しい現場でも、チームの雰囲気を明るく保てるよう心がけています。」
3.ただ書くだけじゃ損! 「特技+ひとこと」の法則
履歴書の特技欄に、単に「料理」「ランニング」と単語だけ書くのはもったいないです。
カッコ書きや一文を添えて、**「なぜそれが得意なのか」「仕事にどう役立つか」**を補足しましょう。
【良い書き方の例】
特技:料理
(限られた時間で3品同時に作るなど、段取り良く作業を進めることが得意です)
特技:初対面の人とすぐ打ち解けること
(老若男女問わず会話を楽しむことができ、患者様の不安を和らげることができます)
特技:パソコンのブラインドタッチ
(看護記録やサマリー作成など、事務作業をスピーディーに行うことができます)
このように書くだけで、採用担当者は「なるほど、仕事ができそうな人だ」と勝手にプラスの評価をしてくれます。
4.これだけはNG! 書いてはいけない特技
いくら書くことがなくても、マイナス評価に直結するものは避けましょう。
- ギャンブル系(パチンコ・競馬など)
- 金銭トラブルを連想させるため、医療従事者としては不適切と判断されます。
- 「特になし」または空欄
- 「意欲がない」「書くのを面倒くさがった」と思われます。どうしても思いつかない場合は、「散歩(気分転換をして心身の健康を保っています)」など、無難なものを書きましょう。
- 嘘を書く
- 面接で「じゃあ、ここで少し披露してみて」と言われることは稀ですが、深掘りされた時に答えられないと不信感に繋がります。
5.まとめ:特技は、あなたを助ける「会話の種」
履歴書の「特技」欄は、あなたの能力を厳しく審査する場所ではありません。
面接という緊張感のある場で、採用担当者との距離を縮め、「私はこういう人間です」と親しみを持ってもらうためのツールです。
- 体力があるアピール
- 手先が器用なアピール
- 人当たりが良いアピール
このどれかに繋がりそうなものを、あなたの日常(料理、掃除、運動、睡眠など)から見つけてみてください。
「当たり前にやっていること」こそが、実は立派な「特技」であり、看護師としての強力な武器になるはずです。





