英語の職務経歴書(Resume)の書き方と職種別サンプル 採用担当者に響くアピール術
外資系企業や日系グローバル企業への転職を目指す際、最初の難関となるのが英語の職務経歴書(ResumeまたはCV)の作成です。日本語の職務経歴書を単に翻訳するだけでは、採用担当者の心には響きません。英語のレジュメには独自のルールや好まれる表現があり、それらを押さえているかどうかが書類選考の合否を大きく左右します。
ここでは、日本語の書類とは異なる英語レジュメの基本的な考え方から、そのまま使える職種別の例文、そして採用担当者に会ってみたいと思わせるための表現テクニックについて解説します。
英語レジュメと日本語の職務経歴書の違い
英語のレジュメを作成する前に、まず日本語の職務経歴書との決定的な違いを理解しておく必要があります。日本語の書類は経歴を網羅的に記した記録としての側面が強いですが、英語のレジュメは自分を売り込むための広告やパンフレットのような役割を果たします。
そのため、全ての経歴を均等に書くのではなく、応募するポジションに関連する経験やスキルを強調し、そうでない部分は簡潔に済ませるといった情報の取捨選択が重要になります。また、私は〇〇しましたという受動的な表現ではなく、〇〇を達成しましたという能動的な表現(アクション動詞)を用いるのが鉄則です。
英語レジュメの基本構成と必須項目
英語レジュメには決まったフォーマットはありませんが、一般的に採用担当者が見慣れている構成があります。以下の項目を順に配置することで、読みやすくプロフェッショナルな印象を与えることができます。
Header(ヘッダー)
最上部に氏名、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス)、LinkedInのURLなどを記載します。写真は基本的に不要です。
Objective または Summary(希望職種または職務要約)
ヘッダーの直下に、自身のキャリアの要約や、どのような貢献ができるかを3行から5行程度で記載します。採用担当者が最初に読む部分であり、ここで興味を持ってもらうことが重要です。
Work Experience(職務経歴)
メインとなるパートです。新しい経歴から過去に遡る逆年代順(Reverse Chronological Order)で記載します。会社名、所在地、在籍期間、役職、そして具体的な実績を箇条書きで記します。
Education(学歴)
最終学歴を記載します。学位、学校名、所在地、卒業年を記します。職歴が豊富な場合は、職歴の下に配置するのが一般的です。
Skills(スキル)
語学力、PCスキル、資格などを記載します。
成果を強調するアクション動詞の活用
英語レジュメでは、I was responsible for(~を担当しました)という表現ばかりを使うと、指示待ちの印象を与えてしまいます。文頭には必ずアクション動詞(Action Verbs)を使用し、自発的に行動して成果を出したことをアピールします。
マネジメント経験をアピールする動詞
Managed(管理した)、Led(導いた)、Supervised(監督した)、Established(設立した)
売上や成果をアピールする動詞
Achieved(達成した)、Increased(増加させた)、Generated(生み出した)、Exceeded(上回った)
効率化や改善をアピールする動詞
Improved(改善した)、Reduced(削減した)、Streamlined(合理化した)、Solved(解決した)
【職種別】英語職務経歴書の例文サンプル
ここでは、代表的な職種ごとに、そのまま参考にできる英語レジュメのWork Experience(職務経歴)パートの例文を紹介します。
営業職(Sales)の英語レジュメ例文
営業職の場合は、売上数字や達成率、新規開拓数などを具体的な数字で示すことが最も重要です。
Sales Manager
ABC Corporation, Tokyo, Japan
April 2018 – Present
Achieved 120% of annual sales targets for three consecutive years by developing strategic relationships with key clients.
Increased regional sales revenue by 15% ($2M) through the implementation of a new customer retention program.
Managed a team of 10 sales representatives, providing coaching and mentoring to improve team performance.
Expanded market share in the Kanto region by acquiring 20 new corporate accounts within the first year.
事務・アシスタント職(Administrative Assistant)の英語レジュメ例文
事務職の場合は、効率化への貢献やサポート業務の正確性、使用できるツールなどを具体的に記述します。
Administrative Assistant
XYZ Ltd., Tokyo, Japan
April 2020 – Present
Streamlined office operations by introducing a new digital filing system, reducing document retrieval time by 30%.
Supported 5 senior executives by managing calendars, arranging travel, and preparing meeting materials with high accuracy.
Processed over 200 invoices monthly using SAP, maintaining a zero-error record.
Coordinated internal events and meetings for up to 50 participants, ensuring smooth logistics and communication.
ITエンジニア(Software Engineer)の英語レジュメ例文
エンジニアの場合は、使用した言語や環境、開発したシステムの規模や成果を技術用語を用いて明確に伝えます。
Senior Software Engineer
Tech Solutions Inc., Tokyo, Japan
October 2019 – Present
Developed and maintained a high-traffic e-commerce platform using Java, Spring Boot, and React, serving over 1 million users.
Led a team of 5 developers in migrating legacy systems to AWS cloud infrastructure, reducing operational costs by 20%.
Implemented CI/CD pipelines using Jenkins and Docker, shortening the release cycle from 2 weeks to 3 days.
Identified and resolved critical bugs in the payment processing module, improving system stability and user trust.
読みやすいレジュメにするためのフォーマットルール
内容が素晴らしくても、レイアウトが見にくいと読んでもらえません。以下のルールを守って作成することをおすすめします。
フォントとサイズ
Times New Roman、Arial、Calibriなどの標準的なフォントを使用します。サイズは本文が10ポイントから12ポイント、見出しは14ポイントから16ポイント程度が読みやすいです。
箇条書き(Bullet Points)の活用
長い文章は避け、箇条書きを使って情報を整理します。1つの項目につき1行から2行程度に収めるのが理想的です。
日付の書き方
英語の日付表記は、月、年の順が一般的です(例:April 2023 または Apr 2023)。統一性を持たせることが大切です。
採用担当者の視点での最終チェック
書き上げたレジュメは、最後にネイティブチェックや第三者の目を通すことが望ましいですが、自分でも以下の視点で確認を行います。
スペルミスや文法ミスはないか
英語のレジュメでミスがあると、注意深さが足りない、英語力が低いと判断される原因になります。ツールのスペルチェック機能だけでなく、目視でも確認します。
数字で実績が示されているか
外資系企業は特に結果を重視します。形容詞で凄さを語るのではなく、数字で客観的な事実を伝えているかを確認します。
応募ポジションとの関連性は高いか
汎用的なレジュメを使い回すのではなく、応募するJob Description(職務記述書)にあるキーワードが盛り込まれているかを見直します。
英語の職務経歴書は、あなたのキャリアを世界基準で証明するプレゼンテーション資料です。謙遜することなく、実績とスキルを自信を持って表現し、グローバルなキャリアへの扉を開いてください。





