保育士の職務経歴書を簡単に作成するための書き方とポイント

職務経歴書はテンプレートを活用すれば簡単に作成できます

保育士の転職活動において、履歴書と並んで提出を求められる職務経歴書ですが、一から文章を考えて作成するのは非常に手間と時間がかかります。日々の保育業務や持ち帰り仕事で忙しい保育士にとって、書類作成に多くの時間を割くことは難しいのが現状です。そこで推奨したいのが、インターネット上で無料でダウンロードできる職務経歴書のテンプレート（フォーマット）を活用する方法です。

テンプレートを使用すれば、あらかじめ必要な項目やレイアウトが整えられているため、自分の経歴やアピールポイントを「穴埋め」していくだけで、見栄えの良い書類が完成します。保育士専用のテンプレートであれば、担当クラスや園児数、得意な遊びなどを記入する欄が設けられていることもあり、何を書けばよいか迷う時間を大幅に短縮できます。一から構成を考えるのではなく、既存の枠組みを有効活用することが、職務経歴書を最も簡単かつ効率的に作成する第一歩となります。

必須項目を絞り込んで効率的に埋めていく手順

職務経歴書を簡単に仕上げるためには、記載する情報をあれもこれもと欲張らず、採用担当者が知りたい「必須項目」に絞り込むことが大切です。まずは、これまでの勤務先（園名・運営法人名）と在籍期間、雇用形態といった基本情報を時系列順に並べます。

次に、それぞれの園での業務内容を記載しますが、ここでは長々と文章を書く必要はありません。担当していたクラスの年齢（0歳児、2歳児など）、クラスの定員数、リーダーや行事担当などの役割といった事実を端的に記載します。これらの情報は、採用担当者があなたの保育士としての基礎能力や経験値を判断するための材料となります。複雑なエピソードを書こうとして手が止まってしまうよりも、まずはこれらの事実情報を正確に埋めていくことで、書類の骨組みを素早く完成させることができます。

保育士としての経験を数値で表すと簡単に伝わります

文章を書くのが苦手な方でも、職務経歴書の内容を充実させる簡単なテクニックがあります。それは「数字」を使うことです。抽象的な表現で頑張りを伝えようとすると文章力が問われますが、数字という客観的な事実であれば、誰でも簡単に、かつ説得力を持って実績を伝えることができます。

例えば、「多くの園児を担当しました」と書くのではなく、「定員120名の園で、2歳児クラス18名の担任を務めました」と記載します。また、「行事の運営を頑張りました」ではなく、「運動会の進行係として、全園児100名と保護者200名の誘導を担当しました」と書くことで、規模感や対応力が具体的に伝わります。数字を入れるだけで、文章を飾り立てなくてもプロフェッショナルな印象を与えることができ、作成の手間も省けます。

自己PRは得意なことや心がけたことを短くまとめます

職務経歴書の最後にある自己PR欄は、何を書けばよいか悩みやすい箇所ですが、ここも難しく考える必要はありません。保育士として働いてきた中で「得意だったこと」や「大切にしていたこと」を一つか二つ選び、それを短くまとめるだけで十分です。

例えば、製作が得意であれば「壁面製作や行事の衣装作りが得意で、季節感のある保育室作りを心がけていました」と書きます。保護者対応に力を入れていたなら「送迎時の会話を大切にし、保護者との信頼関係構築に努めました」と記載します。立派な成果や特別な実績がなくても、日々の保育で当たり前にやっていたことの中に、あなたのアピールポイントは隠れています。自分の強みを一言で表現し、それにまつわる簡単なエピソードを添えるだけで、あなたらしい自己PRが完成します。

手書きよりもパソコンやスマホ作成が簡単で修正も楽です

職務経歴書を作成する際、手書きにすべきかパソコン（スマホ）で作成すべきか迷うことがありますが、簡単さを重視するならデジタルでの作成が圧倒的におすすめです。手書きの場合、一文字でも間違えると書き直しになるため、膨大な時間がかかりますし、精神的なストレスも大きくなります。

一方、パソコンやスマートフォンの作成アプリを使用すれば、修正や追記が自由自在です。また、作成したデータを保存しておけば、複数の園に応募する際に使い回す（内容を一部修正して使う）ことができるため、2社目以降の応募が劇的に楽になります。レイアウトも自動で整えてくれるツールが多いため、見た目の美しさに気を使う必要もありません。効率よく転職活動を進めるためには、便利なデジタルツールを積極的に活用してください。

提出前の最終チェックでミスを防ぎ完成度を高めます

簡単に作成した職務経歴書であっても、提出前の最終チェックは欠かせません。誤字脱字や、入学・卒業年度の計算ミス（西暦と和暦の混在など）がないかを確認します。特にテンプレートを使用した場合は、見本として入っていた文字がそのまま残っていないか注意が必要です。

また、履歴書の内容と職務経歴書の内容に食い違いがないかも確認します。在籍期間や園名が一致しているかを見直すだけで、書類の信頼性は高まります。誰かに読んでもらうのも良い方法です。自分では気づかなかったミスを指摘してもらえるかもしれません。チェックリストを使って機械的に確認作業を行うことで、最後まで効率的に、かつ質の高い応募書類を仕上げることができます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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