経験社数2社の職務経歴書はどう書く?キャリアの繋がりをアピールする書き方とポイント
2社の経験は「深さ」と「広さ」の両面からアピールできる強みです
転職活動において、これまでに2つの会社(現職を含む)で勤務した経験がある方の職務経歴書作成は、キャリアの「軸」をどのように見せるかが非常に重要になります。1社だけの経験者と比べると、異なる企業文化や業務フローを経験しているため、環境適応能力や広い視野を持っていることが強みとなります。一方で、転職回数が多い人と比べると、一つひとつの企業での在籍期間がある程度確保されていることが多く、実務経験の深さをアピールしやすいという利点もあります。
採用担当者は、2社の経歴を持つ応募者に対して「なぜ1社目を辞めて2社目を選んだのか」、そして「今回の転職(3社目)では何を求めているのか」というキャリアの一貫性を厳しくチェックします。2つの会社での経験がバラバラな点としてではなく、一本の線でつながった成長ストーリーとして伝わるように構成することが、書類選考を突破するための鍵となります。ここでは、2社分の経歴を効果的にまとめ、採用担当者に響く職務経歴書を作成するための書き方とテクニックについて解説します。
フォーマットは「編年体式」か「逆編年体式」がおすすめです
職務経歴書のフォーマットにはいくつかの種類がありますが、経験社数が2社の場合、時系列に沿って記述する「編年体式」、もしくは直近の職歴から過去に遡って記述する「逆編年体式」を選ぶのが基本です。経験社数がまだそれほど多くないため、業務内容ごとにまとめる「キャリア式」にしてしまうと、いつ、どこで、何をしていたかの時系列が見えにくくなり、採用担当者に余計なストレスを与えてしまうリスクがあるからです。
【編年体式(過去→現在)が向いているケース】
- 1社目と2社目の経験に関連性があり、積み上げてきたスキルの習熟度を見せたい場合
- 社会人としての基礎から順を追って成長プロセスをアピールしたい場合
【逆編年体式(現在→過去)が向いているケース】
- 直近の2社目での業務内容が、今回の応募職種と直結しており、即戦力性を強調したい場合
- 現在のマネジメント経験や高度なスキルを真っ先に目に留めてもらいたい場合
どちらの形式を選ぶにしても、2つの会社での経験が分断されたものではなく、連続性のあるキャリアであることを意識してレイアウトを整えることが大切です。
1社目と2社目の「共通点」を見つけてキャリアの軸を通す
2回の勤務経験がある場合、採用担当者が最も気にするのはキャリアの一貫性です。もし1社目が営業職、2社目が事務職、そして今回が企画職といったように、職種がバラバラに見える経歴であったとしても、職務経歴書の中でそれらを共通のスキルで結びつける作業が必要です。全く異なる業務に見えても、その根底には「顧客の課題解決」や「業務効率化への視点」、「チームワークの重視」といった共通項があるはずです。
職務経歴書の「職務要約」や「自己PR」の欄を活用し、「1社目では〇〇を学び、それを活かして2社目では××を経験しました。これら2社で培った△△という強みを、貴社での業務に統合して発揮したいと考えています」といったロジックを組み立てます。それぞれの会社で得たスキルが、今回の応募先で活躍するためのパーツであったと定義づけることで、転職回数が単なる回数ではなく、必要な経験を積むためのステップであったと納得させることができます。
異業種への転職など職種が異なる場合の書き方の工夫
1社目と2社目で業種や職種が異なる場合、それぞれの会社での記述の比重を調整することがポイントです。今回の応募職種に近い経験をした会社の方を重点的に詳しく書き、そうでない方の記述は少し簡潔にするなど、メリハリをつけることで読みやすさが向上します。
例えば、今回の応募が「営業職」で、1社目が「販売」、2社目が「営業」だった場合、2社目の営業実績を詳細に書くのはもちろんですが、1社目の販売経験についても「顧客ニーズのヒアリング」や「提案力」といった営業に通じる要素をピックアップして記載します。異なる環境であっても、一貫して磨いてきたポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)があることを強調することで、どのような環境でも成果を出せる人材であることを証明できます。
退職理由と志望動機の整合性を図りストーリーを作る
経験社数が2社ある場合、過去の転職理由と今回の志望動機に矛盾がないかを確認することが不可欠です。1回目の転職理由が「より専門性を高めるため」であり、今回の転職理由が「その専門性をより広いフィールドで発揮するため」であれば、一貫したキャリアアップのストーリーとして受け入れられます。
職務経歴書の中で、それぞれの会社で達成したことと、そこで感じた新たな課題(次の転職へのきっかけ)を前向きな言葉で記述することで、「逃げの転職」ではなく「攻めの転職」であることを印象づけてください。特に「自己PR」欄では、2つの会社を経験したからこそ得られた比較の視点や、環境適応能力の高さをアピール材料に加えると効果的です。
レイアウトは見やすさを重視しA4用紙2枚にまとめる
経験社数が2社の場合、職務経歴書の分量はA4用紙2枚程度に収めるのが最もバランスが良く、読みやすいボリュームとなります。1枚では情報不足に映り、3枚以上だと冗長に感じられることが多いからです。
各会社のブロックごとに、「事業内容」「資本金」「従業員数」などの企業概要を記載し、その下に「配属部署」「役職」「担当業務」「実績」を記載します。社名が変わるごとの区切りを明確にし、パッと見ただけでキャリアの変遷が分かるように見出しや罫線を活用してください。2社の経験を整理し、それぞれの強みを掛け合わせることで、あなただけの独自性のあるキャリアを表現し、書類選考を突破してください。





